ニュース情報センター ドキュメンタリー

メ~テレではドキュメンタリー制作に力を入れていて数々の賞を受賞しています!
実際にいくつもドキュメンタリーを制作しているプロデューサー、記者、アナウンサーに話を聞いてみました。


村瀬史憲
入社年:2005年(中途入社)
ドキュメンタリー制作プロデューサー
作品名
メ~テレドキュメント 葬られた危機~イラク日報問題の原点~
英雄の妻 敦子 ~激動の日中関係を生きた女の人生~


石神愛子
入社年:2014年(中途入社)
アナウンサー


小島佑樹
入社年:2012年
愛知県警担当キャップ


村瀬:なんかすごい変わったメンバーだね(笑)

小島:テーマは「ドキュメンタリー制作」なんですが、メ~テレは専属のドキュメンタリーチームっていうのがないので・・・こんな感じで制作したことがあるメンバーで集まりました。っていっても村瀬さんはドキュメンタリー制作のプロなので恐縮です・・

石神:学生の方にはドキュメンタリーってどんなふうに作られるか分かりづらいかもしれないですね。

村瀬:基本的な流れは・・・デイリーのニュースの取材の中から深堀りできそうなテーマが見つかったときに、まずはアップやドデスカ!で特集を作ってみる。取材を積み重ねていくうちに30分や1時間の番組ができていくっていうかんじ。月に1回ドキュメンタリー会議っていうのを開いていて、そこで企画を揉みます。

小島:経験や年次問わず、意欲がある人が会議で提案していくって感じですよね。石神さんはアナウンサーですがディレクターも経験されていますもんね。

石神:そう!もともとドキュメンタリーに興味があって、村瀬さんが人工乳房の企画をテーマ(日本のチカラ「人工乳房で微笑みを~常滑焼「型」職人の挑戦~」)にディレクターを公募されたときに手を挙げました。「ナレーションでもいいからぜひ関わりたい」と伝えていて、そのときはまさかディレクターができるとは思ってなかったです。

村瀬:アナウンサーとドキュメンタリーって親和性があって、各局のドキュメンタリーの名プロデューサーはアナウンサー出身だったりするんだよね、実は。



小島:僕は普段記者なので毎回事件がきっかけです。入社して2年目で1本目を作ったのですが、「癒着の構図」っていう愛知県警と弘道会の癒着を追ったもので、癒着をしていた警察官が逮捕されたのをきっかけに深堀りしていきました。2本目も日ごろの取材の中で、「仮放免」っていう言葉が僕の中にすごくひっかかっていて、「どんな意味だろう?」と思ったのが取材のきっかけでしたね。

村瀬:記者はネタの宝庫だよね。

小島:そうですね。日々違うネタを追いかけて、日々違う人と話をしているので、そのときに感じた違和感をさらに取材していくと番組になっていく、という。

村瀬:僕の場合、もう長くやっているので、なんかいろいろなものが澱みたいに溜まっていって、ふとした瞬間に「なんかこれってものすごく大事なことなんじゃないか」っていうスイッチが入ることもある。短期的に目の前のネタを追いかけることもあれば、脈々と少しずつ変化しているものの断面が突然見えるみたいな、長期的な視点を持たないと見つけられないネタもあるんだよね。

石神:同じ方を追いかけることでその方の周りと繋がったり変化に気づけたり、継続することで何か新しいものが生まれるっていうのは取材で実感しましたね。

小島:「これが番組になるのかすら分からないけど、こんなことが起きているんです」みたいなラフな相談から始めて、当事者を取材していくうちに新しいことを発見することが結構あります。

石神:時事的なタイミングもありますよね、法改正とか世の中の流れと合うと企画として説得力が出たり。

村瀬:雑談から企画になっていくパターンも意外にあるよね、「これ調べてみたら?」とか。

小島:あと、若手が企画を出せる機会が多いんです。1年目から毎週の企画会議で5分のミニ枠の企画を提案していたし、出してみればいろんな人からたくさんの意見をもらえていろんな視点を学べました。だからドキュメンタリーの企画を出すのもその延長みたいな感じです。

村瀬:ちゃんとしたプレゼンじゃなくてもよくて、発想と着眼点さえおもしろければ「やってみたら?」ってなる雰囲気はあるよね。

石神:そう、だから、具体的にドキュメンタリーの経験値ゼロで手を挙げても採用されちゃいました(笑)実際やってみるとすごく大変でしたが、環境はすごく恵まれていて、担当番組をお休みさせてもらったり報道局みんながバックアップしてくれたり、専念できる環境を作ってもらえましたね。

小島:県警キャップという立場でも、周りがカバーするからやってこいって言ってもらえますもん!

村瀬:やりたいことをなんとかしようっていう協力体制はすごくあるよね、みんなでバックアップしようみたいな。

石神:村瀬さんが熱いメールを送ってくれるから「こんな立場でもやっていいんだ」って思わせてもらっています。初心者だと分からないことも多いけど、ベテランの村瀬さんに後押ししてもらえると心強い。

村瀬:メールは反応ないから最近やめてるんだけど・・・みんな「了解」とかくらい返事してよ(笑)

小島石神:返信を遠慮してました(笑)



石神:ドキュメンタリーっていうと、すごく高尚な、まじめなイメージが強すぎて躊躇しちゃう部分はありましたけど、いざ作ってみると、「こんな人を応援したい」とか、そういう温かい熱い想いが番組になったりする。視聴者とも、取材対象の方とも信頼関係を築くことがすごく大事だなと思いましたね。

小島:簡単に連絡を取れる今の時代だからこそ、直接顔を見て話を聞くこと、空気感を感じることって必要ですよね。

村瀬:相手がどういうところに住んでいるのかとか、土地の特徴とかそういった細かい情報が積み重なってもっと深い背景が見えてくることがあって、プロデューサーの今でも必ず現場に行くようにしています。

石神:どんな人が向いていると思いますか?

村瀬:極端でしつこい人が多いイメージあるなぁ、なにかにすごくこだわれる人というか。あと、謙虚さはすごく重要で、知ったつもりになっていると本質的なことを見逃すことが多いんだよね。「なんでこうなんだろう」と常に考えられる人は発見が多いと思うな。

小島:正直、向いている向いていないはないと思っていて、強い想いを持っていて、きちんと取材相手に向き合える人であれば誰でも大丈夫!って思っています。

村瀬:メ~テレはドキュメンタリー制作の環境がすごく恵まれていると思っています。全国放送の枠も多いし、全国レベルで勝負できる人が揃っています。熱い思いを持っている方ぜひ!