WBC勝利のポイントは「大谷翔平の15球」と「アメリカ打線vs日本の投手陣」 今中慎二さん解説

2023年3月22日 18:39
 WBC決勝で侍ジャパンがアメリカに勝利し、14年ぶりに王座を奪還。元中日ドラゴンズで伝説のサウスポー・今中慎二さんに、手に汗握る大接戦で勝敗を分けたポイントを解説してもらいました。

今中慎二さん

 世界一を奪還した侍ジャパン、今中慎二さんに勝敗を分けたポイントを2つあげてもらいました。

 1つめは、9回表の「大谷翔平選手が締めた魂の15球」です。

 1人目のバッターに対したときのコンディションを今中さんは「緊張しているなと、準備不足で状態はあまり良くなかった、コントロールが不安ではあった」と話します。

 続くバッターで、ゲッツーに。

 「甘めの球だったけど打者の方が迷った感じがする、それがビハインドで負けている焦り。同点だったら中途半端なスイングはしない」と今中さん。

 大谷選手(28)のチームメイトでもあるトラウト選手との対戦では、「お互いよく知っているだけに大谷選手の方が力んでいる。最後は冷静にスライダーでいった。空振り2つ取っているので、トラウトが気にしたので、スライダーで空振りですね」と今中さんは分析し、「最高のスライダー」と称賛しました。

 「二刀流」でベンチの往復や出塁があったことについて今中さんは、「今までにやったことがないことをこの試合ではやったので、体力的にはかなり消耗しているんですけど、ラスト1イニング、勝てば世界一ですから、その気持ちだけでマウンドにあがっているような感じ。目つきがいつもと違った」と話します。
 

高橋宏斗投手(沖縄キャンプで撮影)

「強力なアメリカ打線を日本の投手陣がねじ伏せた」
 そして今中さんのもう1つのポイントが、「強力なアメリカ打線を日本の投手陣がねじ伏せた」ことです。

 7人の投手による継投となった決勝、特にポイントだったという投手として今中さんがあげたのが、高橋宏斗投手(20)です。

 「5回表、3対1になったときの高橋投手の登板でアメリカの中軸を三振に。アメリカの中軸は3巡目だったので、かなり本気モードで来たイニングで高橋投手が力でねじ伏せた」と今中さんは話します。

 栗山監督は高橋投手に元々期待をしていたということで、今中さんも「まさかここで出てくるとは」というほどだったといいます。

 高橋投手のピッチングについて、「いつもより緊張しているなとは思ったけど、投げるごとにボールがよくなっていった」と今中さんは話しました。

 このイニングで世界にインパクトを残した高橋投手。

 「3年後、高橋投手が中心に回る可能性もある」と今中さんも期待を寄せます。
 

今中慎二さん

「日本とアメリカで相当レベルが近づいている」
 8回に登板したダルビッシュ有投手(36)について今中さんは、「状態が上がらない中での登板なので、多少不安はあったけど、経験値がものを言っている。ホームランを打たれた後でも冷静に、ストライクを投げていたので。普通はホームラン打たれた後はストライクが入らなくなる」と言います。

 「他の国のピッチャーは打たれた後、フォアボールを出したりするけど、日本の選手ではそれがない。日本の投手陣は強い」と分析する今中さん。

 「パワーもついてきたし、コントロールは1番いい。縦の変化が1番いいので、アメリカの打線は横の変化はいいけど、縦の変化には弱い」と話します。

 ホームランを打った村上宗隆選手(23)について、「準決勝のメキシコ戦は緊張していてバッドが中々出てこなかったけど、最後は開き直ってサヨナラを打った。その勢いのまま、アメリカ戦の打席も一振りで決めた」と今中さんは語りました。

 また、岡本和真選手(26)には「状態もいいし、ジャイアンツの4番ですね」と称賛しました。
 
 今中さんは「日本とアメリカで相当レベルが近づいている」と言い、3年後も今のメンバーにまた新たなメンバーが出てくるということで期待が高まります。

 ※高橋宏斗投手の「高」は"はしご高"が正式表記

(3月22日 15:48~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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