名古屋で学生お笑い大会「東海学生演芸大賞」 82組が出場、名古屋大コンビが最後の挑戦

2025年2月17日 19:24
「M-1グランプリ」や「キングオブコント」など、様々な賞レースが盛り上げる「お笑い」の世界。東海地方でも今、新たなお笑い賞レースが開かれています。対象は「大学生」。大会の仕掛け人には、あるアツい思いがありました。
 会場をとりまく、笑いの渦。

 2月15、16日に名古屋市千種区のシアターココで開かれたのは、「東海学生演芸大賞」の予選大会です。

 エントリーしているのは、東海地方の学生たち。多くは大学の「お笑いサークル」に所属しています。
 

名古屋市で開かれた「東海学生演芸大賞」の予選大会

東海地方の学生お笑い「東京に負けてない」
 去年、立ち上げられたばかりのこの大会。

 その仕掛け人は、愛知学院大学の3年生、上野おつりさん。

 上野さんもまた、大学のお笑いサークル「あまりりす」に所属する「学生芸人」です。

「たまに東京の大会にも出て(東京の)学生芸人たちを見るんですが、東海地方の学生芸人を見ても能力的に全然負けていない。表に出られるきっかけがないだけだと思った」(上野さん)
 

「東海地方の学生お笑いは東京に負けていない」と話す上野おつりさん

「東海地方の学生芸人が世に出るきっかけを」
 近年、全国区での賞レースでも注目を集めている、「学生お笑い」出身のコンビ。

 ただ、関西や関東のサークルが中心で、「東海地方」の勢力は「無風」ともいえる状況です。

 特に名古屋では、現在、お笑い芸人が所属する事務所が運営する公式な劇場はないといいます。

「チャンスの少ない東海地方の学生芸人たちに、世に出るきっかけを」

 上野さんたちの思いが形になったこの大会。2年目となる今年は、前回の約2倍の82組が出場しました。
 

名古屋大の学生のコンビ「迷彩チャーハン」(右・石川さん、左・せおさん)

名古屋大生のコンビ、最後の挑戦
 元演劇部の「せお」さんの演技力を、ネタ作り担当の石川さんが最大限に活かすコントを得意とするコンビ「迷彩チャーハン」。

 2人は名古屋大学の落語研究会に所属しています。  

「子どもからみた大人ができるのは今だけかなと思う。子どものフィルターを通して見える大人が描けるのも大学生ならでは」(石川さん)

 学生ならではの視点を大事にしているという2人。去年も参加したこの大会では、3位に輝きました。

 今回は「夫婦」をテーマにしたネタで挑みます。

 サークル内での「ネタ見せ」の日。部活のような雰囲気で仲間からアドバイスをもらい、自分たちに合ったネタを作り出していく――。その空気感が「学生お笑い」の強みだといいます。

「感情を表現できるワードがあればもっと強くなる」(サークルの仲間)

「芯を食っていて痛いところを突かれた。直して勝ちたい」(石川さん)

 すでに就職が決まっているという2人にとっては、この大会が「最後の挑戦」となります。

「勝敗が決まるものはこれで最後なので、最後こそ優勝してみたい」(せおさん)
 

決勝大会は23日に名古屋市の納屋橋劇場で

決勝は23日に名古屋市で
 予選は、6つのブロックに分かれ、ブロックの上位2組が決勝、各ブロック3位が敗者復活戦への切符を手にします。

 予選2日目のBブロックに出場した「迷彩チャーハン」。

 その結果は…予選敗退。

 前回3位の注目コンビでしたが、初出場組の勢いに押されてしまったようです。

「完敗です」(石川さん)
「悔しすぎる…」(せおさん)
「でも楽しかった。後悔はない」(2人)

 今大会は、決勝進出の12組中10組が初出場という結果に。

 仕掛け人の上野さんも、この「新しい風」が、東海地方の「お笑い」を活気づけてくれることに期待を寄せています。

「この大会がラストで卒業する人や、ここで自信をつけてプロでやりたい人など、勝ちたいという思いは一緒。それは学生芸人の大会ならでは。だから面白い大会。新しい人たちが前回大会から増えているので、新しい人たちが東海地方のお笑いを盛り上げていってくれると思う」(上野さん)

 82組の頂点を決める決勝戦は、23日に名古屋市の納屋橋劇場で開かれます。
 

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