コメ兵が導入した“AI真贋判定”の実力は? 円安で増える中古ブランド品需要、ニセモノにご用心!

2022年9月12日 17:57
 急激な円安の影響で、高級ブランド品の価格が上昇しています。それに伴って、中古品の買い取りが増えるなか、AIで偽物の真贋判定ができるシステムも登場しました。一方、偽ブランド品にも注意が必要で、SNSを利用した新たな手口も出てきています。
 中古品の買い取り・販売を手掛ける「コメ兵」。円安の影響で、中古の高級ブランド品に注目が集まっています。

「中古品の需要が高まりますとと、販売する相場もそれにつられて上がる。販売の値段が上がると買い取りのお値段も反映して上がっていくので相場もあがって、お客さんも買い取りにいっぱい来てきただけるという影響が出ています」(KOMEHYO名古屋本店 石川諒チーフ)

 円安の影響で、高級ブランド品の新品の価格が上がっているため、中古品を購入する人が増えているといいます。

需要が高まり、結果、買い取り価格が上がっているのです。
 

AIで真贋判定が可能

“基準外”の品物も…
「8月の買い取りの持ち込みのお客様の数が、昨年対比で150%まで伸びています」(KOMEHYO名古屋本店 石川チーフ)

 とくに中古市場で人気なのが「エルメス」。「エルメス」の商品は購入時の定価よりも高く買い取るケースがあるそうです。

 持ち込みが、増える一方、こんな問題も…。

「お持ち込みいただだいたものの、拝見させていただいて、弊社の基準からちょっと外れてしまっているのでお返するというこもあります。」(KOMEHYO名古屋本店 石川チーフ)

 査定の結果、“偽物”の可能性がある商品だったというケースも、あると言います。

「昔から基準外の品物の持ち込みが定期的にありまして、そういったものを世の中に流通させないためには、どうしたらよいかということがありましてAIの真贋を開発する流れになりました」(KOMEHYO名古屋本店 石川チーフ)

 精巧な偽物に対応すべく、「コメ兵」が導入しているのが、AI=人工知能を使った、ブランド品の真贋(しんがん)判定です。

 どちらも、見た目は同じようにみまえすが、片方は偽物です。Aを専用の機械で読み込むと…。

「今回はこちらの結果に…。当社が設けているお買い取りの基準を満たしていないのでお取り扱いをお断りさせていただく」(コメ兵買取担当者)

 Aは、買い取りができない“偽物”。
 本物のBを読み込むと…。

「(AI判定の)基準にのっとっていることで、当社だとお取り扱う(買い取る)させていただける商品になります」(コメ兵買取担当者)

 このAI真贋はルイヴィトンなど、持ち込みの多い高級ブランド5種類に対応しています。

Q精度は何%くらいですか?
「(AIの真贋は) 99%です。弊社がAI真贋で基準から外れる品をはじくことによって、新しく中古を買う方に安心して買っていただける状況になるといいなと思っています」(KOMEHYO名古屋本店 石川チーフ)
 

輸入差し止めになった品物

増える偽ブランド品摘発
 一方、水際対策の現場では…

「こちらには、輸入を差し止められた模倣品が並んでいる。偽物のブランドバッグや化粧品にまで多岐に渡っています。」(皆谷こころ記者)

 ずらりと並んだ、バッグや財布、時計。これらは、すべて輸入を差し止められた、偽のブランド品です。

 名古屋税関によると、偽ブランド品など、「知的財産権を侵害している」として差し止めた数は今年の上半期で、6万点を超えました。(輸入差止点数61560点)全国的にも、ここ数年、高い水準が続いています。

「海外の事業者が日本国内の『個人』に対し、模倣品を郵便等で、『直接販売』し、送付する事例が非常に増えています。模倣品につきましては本物を製造販売している企業、その企業本来が得られる利益、そういったものを損なうと経済に悪影響を及ぼしかねなません。また模倣品の販売により得られた不当な利益につきましては、犯罪組織の資金源にもなっている。こういったことも言われております」(名古屋税関 熊崎政志・知的財産調査官)
 

SNSでの直接やり取りに注意

巧妙になる販売手口
 こうした状況を受けて、取り締まりが強化されます。偽ブランド品などはこれまで個人が使用する目的であれば、輸入が許されていましたが関税法の改正で、来月からは、税関で没収されることになります。

「インターネットの事案がどんどん増えていっているのは間違いないですね」(ユニオン・デ・ファブリカン 堤隆幸事務局長)

 有名ブランドの偽造品などの排除活動を行う団体で事務局長を務める堤隆幸さん。インターネット上での「販売手口」が巧妙さを増しているといいます。

「SNSで「パロディ商品」と検索すると、コートやカバン、そしてアクセサリーなどたくさんの写真が出てきます」(樋口尚美記者)

 最近では、ネットオークションや、フリマアプリが偽ブランド品を売買する場となっていましたが、こうしたサイトの運営側が対策を強化。そこで、新たな手口として増えてきたのがSNSです。

 まず、SNSに商品の映像を掲載します。興味を持った人に対してはダイレクトメッセージやLINEで、個別にやり取りを行い、購入の合意が得られれば、決済の場を「フリマアプリ」へと移します。

「(決済まで)同じところでやって、ラインのIDをつぶされると、お金も全部動かなくなっちゃいますから、今度はフリマアプリとかそういうところで「〇〇様専用」として、何かの花の写真とか建物の写真で「〇万円」と書いて、そこで精算をしてもらうように」(堤隆幸事務局長)

(9月12日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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