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アスリートの食事サイクル

2006/04/08放送

自らのパフォーマンスのため、常に自己を抑制しているアスリートたち。
そんな彼らのパフォーマンスを支えているのが食事である。
ところがこの食事、ただ取るだけでは効果は少ない。
そう、実はいつ取るかということが近年重要といわれているのである。
まず人間は体を動かすために必要なのはエネルギー。
そのエネルギーの単位がカロリーであり、これは食事をすることによって主に得られる。
成人男性が1日に消費するカロリーは、およそ2500キロカロリー。
その大半は基礎代謝で消費される。
では、いったいアスリートたちはどれぐらいのエネルギーを消費しているのか。

まずはサッカー。体重70キロのアスリートが90分フル出場したときの消費カロリーはおよそ1300キロカロリー。
フルマラソンでは体重70キロの男性が時速15キロ、およそ3時間で完走すると約3000キロカロリーを消費する。

カロリー消費が多そうな水中の競技といえばシンクロナイズドスイミング。
1日の練習でおよそ4000キロカロリーを消費する。

これまでに採取されたデータの中で最もカロリー消費が多い競技は自転車競技。
ロードレースの最高峰・ツール・ド・フランスの選手が記録したものである。
驚くこと無かれ、なんと一日で8000キロカロリーをも消費しているのだ。


そんなカロリー消費が多い競技の選手たちが最も気をつけていたことはレースもしくは練習後すぐに食事を取ることである。

中京女子大学の村上教授は食事のタイミングについてこう語る。
『実は運動中に筋肉は分解しています。運動が終わっても依然としても筋肉の分解は続きます。どうやって筋肉の分解を止めるとかというと、運動直後に食事を摂取する。これによって筋肉の分解をとめることが出来る。しかし運動後すぐに食事を取らず3時間後にとっても筋肉の分解は止まらず、どんどん筋肉は分解するということが明らかになりました。タイミングが非常に重要で運動直後に食事を摂取することが大事で早ければ早いほどいいです。出来れば30分以内がよろしいかと思われます。』

つまり運動した後、筋肉は分解されている。
その分解をとめる方法が食事である。
運動後すぐに食事をすることによって筋肉の分解が抑えられ、回復が促進されるのだ。
まとめ

運動による筋肉の分解は直後の食事により抑制され回復は促進される。

運動した後、筋肉は分解されている。運動後すぐに食事をすることによって筋肉の分解が抑えられ、回復が促進される。


次回予告

次回のテーマは『野球の審判』。
まだ記憶に新しいWBCでの誤審騒動。
一躍野球の審判が注目されたが、彼らについて知られるところは少ない。
ということで今回は若手審判に密着!!
彼らの知られざる苦労を追った。

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