昨シーズンのJBLスーパーリーグファイナル。
アイシン、東芝共に2勝ずつを上げ、この試合に勝ったほうが優勝を手にする。
アイシンは、司令塔、佐古賢一を中心に、リーグ3連覇を目前にしていた…。
ところがここでまさかの出来事が起こる。
佐古が左足アキレス腱断裂してしまったのである。
そして司令塔を失ったアイシンは接戦の末、東芝に敗れてしまった。
アスリートには致命的ともいえる大怪我。もう35歳。
頭の中を引退の2文字がよぎった。
ところがアキレス腱断裂から5日後、病院に、手術を控えた佐古がいた。
選んだ道は35歳での現役続行。
地道なリハビリの毎日。
再発防止のため過度の負担をかけることはできない。
それでも早くバスケットボールがしたい。そんな葛藤を胸に、苛立ちだけが募っていった。
そんな時、佐古の支えとなったのが家族だった。
子供たちの笑顔が佐古に勇気を与える。怪我をして改めてその存在の大きさに気が付いた。
そして迎えた今シーズンのスーパーリーグ開幕戦。
アイシンの先発メンバーに佐古がいた。
あの悲劇からおよそ8ヶ月。止まった時計が動き出した。再びバスケットボールができる喜びをかみしめながら、背番号2はコートを縦横無尽に駆け回った。
佐古賢一、完全復活への道はまだ始まったばかりだ。
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