アスリートドキュメント

スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。

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中日ドラゴンズ 平井正史

2009/06/06放送

~再起をかけた戦い~

5月12日、岐阜長良川球場でのスワローズ戦でドラゴンズの守護神岩瀬がプロ野球史上4人目となる200セーブを達成した。
そのお膳立てをしたのが2番手で登板した平井だった。
2点リードの8回、打者3人を完璧なピッチングで抑え、セットアッパーとしての役割を果たした。
そしてこのピッチングが平井にとって今シーズンのベストピッチだという。
「思ったコース、思った高さに、狙ったボールがいっていた。狙ったところへいけば、抑えられるボールにはなってきています。」
プロ16年目、平井正史。セットアッパーへ再起をかけた戦いが始まった。

平井は優勝した2006年は57試合、翌年は45試合に登板と岩瀬につなぐセットアッパーとしてチームになくてはならない存在となっていた。
しかし去年、ヘルニアを患い腰に痛みが出ると、その影響もあり思うようなボールが投げられなくなり、2軍落ちを経験するなど最悪のシーズンを過ごした。
「体がついてこなかったですね。マウンドで投げていても、もどかしいというか、そんな感じの1年だったですね。」
再起をかけて臨んだ今シーズン。去年苦しんだ腰の痛みが消えたことでストレートに本来の力強さが戻った。
球速も140キロ台の後半を記録するようになり、甦りつつあるスピードに平井も手応えをつかんでいる。
「狙ったところにいけば抑えられるボールにはなってきています。」
ところが6月5日現在、平井は21試合に登板し防御率は4.60と、競った展開で登板する中継ぎとしては物足りない内容。
「まだバラツキがある。バランスが悪くなるとボールが抜けたり、引っかかったりする。」
原因は安定しないフォーム。修正するために平井が取り入れているのが『遠投』である。
普段投げるマウンドからの倍以上もの距離を何度も何度も繰り返し投げ込んでいく。
「長い距離を投げることによってボールの質の良し悪しが良く分かる」
マウンドからストレートを投げた場合、悪いシュート回転のボールでも距離が短いために、それほど曲がらない。しかしそれが長い距離であれば、大きく曲がってしまう。
遠投でボールの質を確認しフォームがチェックできるのだ。
交流戦に入って本来は先発ローテーション投手の浅尾がセットアッパーの役割を担っている。
しかし、連戦が多くなる交流戦後はまだ不確定。セットアッパーが確立されたとは言い難い。
守り勝つ野球を目指すチームにとって中継ぎで経験豊富な平井の、ベテランの力は必ず必要となるはずである。
「コース、高さで思ったボールが思ったように投げられれば、良いピッチングは出来ると思います」
開幕前、平井はプロ野球史上100人にも満たない大きな節目、通算500試合登板まであと59試合としていた。
平井の年間最多登板数は優勝に貢献した2006年の57試合。
今シーズンの登板数は6月5日現在、既に21試合を数える。
もし今年500試合登板を成し遂げたとすれば、それは自らの年間最多登板記録を更新することになる。
つまり、平井正史が再起を果たした証しとなるのだ。


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