1250年の歴史「国府宮はだか祭」がパワーアップ 女性参加2年目で新たな女性団体も続々誕生 愛知

2025年2月7日 18:56
愛知県稲沢市で行われる「国府宮はだか祭」が迫ってきました。去年から、女性も神事に参加できるようになりましたが、2年目の今年も、ある変化が起きていました。

去年の儺追笹奉納の様子

 10日、クライマックスを迎える稲沢市の天下の奇祭「国府宮はだか祭」。

 神男に触ると厄が落とせると伝わる祭りで、1250年以上の歴史があります。
 
 下帯姿の裸男たちが群がる「もみ合い」は圧巻です。そんな祭りに去年、歴史的に大きな変化がありました。

 当日、裸男たちのもみ合いの前に行われる「儺追笹奉納」。地域の人たちの願い事が書かれた布を笹にまとめて、神社へ納めます。

 これまで男性だけが参加してきた神事に、女性の参加が認められました。

 去年、笹奉納に参加した玉腰厚子さん。

「男の人の祭りだからみんな心配してくれていたけど、神社が午前中、華やかになったという声が多かった。活躍できる場が与えられて楽しみになったという方も多い」(縁友会 隊長 玉腰厚子さん)
 

縁友会 隊長 玉腰厚子さん

2年目の女性参加へ高まる盛り上がり
 玉腰さんは、今年も祭りに参加する予定で、この日は勤務するデイサービスで、利用者に笹に括り付ける願い事を書いてもらいました。

「10日に着る装束を着てきました。次に生まれるんだったら男に生まれて、もみ合いに入ってみたいというのは私の夢でもあるのですが、国府宮まで距離があるので私が代表して皆さんの願いを奉納したいと思う」(玉腰さん)

 利用者の中には、過去に「はだか祭」に参加したことのある人も。

「1回だけ30年前にね。(女性参加について)時代の流れかなという気はする。それで日本がちょっとでも活性化されたらいい」

「もう少し若かったら、玉腰さんみたいな隊長にお世話になりたいなと思ってパワーを預けました」

 女性参加も2年目。玉腰さんは去年以上に関心の高まりを感じているといいます。

「去年は約40人だったが、今年は60人と人数も増えて、さらなるパワーアップをして奉納したい。」(玉腰さん)

 今年から参加を決めた人の多くは、これまで祭りは男性のものという価値観でしたが、女性が参加する姿を見て自分も参加したいという考えに変わったといいます。
 

笹奉納 千代田の全体練習の様子

新たな女性団体も誕生
 今年、新たに参加する女性団体も増えています。そのなかの1つ「笹奉納 千代田」。

 去年「縁友会」のメンバーとして笹奉納に参加した、前田弘美さんが自分の住む地元から奉納したいと新たに立ち上げました。

「去年祭りに参加して皆さんの願い事を神様に届けるという幸せを感じたので、自分も地元から出したいなと」(笹奉納 千代田 代表 前田弘美さん)

 この団体は2歳から10歳までの子どもたち18人を含む、総勢39人のグループ。今年初参加の女性が、ほとんどです。

 この日は息を合わせた掛け声を上げ、最後の全体練習を行っていました。

「思い出作りではないが、子どもと参加できるということで、男の人が主という祭りが多い中で女性も参加できる今時の時代に変わって関われる人も増えて、より盛り上がるかな」(今年初参加 20代)

 中には曽祖母から、ひ孫まで4世代で参加するという人も。

「主人が昭和55年(1980年)からずっと祭りが大好きで休むことなく出ていて、去年亡くなったんだけど家族そろって元気でいるところを見せようかなという気持ちでやることにした。息子夫婦と孫夫婦とひ孫が1人。今まで楽しんだ思い出を大事にしたいと思って」(4世代で参加する 78歳)

 祭りまで、あと3日。それぞれの思いを胸に今年も女性たちが国府宮に集います。

「とにかく精いっぱい心を込めて『老いも若きも心を込めて笹奉納 千代田』というスローガンを掲げてみんなの気持ちを神様に届ける」(笹奉納 千代田 代表 前田弘美さん)
 

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