アスリートドキュメント
スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ 密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します
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フィギュアスケート・安藤美姫

2005/04/09放送

~17歳のスケーターが突き当たった壁~

モスクワでの世界選手権を終え、帰国した安藤美姫。 「とにかく今は気持ちをオフにしたいです。」心身ともに疲れきった様子で語った。

今年2月、世界選手権まで1ヶ月を切った頃、フリー演技のプログラムを変更するという 異例の行動をとった。「ギター協奏曲」から慣れ親しんだ「火の鳥」への変更。 昨シーズン世界へと羽ばたくきっかけとなった思い入れの深いプログラムである。
「今年は気持ち的にも不安な面があり、試合に出たくない時もありました。
~火の鳥~を演じていた時は、本当にスケートが楽しいと思ってやっていたんですけど・・・」
日本のトップスケーターへと登りつめた安藤を苦しめたもの、それは・・・
求められる結果。その一方で自分らしく滑りたいというこだわり・・・
そのはざまで安藤は常にもがいていた。
プログラム変更は「心から滑りたい」為の最後の賭けだった。

そして迎えた世界選手権、実はその体調は万全ではなかった。新プログラムを1ヶ月で追い込んだ反動で足首が悲鳴をあげていた。得意のジャンプそして練習を重ねたステップにもミスが出た。結果は6位。だがプログラムを変更したことに悔いはない。心から楽しく「火の鳥」を演じきることが出来たからだ。

「今シーズンはいろんな人との意見の食い違いでスケートに対して嫌なイメージを持った時もありました。でもそれを乗り越えてきた試合が多かったので違う面で勉強になりました。次はもっとスケートが好きで試合に臨めると思います。」

いよいよ迎えるオリンピックシーズン。安藤は初めて外国人コーチとコンビを組む。
「美姫はいろんな方の意見をまずは聞きたいです。それを全部こなしたら、どんなに素晴らしいことになるか想像もつかないですよね。全部こなしちゃったら・・・」

5月からアメリカ留学が決まった安藤。彼女には無限の可能性がある。 そして、最終目標トリノオリンピックで満開の花を咲かせる。
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