アスリートドキュメント
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中日ドラゴンズ・ホッシャ

2005/12/10放送

~中日ドラゴンズから戦力外通告・ホッシャの今後は?~

今年、中日ドラゴンズはドラフトで10人を獲得。夏の甲子園で1試合に3本の本塁打を放ち、超高校級として脚光を浴びた大阪桐蔭の平田など注目の選手が目白押しだ。そんな中、平田と同じく過去に甲子園を沸かせたブラジル出身のホッシャ(旧選手名:瀬間仲ノルベルト)は、今年、戦力外通告を受けた。

ホッシャは、2003年、中日ドラゴンズに入団した。宮崎・日章学園時代に甲子園で見せた特大の本塁打が入団への切符となり、大砲候補として将来を嘱望された。しかし、一度も一軍出場することなく、僅か3年、若干21歳で厳しい現実を突きつけられた。
しかし、ホッシャは諦めることができない。練習場で黙々とバッティング練習を続けた。
戦力外通告を受けた選手がプロ野球に残る方法は1つだけだ。球団関係者を集めて行われる12球団合同トライアウト、つまり再入団テストを受けることだ。チャンスは年に2回のみ。ホッシャはこのトライアウトに望みを賭けた。

そして迎えた1回目のトライアウト。バッターに与えられるのはたった3打席だ。緊張感が漂う中、トライアウトは進んでいく。「絶対に結果を見せて、どこかのチームに再入団したい。」しかし、彼はヒットを放つことができなかった。
他の参加選手が再入団先を決めていく中、結局、ホッシャには球団からの連絡はない。しかし、ホッシャはまだ諦めない。
今までだって、ブラジルからたった一人で来日して頑張ってきたのだ。絶対に野球で成功してブラジルの家族の生活を楽にさせてあげたい。
今年残されたトライアウトは後1回だけ。落ち込んでいる暇はないのだ。

練習を更に積んで臨んだ2回目のトライアウト。ここでいいバッティングを見せることができれば、球団から声がかかるかもしれない。人生を賭けた闘いだ。
しかし、最初の2打席は三振に終わってしまう。そして最後の打席。バットにボールが当たった。しかし、キャッチャーフライ。結局、見せ場を作ることができなかった。その日、ショックで何も考える余裕もないままホッシャは家路についた。

数週間が経過した今も、ホッシャにまだオファーは来ない・・・。でも、まだ野球の練習は続けている。何故ここまで野球に拘るのかという質問に彼はこう答えた。「僕は野球が大好きなんです。言葉では言い表せないぐらい。」と。
これからもホッシャは野球を続ける為の道を探していく。野球は彼の人生そのものなのだ。
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