転落による救急搬送された乳幼児は年間250人 ヒヤリ回避は子ども目線で 名古屋

2023年3月28日 19:45
 名古屋市で2歳の双子の男の子がマンションの7階から誤って転落したとみられ、亡くなりました。保育園でも、身体能力の成長が著しい、2歳児の危険な行動の対策を取っていました。

元気いっぱいに遊ぶ2歳の園児

 3月24日に名古屋市中区で、2歳の双子の男の子が亡くなりました。マンション7階の窓から転落したとみられます。

 捜査関係者によりますと、2人は窓際に置かれていた棚に足をかけ、床から80センチほどの高さの窓枠によじ登ったとみられています。

 当時、別の部屋にいたという母親は、「窓を閉め、鍵もかけていた」と説明していますが、「2人が鍵や窓を開けることはできた」とも話しています。

 警察は、2人が自力で窓を開け、窓枠を伝い、誤って落ちた可能性もあるとみて調べています。
 

2歳の園児を近くで見守る職員

「大人が思っているよりもびっくりするようなことができる」
 元気いっぱいに遊び回る2歳の園児たち。その思わぬ行動には常に注意が必要だといいます。

 「2歳になると身体能力の発達が著しい期間なので、大人が思っているよりも走ったり、ジャンプができたり、びっくりするようなことができる。成長を喜ぶ時期だがヒヤリとする場面も多くなります」(ひおき保育園 松本都 保育教諭)

 「じゅんばんこ、じゅんばんこ、順番です、順番だよ!」(保育教諭)
 「じゅんばんだよ!」(2歳児)

 子どもたちは階段や足場があれば、1メートル以上の高さがある遊具でも登っていきます。

 好奇心旺盛な子どもたち。高い場所で遊ぶときは、常に近くで職員が見守っています。

 「滑り台になっている、高さがあり子どもたちに人気だが、高いところから転落の可能性があります」(松本 保育教諭)

 滑り台の上から下にいる友達が気になって、のぞき込んだ拍子に頭から落ちる危険性があるといいます。

 「友達同士の関わりが増える分、『〇〇ちゃん』と声をかけたり、次の遊びに目がむいて今自分が高い場所にいる認識がない場合もあるので、危ないと感じる場面はありますね。目が離せません。」(松本 保育教諭)
 

安全対策のゲート

部屋に潜む危険も…
 部屋の中、高い所がない場所でも危険が潜んでいるといいます。

 こちらは2歳ぐらいの子どもが、1人で外に出ないようにするためのゲート。

 高さは67センチ。安全対策として設置されていますが、ヒヤリとする場面があるといいます。

 「開けることはないが、前のめりになって『お母さん おかえり~』と迎えるので、頭の重い2歳までの子はちょっと危ないというかヒヤリとする。保育者が『こういうことをやめよう』とわかりやすく伝えています」(松本 保育教諭)
 

名古屋市の転落による乳幼児の救急搬送人数の図

事故防止は子どもの目線が大切
 名古屋市消防局のまとめでは、転落により救急搬送された乳幼児の人数は年間平均250人ほどとなっています。

 椅子や階段など家の中だけではなく、公園など屋外での事故も少なくありません。

 今まさに2歳の子どもがいる保護者も日常の生活で危ないと感じる瞬間があるといいます。

 「おもちゃ箱をひっくり返して、その上に乗っちゃうとか、日々成長を感じるが、ヒヤッとする事はたくさんあります。高いところに上ってしまったり、兄がいるので、自分も兄と一緒の事ができると思って、すぐまねをしてしまうところにすごくヒヤッとすることがあります」
 「柵やベランダがあるので、それにぶら下がったり、ソファの上に乗ったり、ニュースでもあった棚の上に乗っかってしまったり、そういった状況が生まれるので、安全対策は夫婦でもう一度考え直したほうがいいかなと思います」(4歳と2歳の保護者)

 「いろいろなことに興味を持っているので、なかなか大変かと思います。勝手に外に出ていかないように、家の鍵を二重にしていて、高いところにあったりとか、危険なもの、はさみとかは手の届くところに置かないようにするとかは家の中でもやっています」(8歳と4歳と2歳の保護者)

 保育士は、思わぬ行動による危険を回避するためには、園児の目線に立って考えることが重要だと話します。

 「こどもの目線に立ってどんな事に興味があるのか、興味がどのように危険につながるかを日々考えるのが大切かなと思います。上ったり、下りたり、できる事が子どもたちもうれしい時期なので、ヒヤリという場面も遊びや生活の中で出てくるので、日々生活している場所、保育室などは担任同士、話して危険を回避できるように環境を整えています」(松本 保育教諭)

 (3月28日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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