「ボランティアは1時間に1回水分補給」暑さとの闘い…懸命の復旧作業続く 愛知の大雨被害地域

2023年6月7日 19:19

先週の記録的な大雨で被災した地域では、7日も復旧作業が行われています。各地で30度を超える暑さとなる中、ボランティアも懸命な支援を続けています。

ボランティアの大学生

被災者には新たな不安も

 各地に被害をもたらした、先週の大雨。気象庁によると、2日に愛知県岡崎市で観測された雨は24時間で268ミリとなり、観測史上最大でした。

 床上浸水32棟、床下浸水が50棟の被害が出た岡崎市では、災害ボランティア支援センターを設置し、4日から受け入れをスタートしました。

 これまで支援に入ったボランティアは、合わせて347人。4日目となる7日は、95人が参加しました。

 まず向かったのは、床上浸水した住宅。床から20センチほど上まで水が入ってきたといい、窓にはくっきりと跡が残っています。

 「全部がちょっとずつ濡れているので、臭い。出さないと…」(被災した女性)

 濡れたタンスなどを運び出し、干していきます。

 「テレビでボランティアが入ったと聞くと血が騒ぐ。じっとしていられない」
 「ありがたいと言ってもらったり、うれしそうな顔を見たりすると、来てよかったと思う(災害ボランティア)

 しかし、7日の岡崎市の最高気温は28.9度。暑さと闘いながらの復旧作業です。

 ボランティア従事者は1時間に1回は必ず水分補給をするなど、熱中症を予防する対策が取られています。

 「けっこう暑いが、人の助けになることをしたかったので来てよかった」(ボランティアの大学生)

 別の住宅でも、ボランティアによる片付け作業が行われていました。

 2日午後、近くを流れる乙川が氾濫し、一時、家の前が70センチ近い水位になったといいます。

 先週の大雨からの復旧は着々と進んでいますが、被災した人々には新たな不安があります。愛知県内では、8日午後から24時間で最大200ミリの雨が降る恐れがあるためです。

 「また水が流れ込んでこないことを願うしかない」(被災者)

 

被災家屋の消毒作業

サーキュレーター回しっぱなしの住民も

 一方、豊川市では、土砂崩れによる全壊が1棟、床上および床下浸水の被害が合わせて221棟出ています。

 汚れた水が原因で発生する感染症を防ぐための消毒作業が行われていました。

 「一生懸命、玄関に入ってくる水を2人でポンプを持ってきて、ずっと止むまでやっていた。水が台所まで入ってきた。風呂も下から水が上がってきて、びっくりした」(住民)

 作業は、市の委託業者らが行っています。

 こちらの家は、床上およそ40センチまで浸水し、1階の家財道具はすべて水につかってしまったといいます。

 「午後7時すぎに水が玄関に入ってきた。午後9時半ごろには階段まで来ていた。2階に避難した」

 住民は床下を乾燥させるために、サーキュレーターを回しっぱなしにしています。業者が室内を念入りに消毒しました。

 市には、市民からの問い合わせが相次いでいるといいます。

 「消毒をして、市民が感染にかからないような対策が最重要。消毒液をもらって自分で感染症予防をしたいという人もいて、消毒薬剤の提供もしている」(豊川市環境課 安藤清さん)

 この消毒作業は、1日30件行う予定です。

 

豊橋市が募る「ふるさと納税」

豊橋市は「ふるさと納税」を活用

 同じく記録的な大雨に見舞われた豊橋市。道路が冠水したほか、農作物にも大きな被害が出ました。

 支援に向け、豊橋市ではー

 「ふるさと納税の制度を活用して、寄付を募るということを始めさせていただいております」(豊橋市財政課 大竹祐輔さん)

 今後の復旧に向けて多額の費用が必要となることから、ふるさと納税の寄付金を活用する豊橋市。

 5日から、ふるさと納税を扱うサイトで受け付けています。

 「現在、29件、31万8000円の温かいご支援をいただいております」(大竹さん)

 災害支援を目的としていることから、返礼品はありませんが、寄付した金額に応じて税金が控除され、豊橋市民も寄付できます。

 「豊橋は、農業が盛んな地域なんですけれども、農家の皆さんが育てられている農作物だとか農地とかにも、大きい被害が出ております。現在、全力で復旧復興に向けて取り組んでおりますので、ぜひ温かい支援をいただければと思います」(大竹さん)

 また、7日から災害ボランティアセンターを開設。浸水家屋の清掃や粗大ごみの運搬などを行うボランティアの募集を始めるとともに、支援を求める被災者からの依頼を受け付けています。

(6月7日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

 

これまでに入っているニュース