5類移行から1年 新型コロナに翻弄された飲食店に今度は「物価高」、逆境乗り越える工夫で勝負
2024年5月8日 17:19
新型コロナが5類に移行して8日で1年が経ちました。新型コロナに翻弄された名古屋の飲食店でまだ続いていること、変わったことを取材しました。
名古屋の伏見に店を構える「広小路キッチンマツヤ」。名古屋名物などが味わえる老舗洋食店です。
コロナ禍で、翻弄された3年間。
度重なる休業要請に応じ、お弁当の販売に切り替えるなど対策をしてきました。
営業ができるようになってからも、飛沫防止のシートの設置や、配膳ロボットの導入など試行錯誤してきました。
「コロナで本当にリセットされてしまって『あなたたち今の時代からどうしますか』と突きつけられた感じがしています」(広小路キッチンマツヤ 仲江亜咲奈 店長)
コロナ禍を振り返り、話してくれたのは店長の仲江さんです。
新型コロナが5類に移行して8日で1年。
広小路キッチンマツヤ 仲江亜咲奈 店長
客足は“元通り”とはいかず
以前は飛沫防止のシートがありましたが、去年から外されました。一方で、配膳ロボットはいまも活躍しています。
コロナ前に戻った店内。しかし、客足については元通りとはいかず、コロナ前とくらべ、8割程度に留まる月もあるといいます。
「歓送迎会など会社で集まるということは、やられるんですけど、日々の飲んだり食べたりというのを、外でやるというのが昭和の文化なのかなと」(仲江店長)
お客さんに話を聞いてみると――
「飲食の回数は変わりましたね。ランチは5類になる前は弁当を持参して、あまり外に出ず。夜も会社の飲み会も数がだいぶ変わりました」(40代)
「うちの会社、リモートが増えているので、コロナ前と比べると、人と会う回数が減り、食事も減った」(30代)
野菜たっぷり彩り定食(エビフライ)1880円
逆境を逆手に取ったメニューの開発に力を入れる
売り上げが戻らないのには、もうひとつ理由が。物価高による原材料の高騰です。
「油をもともと2800円で買っていたが、5950円に。油を使わないメニューをおすすめというか、お値打ちにして油を少しでも新鮮なまま長く使おうとしています」(仲江店長)
しかし、この逆境を逆手に取り、メインにたくさんの小鉢が付いた「野菜中心のメニュー」の開発に力を入れたといいます。
「ゴールデンウィークに100食ぐらい出てびっくりしちゃって。うちに来たらみんなみそカツみたいな感じだったんですけど。そんなに出ると思わなくてびっくりしています」(仲江店長)
若い女性客やファミリー層がこれまでの倍に増えたといいます。
「お子さんの泣き声とか、泣いたり騒いだりしている隣でおじさんたちが飲んでいるという、ちょっと見たことない光景が最近見受けられます。今後は外国人の方や観光で来られる方など、幅広いお客様にうちを知ってもらう努力をしていきたいと思っています」(仲江店長)