【W杯】元日本代表・森山泰行さんが歴史的勝利を“ゴリッ”と解説 前半は「ハマっていなかった」

2022年11月24日 19:31
元日本代表で名古屋グランパスで活躍した森山泰行さんに、日本の歴史的勝利をじっくり解説してもらいます。勝利をもぎとった1番のポイントは?

試合開始直後のフォーメーション

<上坂嵩アナ>
 どうして昨日歴史的勝利を手にすることができたか、森山さんにゴリっと解説していただきましょう。まずは、前半。4-5-1のフォーメーションで始まりましたが、かなりボールを持てなかったですね。

<森山泰行さん>
 立ち上がりは少し良い時間がありましたが、その時はドイツが、なにか日本を分析しているような時間帯でしたね。そうして、分析しながら、相手は3バックにして中盤の数を増やしてきたんですよ。そうするとワイドの選手が高い位置をとる。
 例えば、伊東選手のマークが高く上がってくるので、ついていかないといけない。

<上坂アナ>
相手の攻撃の選手がどんどん来てしまうわけですね。

<森山さん>
 久保選手のマークも上がっていかないといけないので、かなり後ろが重くなってしまうんですよ。そうなると中盤の数が減ってくるじゃないですか。その結果、守備的になってしまって、どんどん下がっていってしまったという状態なんですね。
 

後ろが重くなってしまった状態

「後ろの数が1枚余ってるが、ハマっていなかった」
<上坂アナ>
 よく中継で「ラインが下がっている」というのは、そういうことなんですね。

<森山さん>
 こういう状況で、ドイツの選手が高い位置に5人ほど来ていたので、5人を6人でマークするような状況になってしまったんですね。

 ドイツのミュラーっていう選手は賢いので、吉田選手と田中選手の間くらいにポジションをとるんですけど、どちらのマークかわからないような中間ポジションからサイドに出ていくんです。吉田選手はスペースを空けるわけにはいかないから、田中選手がついていって、遠藤選手も真ん中一人になって行く…となる。

 サイドがポッカリとスペースが開くんですね。ここにシュートを打たれる状況になっちゃうので、伊東選手があわてて行くようになります。みんな、こちらにズレていってしまうんですね。この左サイドがポッカリ開いてしまって、競る部分が生まれてしまったと。

<上坂アナ>
 日本は右サイドからPKのピンチが生まれてしまいましたね。

<森山さん>
 ここらへんからズレていきながら、最終的にはポッカリ開いたスペースを使われてしまったというのがあるんですね。なので、後ろの数が1枚余ってるんですけど、ハマっていなかった。
 

後半のフォーメーション

「日本は後半から、後ろのオーガナイズをうまく整えた」
<上坂アナ>
 相手が5人攻撃で、守備が6人なら、守備が多いので守れそうだけれども逆に、誰をマークしようかということになってしまうんですね。

<森山さん>
 そうなってしまうんですね。陣地をとられてしまうので、空間ができてしまう。ですので、日本は後半から、後ろを3人にして、後ろのオーガナイズをうまく整えたんですね。

<上坂アナ>
 時間差がありますけども、5人の選手交代をしましたよね。立て直していったと。

<森山さん>
 これで、ドイツのマークを抑えることができるんですね。そうすると前に人数をかけられるので、前でボールをキープすることができる。

 例えば、遠藤選手とかの中盤の選手がボールを持つ時間が増えれば伊東選手などがあがっていける時間ができるんですね。三苫選手は割と高い位置で、同点の場面ですけど、仕事をするのが得意なんですが、守備の時は深い位置に今回いたんですよ。

 ですので、みんなでボールをキープしながら、三苫選手が上がっていく時間をつくった、いい状況を整えて、それでオンができたんですね。スイッチが入るオンが。南野選手が動いて、そこでパスがいって、堂安選手がこぼれ球につめていった。
 

激賞する森山さん

「数あったピンチをよく防いだ」
<森山さん>
 ちょっとドイツがコンディションが良くないのか、運動量が落ちましたよね。そういったのも要因になると思います。

<上坂アナ>
 前田選手もすごいプレッシャーかけていましたね。

<森山さん>
 あれも消耗したと思いますし、あと数あったピンチをよく防ぎましたよね。(キーパーの権田選手は)2点取られていると、こういう結果にならなかったのかもしれません。1点で留めたので、メンタル的にも持ち直すことができた。

(11月24日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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