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白川郷の温泉旅館火災、犠牲の創業者には娘家族5人亡くした過去 住民「とても大事な人だった」

2022年5月14日 10:00
2022年2月、岐阜県の白川郷にある温泉旅館で火事が起き、創業者の男性が命を落としました。それから約3カ月。地元の発展に尽力してきた創業者の遺志を継ぎ、家族が旅館再建に向け奔走しています。
「この辺りから左側が食堂で、宿泊したお客様がお食事をされていたスペースでした」(「白川郷の湯」副支配人 渡辺慎弥さん)

 岐阜県白川村にある温泉旅館「白川郷の湯」。副支配人の渡辺慎弥さんに案内してもらった旅館の2階は、骨組みがむき出しになっていました。

 2022年2月の朝、白川郷の合掌造り集落にある「白川郷の湯」で火災が発生。施設の2階部分が焼け、慎弥さんの祖父で創業者の静雄さんが命を落としました。

「自分で思いついたこと、考えたことは自分で実行する人でしたので、有言実行という言葉がふさわしい祖父だったと思います」(渡辺慎弥さん)

 「白川郷の湯」は、建設会社を経営していた静雄さんが井戸の掘削中に温泉を掘り当て、2002年に開業。合掌造り集落で唯一、温泉に入れる旅館として、コロナ禍前は年間4万人が訪れていました。
 

慎弥さんの祖父で「白川郷の湯」創業者 渡辺静雄さん(享年86歳)

地元の安全にも尽力 きっかけは「娘家族全員を亡くした交通事故」
 静雄さんは他にも、地元の「安全」に対し力を注いでいました。そのきっかけは…。

「僕も家族も祖父も、悔しい思いでいっぱいでした」(渡辺慎弥さん)

 2004年、岐阜県郡上市の東海北陸道で、対面通行の道路をはみ出した過積載のトラックが、乗用車と正面衝突。乗用車に乗っていたのは、静雄さんの娘の家族5人で、全員が帰らぬ人となりました。

「祖父は、当時かなりショックを受けていて、本当に悔しい思いをされてました。当時の出来事を忘れないように、二度とこういうことが起こらないようにということで、祖父が思いを込めて建てた碑になります」(渡辺慎弥さん)

 静雄さんは、これ以上悲惨な事故を起こしてはならないと、片側1車線で中央分離帯のなかった高速道路を4車線化するよう、何度も上京し、国会議員に陳情していたといいます。

 その後、現場付近に新たな道路が作られ、事故から5年後に4車線化が実現しました。

「私が考える以上に努力していたんだなと感じました。実際、4車線化が進んでいるにあたって。それは祖父に感謝したいと思います」(渡辺慎弥さん)
 

開通時(1977年)の「白山白川郷ホワイトロード」(旧 白山スーパー林道)

石川県と結ぶ「白山白川郷ホワイトロード」の建設にも尽力
 また静雄さんは、建設会社の社長としても、村の重要なインフラ整備に携わりました。

「村の観光のために力を入れてみえた人でしたね。そういう意味では、とても大事な人だったと思います」(村の人)

 静雄さんは、白川村と石川県を結ぶ全長33kmの山岳有料道路「白山白川郷ホワイトロード」の建設に関わるなどし、村の発展に尽力しました。

「ホワイトロードは、観光で石川県から来てもらうよう頑張ってくださったり、その後に温泉を出してくださったり。日帰りではなく、滞在して白川を見てもらえる。そういう観光を作ってくれた。悲しい。とても惜しい人だったので…」(村の人)
 

「白川郷の湯」副支配人 渡辺慎弥さん

祖父の遺志を継ぎ、集落唯一の温泉旅館再建へ 
 孫の慎弥さんは、村のために奔走した祖父の遺志を継ぎ、集落唯一の温泉旅館の再建に向け動き出しました。

 4月から始めたのが、インターネット上で支援を募るクラウドファンディングです。宿泊券などを返礼品にして、2022年秋ごろの営業再開を目指しています。

「祖父が築き上げて、尽力してつくり上げて残したものなので、それは私たちが引き継いでいかないといけないという思いがあります。白川郷のお宿さんから『また頑張ってほしい』という声をいただいたので、再建して白川郷の皆さんに恩返しできるように頑張っていきたいと思います」(渡辺慎弥さん)

(5月13日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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