「戻らない」と答えた割合は半数以上 福島・双葉町の今 【東日本大震災から13年】

2024年3月11日 19:36

未曽有の原子力災害から13年、福島・双葉町の今を取材しました。

「双葉駅」近くの町営住宅

 福島第一原発がある、双葉町。

 4年前、原子力災害の実態や、復興の現状を伝える施設がオープンしました。

 2025年度には、国営の「復興祈念公園」が完成予定で大規模な会議が開催できるホテルの開業も決まっています。

 JR常磐線の「双葉駅」近くには真新しい町営住宅が並んでいます。

「もともと双葉にお住まいだったりとか、双葉出身の方、いわゆる帰還されているk方と、私のような移住してくる方がだいたい同じ数が入居できるように割り振られています」(町営住宅に住む人)

 去年6月から入居が始まり、今年初めの時点で、35世帯44人が生活しています。

 復興は順調に進んでいるかのように見えますが――

「震災前7140人いた住民の皆さんが、どの程度戻って来れるかというのは非常に厳しい状況であると…」(福島・双葉町 伊澤史朗 町長)

 

双葉町への帰還について(復興庁・福島県・双葉町調べ)

「医療環境に不安」「生活に必要な商店が戻りそうにない」

 原発事故のあと、町のほぼ全域が「帰還困難区域」に指定され、7000人ほどの町民全員が避難を余儀なくされました。

 11年半が経過したおととし8月、町内15%ほどのエリアで避難指示が解除されましたが、戻ってきたのは1月1日時点で、100人ほどに留まっています。

 復興庁などが行った、住民の意向調査によると「戻らない」と答えた割合が、半数以上に上っています。

 その理由としては、避難先で、すでに生活の基盤ができていることに加え「医療環境に不安」「生活に必要な商店が戻りそうにない」などが多い回答となりました。

 さらに――

「建築単価が高くなってしまったことによって、戻りたい町民が戻ることが非常にこの厳しい状況になっている」(伊澤町長)

 

福島・双葉町 伊澤史朗 町長

「新たな移住を求めるための政策をやらなくては…」

 住宅建設にかかる費用が高騰しているため、町は、新年度予算に補助を盛り込む方針です。

 双葉駅周辺では先週、郵便局が開業するなど整備が進んでいて、町は生活に必要なインフラが整う見込みの2030年ごろ、人口2000人になることを目標としています。

「戻れないから戻らないのかではなくて、戻れなかったら戻るためにどうするかっていうのは、今後の我々の取り組みになってくるだろうと。住民帰還だけではなくて、新たな移住を求めるための政策というのもやっていかなくてはいかない」(伊澤町長)

(3月11日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)

 

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