“間違いがちな汗対策” 汗拭きは濡れタオルで、制汗スプレーは汗をかく前に…夏に気になる汗のニオイ

2023年7月6日 19:28

これから夏本番。避けられない「汗」ですが、気になるとの声が多いのは、ニオイや汗によるメイク崩れ。汗対策の達人2人に、その極意を聞きました。

臭気判定士 松林宏治さん

 「花王」が、約1万人に聞いた調査では、「汗をかいたときに気になること」の第1位は男女ともに「汗のニオイと体臭」でした。

 どうしたら汗のニオイを抑えられるのか。ということで助けを求めたのは、松林宏治さん。人呼んで「におい刑事」。

 「臭気判定士」という国家資格を持ち、その鼻で様々なニオイトラブルを解決する、ニオイのプロフェッショナルです。

「実は汗には2種類あって、良い汗と悪い汗がある。それによってニオイの質とか強さも変わってくるので」(におい刑事・松林宏冶さん)

 

臭気判定士 松林宏治さん

名古屋で「汗の違い」調査

 まずは街の人の「汗の違い」を探るべく「におい刑事」が名古屋で大捜査。

 最初は、こちらの30代男性。

「オジサンみたいな、汗のニオイがしているんじゃないかって心配がある」(30代男性)

 ということで、におい刑事、捜査開始。はたして、良い汗なのか、悪い汗なのか。

「汗はかいているが、良い汗に近い。アンモニア臭などの汗由来のニオイはしない」(におい刑事 松林宏冶さん)

 続いては、朝からスーツで活動していたという男性。その汗のニオイは。

「スーツであまり肌が露出していないのでニオイが少し首元から出てくる中で熟成されているニオイ。悪い汗ではないが、決して良い汗でもない」(におい刑事 松林宏冶さん)

 

「良い汗」「悪い汗」の違い

「良い汗」と「悪い汗」の違い

 「良い汗」「悪い汗」とは、一体何が違うんでしょうか?

「良い汗というのはサラサラしていて水みたいになっている。なので皮膚に残りにくくニオイも発生しにくい。悪い汗はネバネバした水分の汗になるので、皮膚に残って、それがニオイの発生源になって」(におい刑事 松林宏冶さん)

 では「悪い汗」をかかないためには、どうすれば良いのでしょうか?

「一番の方法は『汗腺トレーニング』をしていくこと」(におい刑事 松林宏冶さん)

 「汗腺」とは、体温と水分の調節を行う器官のこと。

「例えば、この時期シャワーだけで済まさず半身浴・サウナ・岩盤浴で意識的に汗をかく習慣をつけていく。そうすることで汗腺が鍛えられて良い汗に変わっていく」(におい刑事 松林宏冶さん)

 

東海大学 関根嘉香 教授

汗はどうして臭う?

 ただ、良い汗でも、対策を怠ると臭うことも。汗やニオイに詳しい、東海大学の関根嘉香教授に伺いました。

Q.そもそも汗はどうして臭う
「実は汗自体は元々無臭なんです。汗の99%は水で出来ていて、本来は無臭だが、皮膚表面に出てくると、皮脂や垢と交じりあって、この状態を皮膚の表面にいる常在菌が食べて分解したものが臭ってくる。良い汗でも放置しておくと、徐々に嫌な臭いになってくる」(東海大学・関根嘉香教授)

 特にベトベトした「悪い汗」は、ミネラル分を多く含むため、菌の活動が活発になり、より臭いやすくなってしまうそうなんです。

 

制汗スプレーは事前に

正しい制汗スプレーの使い方

 そんな汗、臭わない対策をしている人も多いと思いますが、そのやり方、本当に合っていますか?

 例えば、この時期よく使う「制汗スプレー」。汗をかいてから使っている人。それ、間違いです。

「制汗スプレーは、事前につけていた方がいい。汗をかいてから使うと汗と共に流れてしまう」(東海大学・関根嘉香 教授)

 制汗剤は、汗腺を塞いで汗を止めるものなので、汗をかく前に使うのが効果的だといいます。

 また、汗をかいたあとは、乾いたタオルで拭くのではなく、出来れば濡れたタオルの方がいいとも話します。

「汗をかくのは体を冷やすためにかく。水分が水蒸気になるときに気化熱をうばって体が冷える。水分が無くなってしまうと体が冷やせずよけいに汗をかく。なので濡れたタオル・ハンカチで拭くといい。体の表面に湿り気が残るので、それで体を冷やしてくれる」(東海大学・関根嘉香 教授)

 

保湿で肌を冷やすのがポイント

汗で困る「メイク崩れ」

 汗で困るのはニオイだけじゃありません。女性が特に気になっているのは「メイク崩れ」です。

 名古屋のメイクアップアーティスト・近藤麻衣子さんに、メイクが崩れない秘技を教えてもらいました。

Q.汗で崩れにくいメイクをするため大切なのは
「“仕込みキー”になってきます」(メイクアップアーティスト 近藤麻衣子さん)

 近藤さん曰く、「朝の仕込み」のポイントは、大きく3つ。まず1つ目はーー

「朝はしっかり保湿することがキーになってくる。肌の温度を下げることが大事。温度が高いと化粧を重ねてもドロドロと崩れてきてしまうので、保湿をしながら肌の温度を下げるのが崩れにくいメイクのポイント」(近藤麻衣子さん)

 肌の温度を下げることで、毛穴を引き締め、その後のメイク崩れを防ぐことが出来るといいます。

 洗顔後に冷やした濡れタオルで5分ほど肌を冷やすのもオススメ。

「手の甲で確認して、いつもの肌よりもヒンヤリしている位を目安にするといい」(近藤麻衣子さん)

 でも朝にそんな時間ない!という方に、裏技。ティッシュを顔に乗せ、冷蔵庫で冷やしたスプレータイプの化粧水を吹きかければ、即席のパックに!1分ほどでも十分、冷却と保湿の効果があるそうです。

 

下地のつけ方

おすすめの「下地のつけ方」

 続いて、2つ目のポイントは「下地のつけ方」――

「下地のつけ方のポイントとして、毛穴を持ち上げる様な感じで塗っていくと、時間がたっても、ファンデーションの毛穴落ちを防げるので、肌をちょっと引き揚げながら塗るのがいい」(近藤麻衣子さん)

 そして、3つ目のポイントはーー

「スキンケアをして、肌の表面に水分・油分が残った状態だと、この後のメイク崩れが早くなってしまうので、この状態で粉(フェイスパウダー)を先にするのがテクニック」(近藤麻衣子さん)

 なんと、ファンデーションの前にフェイスパウダー。水分や油分をパウダーで取ることでメイクが崩れるのを防いでくれるんだそう。

 最後はいつも通りファンデーションを塗ってーー

 汗をかいても崩れにくい、スッキリ美しい夏メイクに仕上がりました。

「しっかり土台さえ作っておけば夏の汗も怖くないですね。この夏を乗り切ってもらえると思います」(近藤麻衣子さん)

(7月6日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)

 

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