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「暑熱順化」で熱中症対策 消防署でも採用の順化訓練を記者が体験 一般向けのトレーニング法は?

2022年5月23日 16:42
これから暑さが本格的に厳しくなる中、気を付けたいのが「熱中症」です。その予防策の一つに、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」というものがあります。暑さに慣れた体を手に入れるためのポイントを取材しました。
消防署員「1~2位を争うくらい辛い」過酷訓練を記者が体験
 まだ暑さに慣れていないこの時期にこそ必要なのが、熱中症への備えです。代表的なのが、体が暑さに慣れることを表す「暑熱順化」です。

 日本気象協会が推奨する「熱中症ゼロへプロジェクト」では、この暑熱順化が必要なタイミングの目安として「暑熱順化前線」というものを作っています。これによると、暑熱順化を始めるタイミングは、名古屋では5月中旬となっています。

「体操始めます!背伸ばし!1、2、3、4」(消防隊員)

 名古屋市内の消防署では、この暑熱順化のためのトレーニングが5月から始まりました。

 このトレーニングを記者が体験。実際に出動する時に着用する防火服やブーツ、ヘルメットなど、約7kgの装備は着るのにもひと苦労。

「これを着てるだけでもしんどい暑さですね」(記者)
 

階段の往復は2分間×2セット

「よーい、スタート!」(消防隊員)

 トレーニングは、まず7kgの装備を付けて、ランニングを5分間行います。

「しんどい、しんどい」(記者)

 さらに、階段の往復を2分間繰り返した後、ウォーキングを5分間行います。

「大丈夫そうですか」(消防隊員)
「全然大丈夫じゃないです。めちゃくちゃしんどいです」(記者)
「無理しないでください」(消防隊員)

 これを2セット行います。

「2周目始まりました。もう全然足が動かないですね。隊員たちは軽やかに走ってますね」(記者)
「頑張って、頑張って、ファイト!」(消防隊員)
 

防火服を着たまま待機する消防隊員

 トレーニングを行う隊員は…

「毎年いろんな訓練をやる中で、1位2位を争うくらい辛いですね。体が暑さに慣れていない中でやる訓練なので、慣れるまでは結構きついですね」(消防隊員)

 最後のウォーキングに入り、ゴールは目前ですが…。

「ギブアップします。これ脱いでいいですか。汗が止まらなくて、汗が絞れそうです」(記者)

 一方、隊員たちは2セットを終えても、防火服を着たまま10分間待機。高い体温をキープし、暑さに体を慣らしていきます。

「きついなと思いますが、要救助者はもっと辛い思いをしているので、表には出さないようにしています。いざという時のために、自分を追い込んでいます」(入隊2年目の隊員)

 かなりハードな訓練ですが、本格的な暑さが始まる前の大切な準備だといいます。

「暑さに早めに慣れることが大事だと思います。一般の人もウォーキングなどをやると、体が慣れてよいと思います。ただ、無理はせずに水分補給をしながらするとよいと思います」(名古屋市中川消防署 谷口大平主査)
 

中京大学スポーツ科学部 松本孝朗教授

暑熱順化には「1日30分、週3回以上の有酸素運動」年代別に負荷に注意を
 消防署員の暑熱順化プログラム開発も行う中京大学スポーツ科学部の松本孝朗教授に、暑熱順化のポイントについて聞きました。

 熱中症を防ぐためには、上手に熱を身体の外に出す暑熱順化が大切だと話します。

「たくさん汗を出すっていうことは、たくさん熱を捨てられるってことで、暑い中でも自分の体温を比較的低く維持できるっていうことにつながります。熱中症のリスクも下がるわけです」(中京大学スポーツ科学部 松本孝朗教授)

 7月の後半から8月にかけてが、1年で1番暑い時期。

「前もって、ある時間を時期をかけて暑熱順化するようなトレーニング、準備をしていただけると、本格的な暑さが来た時に大きなことにならずに済むっていうのが、一般の方へのおすすめですね」(松本孝朗教授)

 松本教授によりますと、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど1日30分、週3回以上の有酸素運動が必要だといいます。

Q.具体的にどんなことを?
「元気な若者であれば、1日に30分から1時間くらい、汗をぐっしょりかくようなことを1週間程度あれば、ほぼ暑熱順化します。ただ、高齢者の方は暑い中での運動をリスクがあって出来ませんので、運動の強度も落とす、温度環境もゆるやかなものに変えるとなると、2週間とか1カ月くらいは必要かと思います」(松本孝朗教授)

 暑さが本格化する前に運動を取り入れて、たくさん汗をかけるような身体づくりが大切だといいます。
 

暑熱順化できている時とできていない時の状態比較

子どもの汗の量は大人の半分 熱中症予防には体温管理が重要
 体を暑さに慣れさせる、いわゆる「暑熱順化」できていると、熱中症になりにくいと言われていますが、体の機能はどのようになっているのでしょうか。

 暑熱順化できている体では、汗をかいて熱を外に逃がすことで体温を上手くコントロールすることができます。

 しかし、暑熱順化できていない体では、汗をかくことで体温を上手くコントロールすることができず、体に熱がこもってしまいます。そうすると、熱中症のリスクが高まります。

 また、子どものうちは、小学4、5年生の第二次性徴で汗を出す汗腺が発達するため、個人差がありますが、汗をかいていても大人の半分くらいの量しか出ていないといいます。

 そこで、熱中症から子どもを守るためには、暑い時には涼しい服装を着せる、日陰を上手く利用する、あるいはこまめな水分補給で体温をコントロールさせることが重要になってきます。

(5月23日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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