宇野昌磨と山本草太「同じ試合に出られることが嬉しい」GPファイナルの頂上決戦『特別な戦友』とリンクへ

2022年12月8日 16:12
 イタリア・トリノで始まるフィギュアスケートのグランプリファイナル。地元選手をはじめとするニッポン勢のメダルラッシュが期待されています。かつて国際大会でワンツーフィニッシュを飾った宇野昌磨選手と山本草太選手について鈴木明子さんに聞きました。

宇野昌磨選手と山本草太選手

 五輪、世界選手権に並ぶフィギュアスケート3大大会の一つ、グランプリファイナル。

 浅田真央さんや羽生結弦さんなど、これまで名だたる名スケーターたちが歴史を築いてきました。

 新型コロナの影響により、3年ぶりに開かれる世界一決定戦の見どころを、かつてのメダリスト・鈴木明子さんに聞きました。

 「『誰が勝っても新チャンピオン』、本当に選ばれし者のファイナルなので選手たちも心待ちにしているファイナルになると思います」(鈴木明子さん)
 

GPファイナル進出 日本選手

金メダル大本命・宇野昌磨「先輩たちが繋いだものを僕が繋がなければいけない」
 男子のファイナル進出者は6人中4人がニッポン勢。

 初出場の若手が集う中、金メダル大本命なのが、3月の世界選手権を制した名古屋市出身の宇野昌磨選手(24)です。

 「フィギュアスケートをここまで人気スポーツにしてくれた先輩たちにずっとついていかせてもらっていた立場なので、先輩たちが繋いだものを僕も繋がなければいけないと思っています」(宇野昌磨 選手)
 

宇野昌磨選手

歴代ファイナル優勝者不在の今シーズン「情熱、気持ちは誰よりも強い」
 羽生結弦さんが競技から退き、ネイサン・チェン選手が休養。

 歴代ファイナル優勝者が不在となった今シーズン。

 4回転を5本も組み込む超高難度のフリーを引っ提げ、グランプリシリーズ2連勝でファイナル進出を決めました。

 オリンピック2大会連続のメダリスト、そして世界王者。

 それでもなお、彼の心を突き動かすのは「成長したい」という気持ちです。

 「自分をより磨いていくってことに楽しさを見出していますし、情熱、気持ちは誰よりも強いと思っているので」(宇野昌磨 選手)
 

宇野昌磨選手

鈴木明子さん「成長し続けることに喜びを持っているところが強い」
 「成長って求めたら限界がないんですよね。結果よりも成長し続けることに喜びを持っているところがアスリートとしてすごく強いんですよ」(鈴木明子さん)

 背中で引っ張る世界王者、グランプリファイナル初制覇をかけた戦いが始まります。

 「努力してきたものは何かしらの形で伝わると思うので、後輩たちにも見せられたらと思います」(宇野昌磨 選手)
 

JrGPファイナルからの帰国(2014年撮影)

宇野昌磨にとって『特別な後輩』山本草太「また同じ試合に出られることがすごく嬉しい」
 そんな宇野選手には、2歳年下の特別な後輩がいます。

 「草太くんの練習を見ているので一緒にファイナルに行けることがうれしいです」(宇野昌磨 選手)

 ファイナル初出場、中京大学の山本草太選手(22)。

 「昌磨君とジュニアグランプリだったりJrGPファイナルだったり一緒に出場していたけど、また同じ試合に出られることがすごく嬉しく思っています」(中京大学 山本草太 選手)
 

山本草太選手(2013年撮影)

「宇野昌磨君は僕の目標」世界一を争ったジュニア時代
 中学1年の時、スケートのために名古屋に移り住んだ山本選手。

 近くにはいつも道しるべとなる存在がいました。

 「宇野昌磨君は僕の目標なので、近づけるように精いっぱい努力して練習していきたい」(山本草太 選手 当時13歳)

 いまから8年前、ジュニアのグランプリファイナルではワンツーフィニッシュと宇野選手と世界一を争っていました。
 

リハビリをする山本選手(2016年撮影)

順風満帆のスケート人生から一転…ケガでリハビリ生活、そして1回転ジャンプからの再スタート
 ところが2016年、高1の時、右足首を骨折。

 トリプルアクセルの練習中に転倒、「右足がボキって音がなった」と山本選手は話し、3度の手術を余儀なくされました。

 来る日も、来る日もリハビリ生活。

 頑張れない時期もあったと言います。
 

復帰戦(2017年)

 それでも続けられたのは、スケートが好きだから。

 2017年、ケガから1年半後の復帰戦、1回転ジャンプからの再スタート。

 それから年月をかけ、徐々に復活を遂げていきます。
 

山本草太選手(2022年撮影)

骨折から6年 グランプリシリーズで初のメダル、そしてファイナルへ
 そして、骨折から6年。

 11月のグランプリシリーズ・フランス大会では、4回転3回転のコンビネーションジャンプなどショートプログラムで、すべてのジャンプを着氷しガッツポーズ、トップに立ちます。

 フリーでも、安定感の増したジャンプに、持ち味である伸びやかなスケーティングを披露していきます。

 ついに、グランプリシリーズで初めてのメダルを獲得、続く日本大会でも2位となり、ファイナル進出を決めました。
 

鈴木明子さん

鈴木明子さん「心折れることなく今まで歩んできた道のりがファイナルに」
 中学から所属していたスケートクラブの先輩で、振り付けも担当する鈴木明子さんも今までの苦労を近くで見てきた一人です。

 「正直、男子の高いレベルの中で大きなけがをしてから、相当復活は難しいことだなって思っていたんですけど、心折れることなく、今まで歩んできた道のりが今回のファイナルに繋がってきたんだなとすごく嬉しかったし、ファイナルも期待したいと思っています」(鈴木明子選手)
 

山本草太選手(2022年撮影)

山本草太「ケガの経験があったからこそ今の自分がある」
 ファイナル進出を決めた11月の日本大会。

 表彰台の一段上に立ったのは、宇野選手でした。

 再び国際大会でワンツーフィニッシュを飾った戦友と、次は世界一をかけた頂上決戦に臨みます。

 「滑ることもままならない状態を経験しているので、今どんどんジャンプを跳べていることが本当に楽しいので、ケガの経験があったからこそ今の自分があると思っています」(中京大学 山本草太 選手)

(12月8日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』「じもスポ!」コーナーより)
 

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