「城推し」や「Vtuber推し」子どもの“推し活”事情 中高生の4人に1人が「月1万円以上使う」
2023年8月18日 07:10
「推し活」とは自分のイチオシの人やキャラクターを応援する活動で、子どもたちにも広がっています。好きな人や物事を応援する姿は微笑ましい一方で、どのようにお金を使っているのかなど、心配な面も。推し活が子どもに与える影響を取材しました。
子どもの“推し活”事情とは?
愛知県岩倉市の学習塾で推し活をやっている人を尋ねると…
「はーい!」(クラス全員)
「全員!?こんなことありますか!?」(西尾アナウンサー)
夏休みも勉強に忙しい中学生たちですがーー
ーなんの推し活をやってる?
「Vtuberの推し活をやっています」(中学生)
それぞれの机の上にはユーチューバーやアニメのキャラクターなど、推しグッズの数々。
子ども向けサイト「ニフティキッズ」が行った調査でも、なんと小中学生の92%が「推しがいる」と回答。
多くは歌い手やユーチューバー、アイドルなどを推しているそうなんです。
可愛くデコった推しのカードケース
お小遣いから月に2000円をかけて「推し活」に母親は…
ハンズの推し活グッズコーナーで出会ったのはーー
ー推しはいますか?
「『すとぷり』の莉犬くん」(姉)
「『フォーエイト48』ユーチューバーの」(妹)
ネットアイドル「すとぷり」推しの姉、中学3年生の村中優心さんとユーチューバー「フォーエイト48」推しの妹、小学6年生の杏羽さん。
2人の部屋を見せてもらうとー
姉・優心さんは、自分の部屋を推しに囲まれた空間に。
一方、妹・杏羽さんが作っているのは。
「推しのカードケース」(妹・杏羽さん)
イメージカラーのビーズで可愛くデコったカードケースを持って、写真を撮ったりするんだそう。
「推しがもともと可愛いのにもっと可愛くなっちゃう。本当はもっともっともっと可愛いんだけどね~」(妹・杏羽さん)
2人が推し活に使うお金は、お小遣いから月に2000円ずつくらいだそう。母親はーー
「1個のことを好きでいるのは良いことかな。姉は、買いたいものがあったらお金をためることを考えるようになった。推しグッズを買うときは買える範囲内で買う。今までそんなことはなかったのでそれは良いかなって」(母・奈々江さん)
推し活の悪い影響
子どもの”推し活”について、専門家「良い影響も悪い影響も」
子どもの間で”推し活”への熱が高まっている理由について、推し活応援メディア「oshicoco」の多田夏帆 代表に伺いました。
「1つは『SNSの発達』が原因と言えると思う。自分と好きなものが同じ人を見つけやすくなったことで、自分の好きなものを好きだと言いやすくなった」(oshicoco多田夏帆 代表)
推し活は子どもにとって、良い影響も悪い影響も与える可能性があると多田さんは言います。
「悪い面は、例えば親に無断でゲームなどに課金してしまったり、グッズなどにお金を使いすぎてしまうことも人によってあるかもしれない」(oshicoco多田夏帆 代表)
中高生が推し活に使う金額(oshicoco調べ 2022年2月 約4700人が回答)
推し活に使う金額 4人に1人「月1万円以上使う」
「oshicoco」が中高生に行ったアンケートでは、4人に1人が月1万円以上、推し活に使っているという結果も。
「ただ良い面もあって、好きなものを持つことで友達が増える経験をしたり、そのコンテンツに触れなければ知らなかった考え方や体験をすることも出来るので、自分の身を守りながら、お金のバランス感覚も勉強しながら推し活をするのが小中学生には大事」(oshicoco多田夏帆 代表)
ーある意味、推し活が小中学生の生活や感性を豊かにしているとも言える?
「言えると思います。自分の夢が見つかりやすくなったり、夢に向かって頑張ろうという想いを持ちやすくなったり、そういった良い影響もあると思っている」(oshicoco多田夏帆 代表)
家には手作りのお城の模型の数々
「城推し」の中学生が登場
そして東海地方に、少し”変わった推し”がいるとの情報が。
東郷町に住む、中学3年生の井俣颯斗くん(14)です。
さっそくお家にお邪魔すると、リビングに鎮座するのは「甲冑」。
「甲冑を作る講座があって、それで作りました」(中学3年生 井俣颯斗くん)
さらに、部屋には手作りのお城の模型の数々が。
ー何推しなんでしょうか?
「お城です」(井俣颯斗くん)
そう、井俣くんは、お城に熱中する「城推し」の中学生なんです。
ーいままでどれくらいのお城を巡った?
「150は超えてると思います」(井俣颯斗くん)
訪れた城は、小3からの6年間で150以上。その楽しみ方も独特でーー
「攻める感覚でお城に行ったり、帰る時は守る側の気持ちになって帰っています」(井俣颯斗くん)
井俣くんの推し活資金はお小遣いのうち月2000円ほど
「城推し」のキッカケは?
そんな、お城を愛する井俣くん。推しに出会ったことでこんなメリットも。
「通っている学校に『歴史研究同好会』という部活があって、そこに行っている。そのために中学受験を頑張って、いま頑張った分、他の数学とかの知識も入っているかなと思う」(井俣颯斗くん)
ー中学を受験したのは推し活のため?
「はい。その部活に行くために受験しました」(井俣颯斗くん)
母親はーー
「これだけ好きなものがあるのはちょっとうらやましい。夢中になるとよく覚えるなって思う」(井俣颯斗くんの母)
井俣くんの推し活資金は、お小遣いのうち月2000円ほど。各地の城巡りは、家族旅行に合わせて行っているそうです。
公私ともに「お城推し」の生活を送っている井俣くん。そもそものキッカケは?
「沼に入った感触があったのは”岩崎城”に行ったとき。学芸員さんとの話がすごく興味深くて、『これ楽しい!』と思ったのがキッカケです」(井俣颯斗くん)
井俣颯斗くんがお城を案内
”お城愛”が止まらない
井俣くんがお城推しになったキッカケに秘密が?日進市にある岩崎城にやってきました。こちらのお城は戦国時代初期に建てられ「小牧・長久手の戦い」の舞台の一つとなった城です。
ー岩崎城の推しポイントは?
「お堀です。敵が攻める時に、お堀を超えないと本丸にたどりつけないが、ここは結構急で、木の棒を掴んでいかないと登れないくらい急」(井俣颯斗くん)
早速、コアな推しポイントが飛び出しましたが、お城に入ってからも、井俣くんは止まりません。
「(鎧を見て)ここの部分を草摺(くさずり)って言うんです。紐がたくさん威してあるのもあるし胴と同じように菱縫(ひしぬい)が入っているのも。兜の前立てがどんな形でどんな装飾かを見ている」(井俣颯斗くん)
井俣くんの”お城愛”がすごく伝わってきました。
ー将来の目標は?
「お城の研究をする歴史学者になりたい」(井俣颯斗くん)
(8月17日15:40~放送メ~テレ『アップ!』一歩前へより)