愛知県は新型コロナウイルスの感染者の急増を受け、5日から「BA.5対策強化宣言」を出しました。高齢者が集まる場所では、戸惑いや不安の声があがっています。

「8月5日から21日まで、お盆休みを挟んだ17日間で、なんとかこれを収めていきたい」（愛知県 大村秀章知事　4日の会見）

　愛知県は5日から「BA.5対策強化宣言」を発出しました。

　「BA.5対策強化宣言」では、マスクの着用など基本的な感染対策に加え、重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人、その同居家族に対して、感染リスクが高い場所への外出自粛などを要請します。

　また、夏休みの帰省などで高齢者や基礎疾患のある人と会う際は、事前に検査で陰性を確認することなども呼びかけます。

　飲食店に対しては、営業時間の短縮などは求めません。

　一方、岐阜県も会議で、5日から「BA.5対策強化宣言」を出すことを決定しました。岐阜県では全県民に対し、感染リスクの高い場所への外出を避けるなど感染対策の強化を呼びかけています。

　また、三重県も5日、同様に「宣言」を出す予定で、宣言の期間はいずれも8月21日までです。

　「宣言」を街の人はどう感じているのか。神社や七福神が点在し、高齢者にも人気の名古屋市西区「弁天通商店街」で聞いてみました。

「宣言は出た方がいいよね、自粛するから。今からワクチンを打ちに行くので、4回目。子どもや孫がなったからね、先月。心配ですよね」（80代男性）
「知っている人がコロナになっているので、人が多いところには行かないようにはしたいと思って」（女性）

　今回の「宣言」では、高齢者に対し「混雑した場所」や「感染リスクの高い場所」への外出自粛を呼び掛けていますが、判断に迷う人も。

「今日もどうしようかなと迷ったんだけどね」（70代男性）

　絵画教室に行くという男性。月に2回の楽しみなのだそうです。

「色鉛筆で描いて、きょう水彩で仕上げようと思っています。癒しの時間でしょう。ずっと引きこもりっぱなしでは、精神的にも参ってしまうし。行っても絵描いて喋らずやっているから、大丈夫じゃないかと思っているんだけどね」（70代男性）

　男性が通う絵画教室では、今後、教室を継続するかどうか話し合いが行われるといいます。

「私、ボウリングやっているんですけど、今から行くんですよ。そんな密着してないし、離れているしね。マスクかけてやっているし」（70代女性）
「卓球やっているんだけど、皆さんすごいマスクして頑張っているんだけど、そこが大勢だとちょっと…」（女性）

　大切な「生きがい」を続けて良いのかどうか。戸惑いながら「宣言」を受け止めています。

　名古屋市中区で活動する「はつらつクラブ」。健康づくりのための体操やレクリエーションなどを行っています。参加者は65歳以上の高齢者です。今回の宣言に対しては。

「当たり前のことだし、今までも気をつけてきてやってきた」（参加者60代）
「あまり（対象が）高齢者っていうのも考えものじゃないですか。元気な人もいるし、体が悪い人もいるし」（参加者80代）
「スーパーへ散歩がてら自分の体を鍛えるため歩いているんです。1人暮らしだから食べ物の調達もしないといけないので、他には外に出ないようにしています」（参加者80代）

　「BA.5対策強化宣言」では、高齢者に対し感染リスクの高い場所への外出自粛を呼びかけています。しかし、明確な基準は示されていません。運営側は、開催可能かどうか迷ったといいます。

「また休みになるのかなと思ったり、でも感染者が多いのでしょうがないと思ったり、気持ちは複雑ではありますけど、今のところ休止の連絡を受けてはいないので継続したいと思います」（名古屋市中区社会福祉協議会 はつらつクラブ運営 植松まゆみさん）

　人数制限や開催頻度を減らすなど感染対策をした上で、クラブの活動は続けていくことになりました。活動を楽しみにしてる皆さん、ひとまず安心です。

「クラブはすごく生きがいになっています」（参加者80代）
「2週間に1度、こういうところで顔を合わせて隣同士で話ができるから、こういうことは大切だと思う」（参加者80代）

　ここ2年間、クラブの活動は休止と再開を繰り返してきました。2022年4月からようやく安定的な開催ができるようになった矢先の事態のため、今後はできるだけ休止はしたくないと話します。

「正直…そうですね…感染者が出たとなると気持ちは揺れるが、やはり高齢者が集う場所は大切だと思っています」（植松まゆみさん）

(8月5日 15：40～放送 メ～テレ『アップ！』より)