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エヴァ初号機ソード自作のフェンシング選手 日本一の辻すみれ、誰にも負けない地元愛

2022年11月10日 17:05
 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が、料理が、そして地元・岐阜が大好きなフェンシングの辻すみれ選手(22)。2021年に東京五輪を経験し、2022年11月には全日本選手権を制した最強フェンサーが次に目指すもの、想いを語ってくれました。

フェンシング 辻すみれ選手(岐阜市出身/大垣共立銀行)

 11月5日に東京で行われた日本一決定戦、2021年に優勝した上野優佳選手を破り、3年ぶりの頂点に返り咲いた岐阜市出身の辻すみれ選手。

 「上野選手の連覇を阻止して、自分が優勝を奪還したかったので嬉しいです。パリ五輪に向けて、また頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」(大垣共立銀行 辻すみれ 選手)
 

3つの種目があるフェンシング

最強フェンサー:辻すみれ選手
 3つの種目があるフェンシング、辻選手は胴体のみを攻撃する「フルーレ」が専門です。

 持ち味は、幼少期に習ったクラシックバレエ仕込みの柔軟さを活かしたディフェンス。
 
 そして、相手の意表を突く変則的な攻撃です。
 

アニメが大好きな辻選手

大のエヴァファン!好きすぎてソードは自分専用の「エヴァ初号機」風に
 さらに剣にも注目、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の大ファンでもある辻選手は、自分専用にエヴァ初号機ソードを作ってしまったんです。

 「テープの部分も自分で紫と緑にして貼っているんですけど、テンションが上がりますね。自分の好きなものが手元にあるだけで頑張ろうかなという気持ちになります」(辻すみれ 選手)

 岐阜の実家の部屋には、エヴァ愛に溢れたフィギュア棚もあるんです。
 
 さらに押し入れには、「着ないけど、あったら気分が上がる」とキャラの衣装まで。
 

東京五輪では団体メンバーに

東京五輪団体メンバーに、6位も「次もこのチームで狙える」
 2021年の夏、東京五輪団体メンバーに選ばれた辻選手。

 全力で挑み結果は6位、メダルには届きませんでしたが貴重な経験を積みました。

 「日本は全体的に年齢がかなり若いチームなので、次もこのチームで狙えるぐらいの年齢だとは思うので、次こそはメダル獲得を目指したいです」(辻すみれ 選手)
 

活動拠点を岐阜から東京へ

活動拠点を岐阜から東京へ、自炊もお手の物
 この春、大学を卒業した辻選手は、活動拠点を岐阜から東京に移し、初の一人暮らしを始めました。

 エヴァンゲリオンのグッズは、残念ながら実家に置いてきたというものの、部屋の片隅には「リトルすみれ」と名付けられた犬のぬいぐるみがありました。

 「メンタルトレーナーに、小さい自分を設定して置いておくと良いと言われて、ぬいぐるみは試合とかに持って行って、試合中に心の中がどうすればいいのかなとなった時に『小っちゃい自分』に話しかけるつもりで、ぬいぐるみと脳内で会話したりするんですけど、周りから見るとヤバい人かなと思います」(辻すみれ 選手)
 

この日のメニューは「豚ハツのねぎ塩だれ&具だくさんの赤だし」

 アスリートにとって大事なのが食事、食材をまとめ買いして自炊をしています。

 この日、焼いていたのは低カロリーで低価格な豚ハツ、体にも財布にも優しいお肉です。

 「圧倒的赤みそ派なので東京のスーパーには大量に売っていないので、探して買っています。実家に帰った時はけっこう私が作って、ご飯を出したりしています。インスタのストーリーに上げた時に『美味しそう』というコメントがたまに貰えると嬉しいです」(辻すみれ 選手)

 丁寧に盛り付けをして、出来上がったのは「豚ハツのねぎ塩だれと具だくさんの赤だし」です。

 「食べるのが早いので『気を付けて』と言われるんですけど、すぐ食べちゃう…」(辻すみれ 選手)
 

地元・岐阜へ戻り子どもたちと練習

「岐阜が恋しい…」わずかな休みも地元へ、未来の日本代表候補も
 今でも岐阜が恋しいという辻選手。

 それでも、東京を拠点にしたのはさらなる成長のためです。

 「代表コーチとのコミュニケーションを普段からとっておいたほうが、海外遠征では代表コーチと一緒に行くことになるので、そこは岐阜に居てやれれば一番いいけど、ちょっと難しいので東京に拠点を移しました」(辻すみれ 選手)

 辻選手がフェンシングを始めたのは、小学3年生の時。

 習い始めたころは、クラブに固定の練習場はなく廃業となったボウリング場などで練習。

 叔母である村瀬さゆりコーチのもとフェンシングに明け暮れました。

 「ボウリング場・公民館・体育館のステージ・駐車場などでずっとやってきて、その環境ですみれはいつも感謝を忘れずに岐阜で頑張ってきた。それが良い方向に向かっていると思います」(はしまモア 村瀬さゆりコーチ)

 やがて、地元企業の協力もあって練習環境が充実。

 世界で活躍するフェンサーへと成長していきました。

 10月、わずかな休みでも岐阜に戻り、原点回帰。

 子どもたちとの練習が癒しとなっています。

 その後輩たちの中には、高校王者の長瀬凛乃選手(16)や中学王者に輝いた、いとこの村瀬あかり選手(15)ら、未来の日本代表候補が背中を追いかけています。

 「辻選手は、いつも練習相手をしてくれて、アドバイスをくれるので、すごく良い刺激になっています」(岐阜総合学園 長瀬凛乃 選手)
 「身近に大きな目標となる人がいるので、いつか良い勝負になって勝てるように頑張りたいです」(岐阜・長森中 村瀬あかり 選手)

 「そろそろナショナルチームにしっかり入ってくる選手たちが岐阜の後輩の中からも出てくるんじゃないかなと思っているので、一緒に遠征に行けるかもしれないというのが楽しみです。なるべく現役のうちは後輩たちに負けないように頑張りたいです」(辻すみれ 選手)
 

辻すみれ 選手

股関節の手術を決意「次の五輪を考えると、すぐにやらないと間に合わない」
 東京五輪に出場し、一つ夢を叶えた辻選手。

 実はその一方で、中学の頃から股関節の痛みと戦っていました。

 東京五輪後の2021年9月、すぐに手術を決断。

 「最後の方には踏み込むのも戻るのも痛かったので、ちょっとそろそろマズイなという感じでした。次の五輪を考えると、やるならすぐにやらないと間に合わないというのがあって、早めに手術をしました。1年ちょっと経ったけど『痛みで歩くことがツライ』とかも無いし、すごい快適に動けています」(辻すみれ 選手)
 
 目指すは2年後のパリ五輪、東京で果たせなかったフルーレ個人戦出場です。

 「世界ランクベスト16に入ったことが無いので、そこをまず目指して、安定して成績を残せるようにしたいと思います。もうすぐ五輪選考レースが始まるので、前回行けなかった個人での五輪出場を目指して、しっかりレベルを上げていきたいなと思います」(辻すみれ 選手)

 ※辻選手の辻の字は、正しくは1点しんにょう

(11月10日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』「じもスポ!」コーナーより)
 

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