「公明党に協力しない」愛知16区の候補者擁立を見送る自民党の方針に地元議員は反発

2023年6月1日 17:42
次の衆議院選挙で新たに設けられた「愛知16区」について公明党が候補者を擁立した一方、自民党が候補者を出さない方針を固めました。この決定に地元の議員からは反発の声が出ています。
 1日、自民党愛知県連の丹羽秀樹会長らが「愛知16区」について話すため党本部を訪れました。

 衆議院選挙の小選挙区の区割りの変更で愛知県では16区が新たに設けられます。

 犬山市や小牧市、北名古屋市など7つの市町が入ります。

 2023年3月、愛知16区に立候補を表明したのが公明党の伊藤渉衆院議員です。

「ぜひとも与党の統一候補としてこの地で議席を確保したい」(公明党・衆議院議員 伊藤渉氏)
 
 会見で「与党の統一候補として」と強調した伊藤議員。

 そして5月30日…

「(茂木幹事長から)埼玉14区・愛知16区で公明党の候補者を受け入れて協力することについて、埼玉・愛知県連の了解を得るプロセスを行っているので、早急に調整を行いたいと(伝えられた)。私の方からはよろしくお願いしたいと申し上げた」(公明党 石井啓一幹事長)

 自民党と公明党の幹事長による会談で茂木幹事長が「愛知16区」について自民党が候補者擁立を見送る方針を伝えました。
 

自民党・小牧市 澤田勝巳市議

対立激化回避に「地元への配慮が全くない」
 影響したとみられるのは東京での自民党と公明党の関係悪化です。

 新設の「東京28区」では調整が難航し、公明党は先週、東京28区での候補者の擁立を断念し、東京での選挙協力を解消すると自民党に伝えました。

「東京における自公の信頼関係は地に落ちたと言える。東京における自公間の協力関係は解消する」(公明党 石井啓一幹事長)

 自民党は愛知16区で譲ることで公明党との対立の激化を回避する形となりました。

 一方、自民党の愛知県連はこれまで候補者の擁立に向けて調整を進めてきました。関係者からは「地元への配慮が全くない」との声が上がりました。

 地元の市議も党本部の方針に怒りを隠せません。

 小牧支部幹事長の澤田市議は…

「(公明党に)選挙協力はしない。動かないし票は入れない。手伝うようなことはないと思いますね、勝手にやってください。東京は28区などもめていると思うが、我々としても後援会にどういう説明をしたらいいかという話だ」(自民党・小牧市 澤田勝巳市議)
 

立候補を表明している公明党・衆議院議員 伊藤渉氏

愛知県連「納得できたか…非常に厳しい」
 1日、党本部から愛知県連の丹羽会長らに対して、愛知16区に公認候補を出さないと正式に伝えられました。

 愛知県連の受け止めは…

「公認・推薦の決定権は党本部にあるので、基本的には県連として理解はさせていただきました。しかしながら地元のこともありますので、これから地域と話し合っていく必要があるのではないでしょうかと(伝えた)」(自民党・愛知県連 丹羽秀樹会長)

「地元として党本部の決定を受け入れるか、納得できたかという質問については非常に厳しいと答えざるをえない」(自民党・小牧市選出 山下智也県議)
 

立候補を表明している福田徹氏と松田功氏

旧民主党系の野党は候補者擁立の方針
 愛知16区では旧民主系の野党はそれぞれに候補者を擁立する方針です。

「全ての人がwell-beingに(様々な面で健康に) 生きられる社会を作りたいと考え、政治の道を歩き出す決意をした」(国民民主党・新人 福田徹氏)

 2022年10月、真っ先に名乗りを上げたのが国民民主党の新人、福田徹氏です。

 一方、立憲民主党から出馬表明したのが元衆院議員の松田功氏。

 自民と公明による調整が揺れている現状についてこう見ています。

「どの党の人がどうやって出馬しようが何かを言うことはできない。最終的に訴えたことを判断してもらえるような選挙戦になれば」(立憲民主党・元衆議院議員 松田功氏)

(6月1日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る

これまでのニュースを配信中