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廃棄予定の花を「サブスク」して活用 花き業界で広がる「命のバトン」 SDGs

2022年2月23日 08:00
 SDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」に繋がる取り組みが、花き業界で広がっています。今回、枝が曲がったりして規格外となった花を「サブスクリプション」などで活用している人々を取材しました。
 名古屋市熱田区の住宅街にあるフラワーショップ「アトリエレーヴ」。スタッフが作っているのは、定額制サービス「サブスクリプション」で、自宅のポストに定期的に届けられる花のミニブーケです。

「きょうは「キンセンカ」のブーケ。春の花なので、ちょうど季節に合っていますし、箱の中で元気でいられる花をチョイスして作っています」(アトリエレーヴ店主 岩田ひさえさん)

 元々、結婚式場などをメインに花の注文を受けていましたが、新型コロナの影響で仕事が激減。今では「サブスク」の仕事が主になっています。

 枝が曲がっていたり、茎が短い規格外の花があれば仕入れることもあります。

「花が廃棄されてしまう痛ましいニュースなんかも見ると、箱に入れて、たくさんの人に広くお花が行き渡って、生きている花を育てていく喜びを分かち合えているような気がしています」(岩田ひさえさん)

 愛知県東郷町の仁藤さんの家に花が届きました。ポストを開けるのが子どもたちの楽しみになっています。

「子どもたちを連れてってなると、なかなかお花屋さんに行けなくて、お花の定期便っていう文字を見た時に『これだな』って思った。すごい助かっています」(東郷町の「ブルーミー」利用者 仁藤利沙さん)

 花は洗面台に飾り、子どもたちの手洗い習慣にも役立てています。
 

花のミニブーケ

「花のサブスク」コロナ禍で需要増大 
 この花のサブスク「ブルーミー」は、毎週、季節の花が届く定額制サービスです。新型コロナの影響で「おうち時間」が増えたことなどから、この1年で利用者は約2倍に増え、全国で累計10万世帯にまで広がりました。

 利用者が「ブルーミー」に申し込むと、運営会社が提携する生花店に発注を掛け、生花店から発送された花がポスト届く仕組みです。

 東京では、花の市場と連携を強化し、規格外の花も適正価格で買い取る取り組みを進めています。

「元々、お花には『茎の長さ』や『花1輪の大きさ』『色』などで規格というものが存在しています。規格外で、本来は価値が付きづらくなっているところを、適正価格で継続的に買い取るような仕組みになっております」(「ブルーミー」運営会社 ユーザーライク株式会社 依田美奈さん)

 こうした連携は、SDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまり、東京に限らず全国に拡大していきたいと言います。

「花の定期便自体が定期購入だからこそ、提携するお花屋さんも、事前に必要な分の花だけ仕入れるようなことができる仕組みなので、これこそが真のSDGs的な取り組みになると思います」(依田美奈さん)
 

「ロスフラワー」で作ったドライフラワー

「全てのものがキレイだと伝えたい」破棄する花をドライフラワーに 
 「規格外」の花に価値を見出している人は、他にもいます。愛知県豊川市を拠点に活動する、ドライフラワーアーティストの堀祐次郎さんです。

 室温と湿度を徹底管理した暗室で、2週間ほどかけて色鮮やかなドライフラワーを作っています。

「花が一番キレイな時を見計らってドライにしないと、色が落ちてしまうので」(堀祐次郎さん)

 扱うのは全て「規格外」として廃棄されるはずだったロスフラワーです。取材した日、堀さんはマルシェに出店し、制作したドライフラワーを販売したほか、ワークショップではロスフラワーに価値があることを伝えていました。

「捨てるからといって、それは汚いとか、安いものではなくって、こちらがその価値をつけていくことなのかなと思っています。『全てのものがキレイだよ』『全てのものはこういう風に加工すれば美しくなるよ』だとか、そういうことを伝えていければと思っています」(堀祐次郎さん)
 

岡部さんから「廃棄予定だったバラ」を受け取る堀さん

生産者から受け継いだロスフラワーは「命のバトン」 
 花の仕入れルートは、北海道や宮崎など全国の農家からです。取材した日に訪れたのは、普段からお世話になっているバラ農家です。

「50品種ぐらい作っているけど、いろんな品種を作っていると、それぞれ特性や顔があるので、見ていて飽きない」(カシマばら園芸 岡部洋介さん)

 生産者のバラ作りにかける思いに、熱心に耳を傾けます。

「自分たちもやっぱり捨てるのが一番心苦しいので、それを利用してくれるのは非常にありがたいです。最後まで花を生かしてくれる、ずっと良い状態に加工してお客様に提供してくれるところが、僕は素晴らしいと思います」(岡部洋介さん)

 捨てられるはずだったバラはキレイに包まれ、生産者から堀さんに手渡されました。二人はこれを「命のバトン」と表現しています。

「受け継ぐ時は、我が子って言ったら言い過ぎかもしれないけど、大事な命を引き継いでいるという思いもあって、いかに美しい状態のままドライにしてお客様に提供できるか、考えると感慨深いです」(堀祐次郎さん)

 堀さんが作るドライフラワーは色の美しさが特徴で、フォトウェディング用にと若者からの注文も多いといいます。

「作る責任、つかう責任。目の前にあるものをただ単に買うだけではなく、そのものに命があったり、意味があったりというところを意識してもらえると、それがゆく先のSDGsに繋がったり、本当に大事にしようという気持ちを持ってもらえたら良いなと思います」(堀祐次郎さん)

(2月22日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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