18歳の"クイーン・オブ・アスリート"林美希 走って跳んで投げる7種競技への挑戦、そしてハードルへ

2023年6月8日 16:54
走って跳んで投げて……ハードルややり投げなど7種目の総合成績で争う7種競技。多忙を極める高校陸上界のクイーン・オブ・アスリートに迫ります。

中京大中京3年 林美希 選手(18)

 愛犬と過ごす癒しのひととき。優しい眼差しを注ぐ地元アスリートが、陸上・7種競技の高校生チャンピオン、愛知県岡崎市出身・中京大中京3年の林美希選手(18)です。

 2022年、高校2年ながらインターハイ優勝。さらに、20歳以下の日本選手権も制した陸上界注目の逸材です。

 7種競技は、100mハードル、走り高跳び、砲丸投げ、200m、走り幅跳び、やり投げ、800mの総合成績で争います。

「予選落ちがないので、どれだけ悪い結果になってしまっても7種目できるし、最後まで順位が分からないことが魅力だと思います」(中京大中京3年 林美希 選手)
 

100mハードルが得意

クイーン・オブ・アスリートが7種競技に取り組むワケ
 中でも林選手が最も得意とするのが、100mハードル。

 ハードルの単独種目でもインターハイを制覇し、7種競技との二冠を達成しています。

 実は、7種に取り組むのも、ハードルの記録を伸ばすためでした。

 「7種は跳んだり投げたりで走るだけの動作ではないので、いつかハードルに繋がるかなと思って7種競技をやっています」(林美希 選手)

 「いろんな種目をやりながら体の可能性を導き出すのは大事なことだと思いますので、将来的には100mハードルで世界のトップに並ぶような記録を出してほしいです」(中京大中京 陸上部 北村肇 監督)
 

体づくりに励む林選手

「大会が練習に」
 高校での練習、陸上の器具を使うのは基本ハードルのみ。ほかの種目は、体作りをメインに行っています。

 例えば、重いボールを使い、投げる力を養ったり、バイクトレーニングで持久力をつけたりしています。

 「ふだん種目練習をする時間がないので、大会が練習になります」(林美希 選手)
 

スパイクに履き替え

怒涛のインターハイ予選
 5月、愛知県岡崎市で行われた夏のインターハイ出場をかけた愛知大会。2日間で7種競技と単独種目の100mハードルをこなします。

 大雨の中で行われた初日。まずは、7種競技の100mハードルでトップに立ち、幸先のいいスタートを切ります。

 2種目目は走り高跳び。バーがどんどん上がっていき、4本目を跳び終えると、競技中にも関わらずスパイクを履き替える姿が。
 

林美希 選手

 向かった先は、なんと100mハードルのスタート位置。

 走り高跳びの合間に単独種目の100mハードル予選を走ります。競技を終えると再び走り高跳びへ。

 その後も100mハードル準決勝、7種競技の砲丸投げと次々に競技が進んでいきます。
 

林美希 選手

 迎えた単独種目の100mハードル決勝。この種目に専念する選手が多い中、見事優勝を飾ります。

 そしてこの日、ラストレースの200m。

 7種競技も1日目を終えトップ、6時間で7種競技の4種目にハードルの3レースをこなしました。

 「疲れました。なかなか味わえないキツさで、終わってしまえばあっという間でした」(林美希 選手)
 

インターハイ2年連続2冠へ

2日間の戦いを終えて「本当に早く終わって」
 一転、青空のもと行われた2日目。走り幅跳びを3本、やり投げでも3投を投げきります。

 そして、トップのまま迎えた最終800m。序盤は2番手につけ様子見、ラスト1周で先頭に立ちます。

 「本当に早く終わってくれ」とも思う中、100mハードルに続き、7種競技でも愛知県の頂点に。

 インターハイ2年連続2冠へ一歩近づきました。

 「やっと終わった感じで初日が長かったので、2日目は3種目で比較的間も空いたので一つひとつ集中して取り組めたかなって思います」(林美希 選手)
 

中京大中京3年 林美希 選手(18)

将来はハードルで世界へ「走りで誰かを勇気づける選手に」
 将来的には、7種競技ではなくハードルで世界を見据える林選手。

 目標は、日本人でこれまでわずか5人しか叩き出していない12秒台。

 高いハードルを跳び越え、さらなる飛躍を目指します。

 「今の日本のトップレベルは、自分からしたら速いんですけど戦えるようになりたいです。走りで誰かを勇気づける、走りを見て陸上を好きになってもらえる選手になりたいです」(林美希 選手)

(6月8日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』じもスポ!より)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る

これまでのニュースを配信中