オミクロン株で「子どもの熱性けいれん」が増加、デルタ株の約3倍 医師「脳に影響があるのでは」
2022年4月13日 07:30
新型コロナウイルス「オミクロン株」の新系統「XE」が猛威を振るい始める中、イギリスの大学研究チームの研究で「感染時の症状が軽症でも、脳が委縮する可能性がある」ことが明らかになりました。日本の専門家も、警鐘を鳴らしています。
「これは、オミクロン株の流行以前の話ですけども、コロナに感染すると、前頭葉の下部と側頭葉の一部が委縮をします。これはイギリスからの論文で分かっています。恐らく、こうした脳の萎縮によって、認知症などの色々な後遺症が出るのではないかと言われています」(国立病院機構三重病院 谷口清州医師)
イギリス・オックスフォード大学の研究チームが、世界的学術誌「ネイチャー」に寄せた論文によると、新型コロナの感染前と後で脳の画像に違いがあるか調査したところ、軽症であっても脳全体の大きさが縮小し、嗅覚と記憶に関連する部分に変化があったといいます。
Q.それは軽症でも?
「おっしゃる通りです。我々はそういうことを知っていますので、できるだけ感染しないようにと、どうしてもキツい事を言います。『脳が委縮する』と言われたら、それは感染したくないですよね」(谷口清州医師)
「軽症で済んでしまうというイメージが強かったので、改めて『怖いな』と…」(アナウンサー)
「だから、専門家がこんなに言うのは、そういうことを知った上で言っている。ただワクチンをきちんと打っていれば、そのリスクは下がりますから、ウィズコロナにするためには、皆にワクチンを打ってもらうことが最低条件なんですね」(谷口清州医師)
ただ、この調査は従来株やアルファ株に感染した人が対象で、現在流行しているオミクロン株でも同じような変化があるかどうかは分かっていません。
「まだ分からないんですが、もしも、オミクロン株も脳が委縮するような性質を、まだ持っているとしたら嫌ですよね。世の中ではワクチンの副反応ばかり取り上げられますが、感染したらどうなるかというのも、きちんと考えていただかないといけない」(谷口清州医師)
イギリス・オックスフォード大学の研究チームが、世界的学術誌「ネイチャー」に寄せた論文によると、新型コロナの感染前と後で脳の画像に違いがあるか調査したところ、軽症であっても脳全体の大きさが縮小し、嗅覚と記憶に関連する部分に変化があったといいます。
Q.それは軽症でも?
「おっしゃる通りです。我々はそういうことを知っていますので、できるだけ感染しないようにと、どうしてもキツい事を言います。『脳が委縮する』と言われたら、それは感染したくないですよね」(谷口清州医師)
「軽症で済んでしまうというイメージが強かったので、改めて『怖いな』と…」(アナウンサー)
「だから、専門家がこんなに言うのは、そういうことを知った上で言っている。ただワクチンをきちんと打っていれば、そのリスクは下がりますから、ウィズコロナにするためには、皆にワクチンを打ってもらうことが最低条件なんですね」(谷口清州医師)
ただ、この調査は従来株やアルファ株に感染した人が対象で、現在流行しているオミクロン株でも同じような変化があるかどうかは分かっていません。
「まだ分からないんですが、もしも、オミクロン株も脳が委縮するような性質を、まだ持っているとしたら嫌ですよね。世の中ではワクチンの副反応ばかり取り上げられますが、感染したらどうなるかというのも、きちんと考えていただかないといけない」(谷口清州医師)

国立病院機構三重病院 谷口清州医師
子どもの「熱性けいれん」 オミクロン株で増加傾向
また谷口医師は現場の医師として、オミクロン株の拡大により、第5波までにはなかった「ある変化」を感じていると言います。
「子どもの感染では、オミクロン株になってから発熱率が増えています。あと、熱性けいれん率が増えているんです。小児科医の間では『やっぱりこれは、何か脳に影響があるのではないか』と。何のエビデンスもありませんが、臨床的な勘として、熱性けいれんが多い」(谷口清州医師)
「熱性けいれん」とは、6カ月から5歳ごろの子どもが、38℃以上の急な発熱に伴って、意識障害やけいれんを引き起こす病気です。
日本小児科学会によると、熱性けいれんの割合は1歳から4歳の子どもで、デルタ株では3%だったのに対し、オミクロン株では9.4%に増加。5歳から11歳の年長児でも、デルタ株では0%でしたが、オミクロン株になると3.5%に増加していると言います。
「5歳~11歳のワクチンに対する副反応は、もちろん局所反応があったり、応答型副反応はありますが、重篤な副反応は出ていない。もちろん、子どもの多くは感染しても軽症です。ただ、軽症で後遺症が出ないかどうかは今のところデータがありません。そこでどうするか、という判断になるわけです」(谷口清州医師)
「逆に我々は『打つ』『打たない』をお母さんたちに言うのではなく、こうした科学的事実をきちんとお話して『どうしましょうか?』というのが、正しい立場かなと思っています(谷口清州医師)
「子どもの感染では、オミクロン株になってから発熱率が増えています。あと、熱性けいれん率が増えているんです。小児科医の間では『やっぱりこれは、何か脳に影響があるのではないか』と。何のエビデンスもありませんが、臨床的な勘として、熱性けいれんが多い」(谷口清州医師)
「熱性けいれん」とは、6カ月から5歳ごろの子どもが、38℃以上の急な発熱に伴って、意識障害やけいれんを引き起こす病気です。
日本小児科学会によると、熱性けいれんの割合は1歳から4歳の子どもで、デルタ株では3%だったのに対し、オミクロン株では9.4%に増加。5歳から11歳の年長児でも、デルタ株では0%でしたが、オミクロン株になると3.5%に増加していると言います。
「5歳~11歳のワクチンに対する副反応は、もちろん局所反応があったり、応答型副反応はありますが、重篤な副反応は出ていない。もちろん、子どもの多くは感染しても軽症です。ただ、軽症で後遺症が出ないかどうかは今のところデータがありません。そこでどうするか、という判断になるわけです」(谷口清州医師)
「逆に我々は『打つ』『打たない』をお母さんたちに言うのではなく、こうした科学的事実をきちんとお話して『どうしましょうか?』というのが、正しい立場かなと思っています(谷口清州医師)

デルタ株とオミクロン株における「症状の発現率の違い」(日本小児学会まとめ)
日本小児学会の報告「熱性けいれん以外も増加傾向」
子どもがコロナにかかった時の症状が変わってきているというデータは、けいれん以外にもあります。日本小児科学会がまとめた、デルタ株の流行期とオミクロン株の流行期における「症状の発現率の違い」の中間報告です。
まず「けいれん」の発現率です。「熱性けいれん」が起きやすい年齢とされる1歳~4歳で、デルタ株流行期では3%だったのが、オミクロン株流行期では9.4%と増加しています。
また、5歳~11歳では、デルタ株流行期では0%だったのが、オミクロン株流行期では3.5%に増加しており、年長児でも発現率が高まっていることが分かります。
そして「発熱」の発現率は、5歳~11歳で、デルタ株流行期に48.7%だったのが、オミクロン株流行期では81.3%に増加しています。また「咽頭痛(のどの痛み)」は、13%から24.2%に増加。「悪心(吐き気)・嘔吐」は、6.1%から14.5%に増加しています。
こうした状況を受け、三重病院の谷口医師は、子どものワクチン接種について「メリットどデメリットを考えて、打つかどうか判断すれば良いと思っていたが、脳萎縮の論文と『熱性けいれん』の話が出て、自分も意識が変わった。自分も小さい子がいたら打たせたい」と述べています。
(4月12日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
まず「けいれん」の発現率です。「熱性けいれん」が起きやすい年齢とされる1歳~4歳で、デルタ株流行期では3%だったのが、オミクロン株流行期では9.4%と増加しています。
また、5歳~11歳では、デルタ株流行期では0%だったのが、オミクロン株流行期では3.5%に増加しており、年長児でも発現率が高まっていることが分かります。
そして「発熱」の発現率は、5歳~11歳で、デルタ株流行期に48.7%だったのが、オミクロン株流行期では81.3%に増加しています。また「咽頭痛(のどの痛み)」は、13%から24.2%に増加。「悪心(吐き気)・嘔吐」は、6.1%から14.5%に増加しています。
こうした状況を受け、三重病院の谷口医師は、子どものワクチン接種について「メリットどデメリットを考えて、打つかどうか判断すれば良いと思っていたが、脳萎縮の論文と『熱性けいれん』の話が出て、自分も意識が変わった。自分も小さい子がいたら打たせたい」と述べています。
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