虐待の相談が過去最多を更新 夫婦間の暴力を子どもが目の当たり、暴力への親和性が生まれる危険性も

2023年9月7日 19:31
全国の児童相談所で2022年度に対応した虐待の相談が、約22万件にのぼり過去最多を更新したことが分かりました。虐待防止に取り組むNPO法人に私たちができることを取材しました。
 こども家庭庁によりますと、2022年度、全国232カ所の児童相談所が虐待の相談で対応したのは、速報値で21万9170件でした。
 
 この数は2021年度よりも1万件以上増え、過去最多を更新。

 調査を開始以降、32年連続での増加となりました。
 

児童虐待の相談件数の推移(こども家庭庁発表)

 虐待防止活動を行うNPO法人CAPNA(キャプナ)の理事長を務める岩城正光さんは、毎年増える報告数について…。

「これは今まで虐待で発見されなかったのがようやく発見できるようになったというのが正直なところです。これから先もどんどん増え続けることはあっても減ることはまずないと思います」(CAPNA岩城正光理事長)

 また今回の発表では身体的虐待、ネグレクトなど4つに分かれるうち子どもの目の前で家族に暴力をふるうなどの「心理的虐待」に関する相談が全体の6割ほどを占めています。
 

NPO法人「CAPNA」岩城正光理事長

虐待を減らすためにできることは…
 岩城さんは、夫婦間の暴力などを子どもが目の当たりにすることで暴力への親和性が生まれる危険性を訴えます。

 「暴力の親和性の怖さは何かというと、子どもが大きくなって成人になってから暴力で物事を解決しようとするんです」と言い、そのうえで「『暴力の連鎖』につながるというところがすごく強いので、警察に対しても面前DVは児相に通報してくださいっていう形になっている」

 虐待を1件でも減らすために大切なのは、社会・そして地域の大人が、子どもを見守ること、そして少しでも気になることがあればためらわずに児童相談所などに連絡することだと話します。

 「『189』と電話番号を押せば、最寄りの児童相談所につながります。子どもや親御さんたちに対する支援の第一歩として通報が必要なんです。ですから決して人をとがめるために通報しているというふうに捉えないでください」

(9月7日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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