愛知県議団が南米に出発 4年ぶり海外視察、費用総額3320万円も「観光目的は一切ない」

2023年8月22日 18:17

愛知県の県会議員の調査団が、22日から南米に出発しました。新型コロナの影響で県議の海外調査は4年ぶりです。私たちにどんな成果がもたらされるのでしょうか。

南米へ出発する愛知県議団

 22日午前11時前、JR名古屋駅に続々と現れた愛知県議の面々。総勢14人の議員団で、22日から6泊10日の日程で海外に向かいます。

 コロナ禍を経て約4年ぶりとなる海外派遣。その行き先は南米、アルゼンチンとブラジルです。

「ブラジル・アルゼンチンが愛知県にとって、これからどういう協力関係をさらに深めていくのにどうしたらいいのか、何かヒントとか解答が出るといい」(愛知県議会海外調査団で団長を務める 峰野修議員)

 

松川るい参院議員のSNSより

国会議員の海外渡航に「観光旅行」と批判も

 議員の海外渡航といえば7月、自民党女性局のフランス研修をめぐり、SNSに投稿された写真が「観光旅行」などと批判されていた問題。

 この問題をめぐり22日、松川るい参院議員が女性局長の役職を辞任しました。

「自民党の女性局がフランスに行ったニュースについてコメントする立場にない。だけど僕らが行く内容については観光目的というのは一切ない。県議会の視察はある意味公的な派遣ですから、交流や現地の状況を見てくることなので目的が違う」(峰野県議)

 

アルゼンチンでの日程

アルゼンチンでは「スマートシティの推進や農業振興などを調査」

 愛知県議団の今回の海外渡航、予定されている日程は――

 23日、アルゼンチンのブエノスアイレスに到着してから3日間滞在し、NECの現地グループ企業や国立の研究所などを訪れます。

 そこではアルゼンチンのスマートシティの推進や農業振興などについて調査。

 

ブラジルでの日程

ブラジルでは「スマート農業の推進などについて調査」

 そして一行は26日、アルゼンチンからブラジルに移動し、知事とともに現地の愛知県人会の式典出席後、企業を訪問してスマート農業の推進などについて調査し、31日に名古屋に戻る予定です。

「百聞は一見にしかずということで、見ることによってこれから自分たちの県政運営の中に生かしていける」(峰野県議)

 

愛知県議会海外調査団で団長を務める峰野修議員

調査費用の総額は約3320万円

 議会事務局によりますと、6泊10日の南米調査の費用は総額約3320万円。議会費、つまり税金から支出されるということです。

「必要な費用はかかるが、それに見合うだけ、それ以上の県政運営の中での効果を出していると自負している。『税金の無駄遣いをするな』という意味では、非常に厳粛な、厳正な仕事だと思う」(峰野県議)

 

名古屋市立大学大学院 三浦哲司准教授

専門家「提案の役割を」

 議員の海外視察について、地方自治に詳しい名古屋市立大学の三浦哲司准教授は――

「海外視察を行う上で議員に求められることは、単に行きっぱなしで終わらせないということに尽きる。例えば条例提案や事業の提案、しっかりと成果を踏まえ、それをもとにした何らかの提案活動、提案の役割を担うことが求められる」(名古屋市立大学大学院 三浦哲司准教授)

 議員団による今回の調査報告書が公開されるのは、2024年1月の見通しです。

「既存の資料やインターネット情報を転用し、報告書をまとめあげることは絶対ないように。そうだったらそもそも行く必要がないわけで、9月議会や12月議会があるわけなので、しっかりと、成果はできるだけ速やかに、特に議員自身の手でまとめる必要がある」(三浦准教授)

(8月22日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

 

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