「栗が秋を感じていないのかも…」猛暑と残暑で栗の収穫がさみしい状況 栗園ではこれからの最盛期に期待
2024年9月15日 10:06
“食欲の秋”というくらい、多くの作物が実る秋。しかし今年は、秋の味覚、栗の収穫に影響が出ているようです。
愛知県新城市にある道の駅「もっくる新城」。
地元でとれた農産物などが並び、秋の味覚も少しずつ増えてきました。
その代表格が「栗」です。
もっくる新城には例年8月下旬ごろから収穫時期の早い早生の栗が入荷されます。
今年は猛暑日が続き、栗のサイズを約500gに統一して販売
人気の秋の味覚に変化
さらに9日の週からは、新城産の栗を使った手作り栗きんとんも登場。
人気の秋の味覚とあって手に取る人は多いようで――
「栗きんとんをつくるのが趣味で。山栗を拾って栗きんとんを作るのが一番おいしいけど、まだ山栗がとれないから」(地元の人・70代)
「女房がよく栗のごはんをつくるので。大きいから、おいしそうじゃないですか」(浜松市から・70代)
ただ今年は、ちょっと様子が違うようです。
「こちら新城産の栗になっていまして。今年は結構、生育の時期に猛暑日が続いて、例年に比べると若干、収穫量が少ないと聞いています。去年と比べると袋の大きさが、(去年のほうが)もうちょっと大きかったんですが、今年はこのサイズ。約500gのサイズに統一されています」(もっくる新城 売店長 濱井宏昭さん)
今年の出荷量は3~4トンになる見込み
栗の出荷量は、去年の半分以下
JA愛知東によりますと夏の高温と雨が降らなかったことが影響してか、新城産の栗の出荷量は去年の半分以下だといいます。
昨年度の出荷量は約6.6トンでしたが、今のペースだと3~4トンになるのではとみています。
栗の木を栽培し、けさとれたものを店頭に並べていた女性も――
「今年は少ない。去年の方がたくさんとれた。人間だって植物も、自然のものだって暑すぎちゃ良くない」(栗を販売しにきた地元の人・90代)
もっくる新城 売店長 濱井宏昭さん
数は少なくても、味に大きな変化はなし
最盛期となる9月下旬ごろに向けて、1粒でも多くの栗が収穫が待ち望まれます。
その一方で、数は少なくても味には自信があります。
「味には大きく変化はないです。新城の栗の特徴は大粒というのが特徴で。あとはホクホクして甘いです。収穫量が少なくなっているので、気持ちとしてはすごく出したいです」(濱井さん)
中津川マロンパークでは22種類の栗を栽培
今月から栗拾いが始まる
岐阜県中津川市の「中津川マロンパーク」では栗の木約1600本が植えられています。
9月から始まったのが栗拾いです。
「ぎっしり、かわいい子がいっぱい」(来園者)
Q.どう食べる
「栗ご飯と甘露煮にしてトッピング」(来園者)
「栗ご飯です。ちょっとむくのが大変ですけど」(来園者)
この農園には22種類の栗が栽培されていて、時期によって食べごろの品種を手にすることができるように工夫されています。
中津川マロンパークで今とれる品種は「ポロタン」
特にとれる品種は?
今、特にとれる品種は何なのか、スタッフの狭場さんに聞いてみると――
「ポロタンというのがあって。ちょっと面長な特徴があって。鬼皮の中の渋皮がポロッととれる」(中津川マロンパーク スタッフ 狭場晋平さん)
中津川マロンパーク スタッフ 狭場晋平さん
例年とは違う光景も…
今も、トゲに覆われた栗の実がたくさん実っていますが、今年は例年とは違う光景だといいます。
「1カ月の勝負で3日っていうのは、結構大きいもので。3日くらい遅れているかも。ずっと暑いので、栗が『秋が来た』ってあまり思っていないかもしれない」(狭場さん)
Q.例年はどんな状態になる
「本当に最盛期になると、ポロタンの最盛期だと本当にぼろぼろ落ちますので。栗のじゅうたんができます」(狭場さん)
今年は9月に入っても秋の訪れを感じない暑さが続き、地面に落ちる栗の数が少ないといいます。
「客はポロタンを取ることを目的に、時期をあわせてきたりするが、ちょっと少ないな、ちょっと申し訳ないな。拾うのに苦労するなと思う」(狭場さん)
中津川マロンパークの栗拾いは10月6日まで
今年の収穫量は少ない
多い時は、ひとりでバケツ一杯約3キロ拾える時もありますが、今年はそれほど収穫量がないそうです。
「味はとにかく実って落ちてきたら、うまくなって落ちてくるという。味はうまい」(狭場さん)
収獲の時期が遅れているとはいえ、実はしっかりとして味も良いとのこと。
中津川マロンパークの栗拾いは10月6日まで楽しめます。