「1杯のレモネードが小児がんと闘う子どもたちを救う」 満3歳になる直前に息子を亡くした女性の決意
2023年6月9日 17:22
1杯のレモネードが、がんと闘う子どもたちの支援に――。がんで息子を亡くした女性が立ち上がりました。
「ある時、突然全く歩かなくなって熱が出てっていう感じだったので、小児科のほうに行ったら先生から、ちょっと今すぐ大学病院に行ってほしいって」(豊島嘉子さん)
元気に駆け回っていた慶治くん。家族が「異変」を感じたのは、1歳4ヵ月の時でした。
病院で検査の結果、告げられた病名は「神経芽腫」。神経のがんでした。
「小児がんを発症した時に、もう既に歩けなかったですね。腫瘍が骨髄に浸潤していて神経を圧迫していたので」(豊島さん)
投薬などの治療、そして入退院を繰り返す日々。小さな体は、最後まで懸命に闘いました。
「ちょうど3歳になる時でしたね。6月の12日が命日でしたので。6月22日が誕生日なんですけど、本当にあんまりぐずることもしない子なので、本当によく頑張ったなと思います」(豊島さん)
慶治くんが亡くなって、まもなく3年。名古屋市内に住む母親の豊島嘉子さんは、小児がんに向けられる“イメージ”を変えていきたいと語ります。
「抗がん剤を使っていた時に、老夫婦の方から、小さいのにかわいそうだねって言われたことがありまして。本当に大人では考えられないような治療とか検査とかを日々毎日こなしているので、もっともっと褒めてあげてほしい…」(豊島さん)
レモネードスタンドの様子(提供:レモネードパーク)
1杯のレモネードが支援に
そして、今もがんと闘う子どもたちの力になりたい。
そう願う豊島さんが開催するのが、「レモネード」の購入を通じた支援活動。
元々は、小児がんと闘っていたアメリカの少女が治療の研究費を集めるために始めたとされています。
10日と11日、「全国一斉レモネードスタンド2023」として17の都県で開催されます。
愛知県内では、豊島さんが11日、名古屋の名城公園tonarinoで担当するほか、鶴舞公園や名古屋駅近くの飲食店など5カ所が会場となっています。
「今回は一応、レモネードスタンドと一緒にスーパーボールすくいを一緒に開催することになっていまして、少しお祭り気分を楽しみながら、遊びながら、小児がんの支援をしていただくという流れを考えています」(豊島さん)
レモネードの購入で集まったお金のほとんどは、小児がん治療を研究する団体に贈られます。
豊島嘉子さん
豊島さんが活動を続ける理由
「小児がんが本当に治ってほしいと思っているからだと思います。今でも。足りないのは、周りの理解だったり、薬だったりとか選択肢が少ないことだと思うんですよね。選択肢が増えることを願っています」(豊島さん)
(6月9日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)