全国の「介助犬」は59匹 少ない理由は“社会的認知度”の低さ 障害がある人と暮らす大切なパートナー
2024年8月7日 06:01
障害がある人と暮らす「介助犬」。社会とのつながりをサポートする大切なパートナーですが、全国に59匹しかいません。介助犬が少ない理由とは?

山内稔さんと介助犬「グラディス」
落とした物を拾ったり、携帯電話を探して持って来てくれたり、手や足に障害がある人の生活を手助けする「介助犬」です。
愛知県豊田市に住む山内稔さん(52)。
介助犬「グラディス」と一緒に生活しています。
7歳の「グラディス」は、1歳から約2年間、介助犬になるための訓練を受けました。
そして、3年前、介助犬として山内さんのもとに来ました。
胸から下が麻痺して動かない山内さん。車いすに乗ったままでもケアができるように、グラディスは、台に乗る訓練を受けています。
「介助犬はオーダーメイドで、訓練されるので、人それぞれだと思います」(介助犬「グラディス」と暮らす 山内稔さん)
さらに――
「かぎ」(山内さん)
熱が出て動けなくなった時などに、玄関のかぎを中から開けてもらう号令です。
「なんとか家族に電話して、来てもらうようにしてもらっても、ベッドから車いすに乗り移れないので『かぎ』は本当に助かります」(山内さん)
愛知県豊田市に住む山内稔さん(52)。
介助犬「グラディス」と一緒に生活しています。
7歳の「グラディス」は、1歳から約2年間、介助犬になるための訓練を受けました。
そして、3年前、介助犬として山内さんのもとに来ました。
胸から下が麻痺して動かない山内さん。車いすに乗ったままでもケアができるように、グラディスは、台に乗る訓練を受けています。
「介助犬はオーダーメイドで、訓練されるので、人それぞれだと思います」(介助犬「グラディス」と暮らす 山内稔さん)
さらに――
「かぎ」(山内さん)
熱が出て動けなくなった時などに、玄関のかぎを中から開けてもらう号令です。
「なんとか家族に電話して、来てもらうようにしてもらっても、ベッドから車いすに乗り移れないので『かぎ』は本当に助かります」(山内さん)

全国で活動している介助犬は59匹(4月時点)
全国の介助犬は59匹
「介助犬」は「盲導犬」や「聴導犬」と同じように「補助犬」として、位置付けられています。
障害がある人の自立と社会参加を促すための大切なパートナーです。
厚生労働省によると、全国で活動している介助犬は、59匹。
一方で、潜在的に介助犬を必要としている人は、1万5000人いると言われています。
障害がある人の自立と社会参加を促すための大切なパートナーです。
厚生労働省によると、全国で活動している介助犬は、59匹。
一方で、潜在的に介助犬を必要としている人は、1万5000人いると言われています。

日本介助犬協会 石田夢果さん
「社会的な認知度が低い」
愛知県長久手市にある「シンシアの丘」。
ここでは、介助犬を目指す犬たちの訓練が行われていて、これまでに40匹が「介助犬」としてデビューしてきました。
「そもそも介助犬を知っている人が少なかったり、知っているつもりでも、しっかり理解をしていない人が多いので、当事者に介助犬の情報が行き届かない。社会的な認知度が低いので、周りの人の理解が得られないなどの問題があります」(日本介助犬協会 石田夢果さん)
「シンシアの丘」では毎年1組~3組の介助犬ペアが誕生しています。
そんな中、今年4月、訓練士などを目指す研修生3人が採用されました。
コロナ禍の影響で採用見合わせが続いていたため、5年ぶりの採用です。
介助犬をトレーニングするための基本動作を学ぶ研修です。
犬に「おすわり」や「ふせ」などの動作を覚えさせる方法を学びます。
研修生もチャレンジしますが――
「ふせ」の姿勢に誘導したいのに「おすわり」の姿勢になってしまうなど、なかなかうまくいきません。
「座るのは手が少し高いから」(訓練士)
研修生は、9月まで実習を重ね「訓練士」としてのデビューを目指します。
「犬のことを1番に考えられるトレーナーになりたいです。個性に合わせることでトレーニングを楽しいものだと思ってもらえるように一緒に楽しみたいです」(日本介助犬協会 研修生 山口まなかさん)
ここでは、介助犬を目指す犬たちの訓練が行われていて、これまでに40匹が「介助犬」としてデビューしてきました。
「そもそも介助犬を知っている人が少なかったり、知っているつもりでも、しっかり理解をしていない人が多いので、当事者に介助犬の情報が行き届かない。社会的な認知度が低いので、周りの人の理解が得られないなどの問題があります」(日本介助犬協会 石田夢果さん)
「シンシアの丘」では毎年1組~3組の介助犬ペアが誕生しています。
そんな中、今年4月、訓練士などを目指す研修生3人が採用されました。
コロナ禍の影響で採用見合わせが続いていたため、5年ぶりの採用です。
介助犬をトレーニングするための基本動作を学ぶ研修です。
犬に「おすわり」や「ふせ」などの動作を覚えさせる方法を学びます。
研修生もチャレンジしますが――
「ふせ」の姿勢に誘導したいのに「おすわり」の姿勢になってしまうなど、なかなかうまくいきません。
「座るのは手が少し高いから」(訓練士)
研修生は、9月まで実習を重ね「訓練士」としてのデビューを目指します。
「犬のことを1番に考えられるトレーナーになりたいです。個性に合わせることでトレーニングを楽しいものだと思ってもらえるように一緒に楽しみたいです」(日本介助犬協会 研修生 山口まなかさん)

どこでも介助犬と一緒
どこでも介助犬のグラディスと一緒
山内さんはこの日、車を運転して美術館に行くことに。
介助犬と暮らすようになってから頻繁に外に出るようになったといいます。
レストランでくつろいだり、美術館を散歩したりと、どこへ行くにもグラディスと一緒です。
「20代の頃、海外を旅行していた経験があり、ヨーロッパはこういう風景のところが多い。そこでたそがれていたので」(山内さん)
バックパッカーとして、陸路でユーラシア大陸を横断した経験もあるという山内さん。
27歳の時に、バイクの事故で胸椎を骨折し、胸より下を自分の意志で動かすことができなくました。
「家で1人でじっとして、リハビリを続けていれば、家族にも誰にも迷惑をかけない状況が当時は過ごしやすかった。完全な今思えば引きこもりですよね」(山内さん)
事故から約9年間、病院に月に1、2回行く以外は、家にいる日々が続きました。
介助犬と暮らすようになってから頻繁に外に出るようになったといいます。
レストランでくつろいだり、美術館を散歩したりと、どこへ行くにもグラディスと一緒です。
「20代の頃、海外を旅行していた経験があり、ヨーロッパはこういう風景のところが多い。そこでたそがれていたので」(山内さん)
バックパッカーとして、陸路でユーラシア大陸を横断した経験もあるという山内さん。
27歳の時に、バイクの事故で胸椎を骨折し、胸より下を自分の意志で動かすことができなくました。
「家で1人でじっとして、リハビリを続けていれば、家族にも誰にも迷惑をかけない状況が当時は過ごしやすかった。完全な今思えば引きこもりですよね」(山内さん)
事故から約9年間、病院に月に1、2回行く以外は、家にいる日々が続きました。

介助犬「グラディス」と暮らす 山内稔さん
「介助犬」がもつ力を多くの人に知ってほしい
2012年に介助犬に出会ってからは徐々に外に出られるようになっていったと言います。
「自分で物理的な段差ではなく、見えないバリアーを作っていた気がする。介助犬は知らないうちに自然に取り除いて、社会参加をする後押しや手助けを見えない力でサポートしてくれていたと思います」(山内さん)
「介助犬」が再び作った社会とのつながり。
山内さんは「介助犬」がもつ力を多くの人に知ってほしいと話します。
「夢を聞かれたら、オーロラを見たいと答える。虹色のオーロラは緯度が高い国でないと見られないと初めて知りました。カナダやノルウェーなどに行かなければ、どうせならきれいなオーロラを見たいです。ザ・オーロラのようなイメージのものをみたい」(山内さん)
「自分で物理的な段差ではなく、見えないバリアーを作っていた気がする。介助犬は知らないうちに自然に取り除いて、社会参加をする後押しや手助けを見えない力でサポートしてくれていたと思います」(山内さん)
「介助犬」が再び作った社会とのつながり。
山内さんは「介助犬」がもつ力を多くの人に知ってほしいと話します。
「夢を聞かれたら、オーロラを見たいと答える。虹色のオーロラは緯度が高い国でないと見られないと初めて知りました。カナダやノルウェーなどに行かなければ、どうせならきれいなオーロラを見たいです。ザ・オーロラのようなイメージのものをみたい」(山内さん)
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