アスリートドキュメント
スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ 密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します
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高校野球・大府vs中京大中京

2005/07/02放送

~もうひとつの夏~

 夏の予選を1か月後に控えた、6月13日。瑞穂球場に大府、そして中京大中京の野球部員が集まった。この夏の大会で、ベンチ入りを果たせなかった「背番号の無い3年生」が行なう『引退試合』――彼らにとって、これがグラウンドで戦う最後の試合となる。
 ベンチ入りメンバーを外れた3年生は、大府が36人中22人。中京大中京は36人中26人。3年生最後の夏、彼らが付けることのできない背番号を手渡され、この日ばかりは彼らが、グラウンドでの主役となる。
  午後5時30分。3年間の集大成、最後の夏が幕を開けた。試合は1回、大府が4本のタイムリーを集め、打者一巡、一気に6点を奪い、主導権を握る。これに対して、中京大中京も2、3、4回と小刻みに得点を重ね、6対3と追い上げる。
 スタンドから送られるのは、ベンチ入りしたメンバーからの声援。3年間、苦しい練習を共に耐えてきた仲間への必死のエール。グラウンドでは、3年間、チームを支え続けた熱い思いをプレーにぶつける。
 試合は6対3で大府が勝利。試合後のグラウンドには、両校の選手が一緒になって、歓喜の輪が広がった。彼らが最後の晴れ舞台で、最高に輝いた瞬間――
 そこには確かに、もうひとつの夏があった・・・
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