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「世界と戦えない」フィギュアスケート山本草太 フリップ習得へ、五輪で痛感した4回転の数と安定性強化

2022年11月1日 06:45
グランプリシリーズ第3戦 フランス大会に出場する山本草太選手(22)。「もっと上を目指したい」と新たな4回転習得にも励みながらシーズンを迎えています。憧れの羽生結弦さんや五輪への想いなど、メ~テレの独占インタビューで語ってくれました。

山本草太選手

 ウォーミングアップ中も、試合前の勝負曲も「あいみょん」という、中京大学の山本草太選手。

 念願のコンサートにも初めて訪れ、1人で物販に並び、Tシャツやタオルといったグッズを購入したそうです。

「気分が上がるし、リラックスもできるし…まだまだ語れますよ?」とあいみょんトークが止まらない山本選手ですが、カラオケに行くと友人には音痴と笑われてしまうんだとか。

 北京五輪代表を目指して大学を休学し、スケートに打ち込んできたものの、夢舞台には届かず。

 復学して、次の五輪に向けてスタートを切った今、新しいプログラムの見所など含めて、語ってもらいました。
 

山本草太選手

休学してスケートに打ち込んだ2年間、復学で「スイッチのオン・オフを切り替えれるようになった」
Q.大学を復学した率直な感想は
「大学1~2年と中京大学の環境で練習させていただいて、授業も受けていたんですけど、そこから環境を変えたりして休学を2年していたので、3年生から復学している最中です。やっぱり大学はしんどいな~って、練習とは違ったしんどさがあるなっていうのはまた改めて実感していますし、その中でもスケート以外で学べることもたくさんありますし、スケートと勉強と両立とまではできていないかもしれないですけど、リフレッシュにはなっているのかなって思っています」

Q.何がしんどいですか
「やっぱり授業となると1限か2限くらいの時間には起きて、大学に来て、当たり前ですけど、朝が苦手なので起きるのが大変かなって思いますね。あとは授業はしっかり出席したりしているんですけど、なかなか理解できない内容とかもたくさんあるので、そういった意味では難しいなって感じています」

Q.学業との両立でスケートにどんな影響がありますか
「スケートだけの毎日を送っているとどうしても考え方とかが偏ったり、スケートの練習にもちろんたくさん時間を費やすことはできるのかも知れないんですけど、その中で自分を追い込みすぎてしまったりっていうのが、休学している中ですごく感じた部分ではあったので、大学で授業受けて、そのあとに練習っていうスイッチのオン・オフをしっかりと自分で切り替えられるようになったのは、成長かなって実感しています」
 

山本草太選手

Q.どんな授業を受けていますか
「スポーツ科学部なので、スポーツ生理学とかバイオメカニクスとかもありますし、あとは心理学とか、普通のもちろん勉強っていう中国語とかもそうですけど、あとはスケートとかにも生かせそうな内容とか授業っていうのがたくさん受けられるので、そういった意味では、もう分からないなりに何か少しスケートにも役立ちそうな内容もあったりしますね」

Q.活かせてるなって思う授業はなんですか
「コーチング科学っていう授業があって、スポーツの応急処置とか体のコントロールとかメンタルのコントロールとか、あとはコーチングについてもたくさん学べたので、今の自分の現役生活にも役立ってそうなことはたくさんありましたし、引退してからそのあとにもスポーツに携わる上で、ためになるような内容はたくさんあったなと」

 ちなみに、人見知りだという山本選手は、冗談交じりに「ぼっちなんです」と笑って話してくれました。

 休学期間中に同学年の友人が卒業してしまったので、授業が空いている時間は「自分の居場所」というスケートリンクなどで過ごしているそうです。
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

競技の場から離れた憧れの人・羽生結弦さん 「僕たち後輩がここから盛り上げていく立場」
 山本選手にとっても憧れの人、羽生結弦さん。

 羽生さんが競技の場からは離れたことについて、率直な想いを聞きました。 

Q.羽生さんが競技の場から離れたことをどう感じましたか
「五輪も2連覇して、そこからまた北京五輪まで続けていて、どこまで成長していくんだろうって、どこまで上行っちゃうんだろうって、いちファンとして見ていたというか、同じ競技で戦ってきて、北京五輪が終わってから次のシーズンどうするんだろうって思っていたので、競技を退くって言葉を聞いた時は、残念な気持ちっていうよりは、またアイスショーでたくさん道を切り開いていってくれるんだろうなっていう、立場が全然違いすぎて言葉選びが難しいんですけど、すごく楽しみだなって思いましたし、僕もスケート競技を引退したらいずれスケートに携わりたいと思っているので、アイスショーに出るのもひとつの夢だなと思っています」

Q.自分自身に影響はありましたか
「日本スケート界・世界含めて、やっぱり男子フィギュアスケートをすごく引っ張てくれた存在だと思うので、羽生さんが競技からいなくなったときに、これからこのスケート界をどうしていくかっていうのは僕たち後輩がここから盛り上げていく立場だと思うので、僕一人でっていうよりは日本男子全体で一緒に高め合いながらスケート界をまたさらに盛り上げていけたらなっていう気持ちではいます」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

Q.4回転アクセルに挑戦する姿はどう映っていましたか
「僕たちからしてみればとんでもない技だと思いますし、想像もできないくらいの技なので、羽生さんが五輪っていう場で挑戦したからこそ、4回転アクセルに挑戦したいって思う選手が増えたと思いますし、あの五輪でも本当に一番成功に近かった4回転アクセルだと思いますし、あと何回かアクセル挑戦する機会があればおりてるんじゃないかってくらい素晴らしいアクセルだったと思うので、僕たち選手もどんどんそういった成長する姿を見て、頑張っていけたらなって思っています」

Q.4回転アクセル挑戦への思いは
「いずれ競技を引退するまでには、やってみてもいいのかなとは思いますけど、まだまだ自分では手の届かない雲の上の本当にとんでもないジャンプなので、羽生さんの背中を見て、少しでも挑戦してみたいとか思えるきっかけにはなると思うので、またいつかタイミングがあれば、挑戦いつかしてみたいなと思います」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

昨シーズンの悔しさを糧に…足りなかった4回転ジャンプの数と安定性の強化へ
 昨シーズンまでは2種類(トウループ・サルコウ)の4回転ジャンプをプログラムに組み込んでいた山本選手ですが、今シーズンでは新たにフリップの習得を視野に入れています。

Q.4回転フリップを選んだのはなぜですか
「ルッツとフリップで跳び方というかフォームは似ているけど、しっかり試合で実践的に使えるのはフリップかなと思い、4回転フリップを先に練習していて、おりることができたので、また今シーズンどこかの試合で挑戦できればなって思っています」

Q.いずれは4回転ルッツも挑戦していきますか
「ルッツももう練習では取り組んでいるので、割とルッツも軸はまっすぐ跳べる感覚はフリップよりあって、あとは回転をしっかりクリーンでおりる、そこに持っていくだけだと思ってるので、フリップとかルッツを練習していく中で、どうしても右足が痛んできてしまう部分はあるので、最初は感覚を掴むまでは、どうしても仕方ない道のりだと思ってるので、そこも頑張って乗り越えてけたらなと」

Q.取り組み始めた理由について
「去年の全日本ですごく悔しい思いをして、SPでは4位につけることができて、そこからFSでやっぱりミスを重ねてしまって、トップとの差を感じましたし、何が足りないんだろうって思ったときに、やっぱり4回転の数と安定性、自分にはすごく欠けているなって思ったので、だからオフシーズンから4回転サルコウとトウループの安定性だけではなくて、フリップとかルッツとか他の種類もしっかり装備していけたらなって練習していました」

Q.フリップやルッツも成功の確率は上がっていますか
「ルッツは、最近取り組み始めたのでまだ成功までいけていないんですけど、フリップはもうだいぶ自分で跳ぶ感覚を掴むことができてきたので、それを本番でしっかり出し切れればいいなって思います」

 「骨折までいかないぐらいのギリギリのラインで今シーズンなんとか取り組んでいけたら」と話す山本選手は、9月の中部フィギュアで転倒したものの、FSで4回転フリップに公式戦で初挑戦しました。
 

SP『Yesterday』(9月 中部フィギュア)

新FSは鈴木明子さん振り付け!イメージは「彫刻のような美しさ」
 SPは昨シーズンから継続で『Yesterday』、そして新しいFSは『ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番』です。

 FSの振り付けをお願いしたのは、鈴木明子さん。

 かつて、シニアデビュー目前に骨折してしまった山本選手の、まさに怪我明けの振り付けをしたのも鈴木さんでした。

 鈴木さんは「当時は怪我明けだったというところもあって、まだまだ様子を見ながらだったところから、今、すごく成長を感じていて、もっといろんな要求をできることがすごく嬉しいなと思いながらやっています」と話してくれました。

 そんな鈴木さんが振り付けたFSのイメージは『彫刻のような美しさ』。

 「美しい曲で最後まで一曲通してすごく美しさがあるので、その中に強い美しさだったり、柔らかい美しさだったり、っていうのを入れれたらいいなと思って振り付けました」と鈴木さんは言います。
 

FSは『彫刻のように』

 改めて鈴木明子さんに作ってもらったプログラムについて、山本選手に聞きました。

Q.鈴木明子さんに振り付けをお願いした理由について
「明子さんに以前頼んだのは、競技用のプログラムだと5.6年前になるんですけど、その時はSPのプログラムを作って頂いたんですけど、すごく自分のスケートが活きる素晴らしいプログラムにしてくださったなっていう感覚はありましたし、そこからエキシビションとかもお願いしたりして、今シーズンのプログラムどうしようかなって考えたときに、ここ数年、お願いしてた振付師さんではなくて、お願いしたことない先生とか最近お願いしていなかった先生に頼みたいなと思ったので、いろんな条件を踏まえた上で明子さんがいいなって思ってお願いしました」

Q.鈴木さんは元スケートクラブの先輩ということで、やりやすさはありますか
「あまりいい意味で緊張しないというか、本当に集中して入り込みやすいというかあまり気を遣わず、自分の思っていることも話せますし、明子さんもあまり『こうして、ああして』ではなくて、二人でいろんなパターンをやって一番いいものを一緒に作り上げていくっていう感覚があるので、そういった意味ではすごく空気感は合うなっと感じているので、自然体で取り組めるかなって思います」

Q.明子さんが「彫刻」を想像して作っていると聞きましたが、意識していますか
「振り付けをしている最中にギリシャ彫刻のポーズを調べて、ちょっとニュアンスが難しいけど、はっきりしたポーズではなくて、ちょっと動いてる最中みたいなポーズが多くて、ちょっと変わったポーズってものがたくさん僕のFSでは見られるかなと思うので、ひとつ注目していただけたらなと思っています」
 

新FS『ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番』

Q.FSの選曲理由について
「五輪シーズンが終わったので、今シーズンは新しい山本草太を見せていけたらいいんじゃないって意味も込めて、タンゴとかフラメンコとかそういったラテン調の曲を提案していただいて、いろいろ聞いていく中で、もっと自分らしさを出していきたいなってすごく思ったので、また新しい一面ってよりは本当に自分らしい、自分に合ったプログラムを持っていきたいなって思って自分でたくさん聞いたりして探して、見つけたのがこの曲です」

Q.FSにどんな想いを込めて演じていますか
「曲調も盛り上がるパートはあるんですけど、割と少ないというか結構一定のリズムとか一定の曲調で最後まで流れるような曲調なので、そういった曲も自分らしいスケートとスケートが溶け込むようなプログラムになればいいなって思っているので、最後まで途切れないような、流れるようなイメージで最後まで演じ切れたらなって思っています」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

北京五輪「普通に見れちゃった、それじゃダメ」 今シーズンは「どんどんレベルアップ」
Q.昨シーズンは叶わなかった五輪出場、それを活かした今シーズンの目標は
「もちろん去年も五輪を目標にしていたし、出たいって気持ちもあったんですけど、なかなか自分の今のレベルでは、少し届かないなって気持ちもあって、今シーズンから悔しい思いも経験して、さらに強くなりたいって思いで練習に取り組めているので、すごく自分の成長を感じているので、もっと上を目指していいんじゃないかなって強く思っているので、またここから4年間、本当にたくさんいろんな試合や経験をしていくと思うんですけど、僕はもう五輪シーズンの後のまだ1年目っていうよりかは、ここからもうどんどんどんどんレベルアップしていけたらなっていう思いではいます」

Q.北京五輪を見た時の気持ちはどうでしたか
「普通に見れちゃったというか、自分がまだまだレベルが到達していない遠い世界なんだなっていうのを終わってまた改めて思ったので、『それじゃだめだな』って。出られなくて悔しいとか、悔しすぎてちょっと見るのも辛いくらいの気持ちの方がレベル的には、近くにいけていると思ったので、まだまだそのレベルは高いところなんだなって思ったのもきっかけで、北京五輪が終わってからはそのレベルを埋めていくために、オフからこの4年目の1年目でまだまだ先だと思うんですけど、ここからもっともっとやっぱり成長していきたいなって強く思いましたね」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

Q.4回転が2本2種類だと世界で戦えないという部分でのフリップの調整はどう感じていますか
「本来はFS4回転2本で、そこから今シーズンは3本でやっと安定してくるようになってきて、本来だったら3本の構成でしっかり安定した演技を今シーズンやっていければ点数もついてくるし、順位もついてくると思ってはいたんですけど、ここに留まっていてはいけないなってまた改めて思ったので、現状に満足せず、もっと上を目指していくためにはやっぱり他の種類の4回転が必要だなって、シーズン始まる前に思ったので、それでフリップをオフからずっと続けてきた、やっとおりれたので、シーズン入ってからも、安定の構成に戻すのではなく、フリップっていうものにも挑戦しながら、プログラムを完成に近づけていけたらなって思いはあります」

「やっぱり4回転サルコウとトウループだけだと世界と戦っていけない、昨シーズン強く感じたので、フリップを入れた3本でも少ない、まだまだルッツとかも視野に入れているので、ループもそうですし、どんどんどんどん挑戦してレベルアップしていけたらなって思っています」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

グランプリシリーズは表彰台を目指して、その先にあるファイナルも
Q.グランプリシリーズへの意気込みを教えてください
「今年は最初からやっと自分で2戦掴み取れたので、その2戦も、去年は『2戦出られた、やったー嬉しい!』で終わってしまったんですけど、今年は、グランプリも表彰台とか目指していきたいなって思えるようにやっと口に出せるようになってきたかなと思うので、しっかりそこを目指して練習していくだけかなって思っています」

Q.グランプリファイナルも視野に入れていますか
「もちろん上をずっと見ていかないといけないので、しっかりと見据えて戦っていけたらなと思っています」
 

山本草太選手(9月 中部フィギュア)

 山本草太選手:大阪府出身、中京大学、2014年ジュニアGPファイナル 銀メダル、2015年世界ジュニア 銅メダル、2021年GP日本大会(NHK杯) 7位、今シーズンのGPシリーズは第3戦 フランス大会と第5戦 日本大会(NHK杯)に出場

(11月1日 6:00~放送 メ~テレ『ドデスカ!』/11月5日放送 『グランプリシリーズ第3戦フランス大会 男女フリー』より)
 

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