“女性ゼロ議会”  立候補の新人女性が全員当選・比率は25%に 愛知県みよし市

2023年4月24日 17:57
23日、投票が行われた、統一地方選の後半戦。愛知県のみよし市議会は、これまで県内で唯一女性議員が「ゼロ」だったんですが今回、立候補した新人5人の女性が全員当選しました。その舞台裏に密着しました。

立候補の新人5人の女性が全員当選 みよし市

 みよし市議選に初当選した林久子さんと、支援したママ友たち。みよし市では、女性議員が1人もいない”女性ゼロ議会”が8年間続いていたんです。

 2月のみよし市議会の閉会日。議場にいる市議会議員は、すべて男性です。

 男性議員だけで構成される議会で、何か不都合はないのか。水野隆市議長に聞いてみると。

「子育て、学校教育、女性独特の疾患、そういったことも盛んに一般質問に出されているので、女性議員がいない分だけ男性議員として議員の責務として市民の皆さんの意見をすいあげている」(みよし市議会 水野隆市 議長)

 水野議長は、大きな問題はないと説明します。
 

みよし市議会事務局 城千穂子 局長

直近2回の選挙で女性は1人も立候補なし
 議員定数20人のみよし市議会。直近2回の選挙では、女性は1人も立候補していません。

 20年前(2003年)の選挙では、女性5人が当選し、全体の2割が女性に。その後、副議長を務めた議員もいました。

 議会事務局長の城さんは、女性議員がいれば、オンライン会議などの環境整備が一段と進むのではと考えています。

「タブレットを利用したり、オンライン会議の環境が過渡期、変革期で(女性議員がいれば)例えば出産とか育児とか介護とか家庭環境を抱える方でもより、政治に参加しやすくなると思う」(みよし市議会事務局 城千穂子 局長)
 

無所属・新人 林ひさこさん

支えたのはPTA活動などを共にしてきたママ友たち
「女性躍進に尽力していくので暖かいご声援をよろしくお願いします」(無所属・新人 林ひさこさん)

 みよし市議選に挑んだ、無所属・新人の林久子さん(56)会社員です。

 昔から政治に関心があり、3人の子どもが成人したタイミングで立候補を決意しました。

「議会に女性の数をできれば半数は行きたいとおもっているんですけど、それくらいあって、両方の意見があった方が良い市議会の運営ができるんじゃないかと思う」(林ひさこさん)

 支援団体はなく、支えるのはPTA活動などを共にしてきたママ友たち。

 フラメンコ仲間でもあります。先輩議員らのアドバイスもなく、何もかもが手探りの選挙戦です。

 仲間からは、街頭演説の内容に注文も入ります。

「子育てしていた時に感じた不便や欲しかったサポートをみなさまの若いパパママに代わり、声をあげてまいります」(支援するママ友)

 選挙カーで市内をくまなくまわる作戦。1人でも多く名前を覚えてもらいます。

 林さんの公約は、18歳までの医療費の無償化などです。今の年齢が強みになることもあるといいます。

「自分たちも老後に向かう中、政策を発案しやすい年齢だと思う」(林ひさこさん)
 

無所属・新人 寺本ひろこ氏

子育てまっただ中、中学3年と小学5年生の子どもをもつ母親
 定数20人に対し、女性5人を含む26人が立候補した選挙戦。

 無所属・新人の寺本弘子さん(47)は、まさに子育てまっただ中。中学3年と小学5年生の子どもをもつ母親で、薬剤師です。

「薬剤師の寺本ひろこができること、医療介護、福祉は寺本ひろこにお任せください」(無所属・新人 寺本ひろこ氏)

 日本薬剤師連盟などの推薦をうけ、寺本さんの政策に共感を覚えた人たちで支援の輪が広がりました。

「学校で起きている不登校の問題や発達に障害がある子の問題。学校の先生も家庭のお母さんも悩んでいるうまく行政につながっていない、橋渡し的な役割ができれば」(寺本ひろこ氏)
 

無所属・新人の林久子さん

新人5人の女性全員が当選を決め、女性の比率は25%に
 投開票日の23日。無所属・新人の林久子さんとママ友の姿は、開票所にありました。
 刻一刻と進む開票の様子を見つめます。途中経過では、風向きが林さんの方向に…。

 そして当選が決まると。万歳三唱ではなく、輪になって喜びを分かちあいます。

「私が想像していない人たちが私に投票してくれた。いろんな願いや思いを込めて。その人たちに恥じないよう4年間頑張りたい」(新人の林久子さん)

 みよし市議選では、林さんや寺本さんを含む新人5人の女性全員が当選を決め、女性の比率は、25%になりました。

(4月24日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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