コロナで日本に“足止め”のソロモン人親子 2年ぶりようやく帰国の途へ ビザ発給で最後まで波乱
2022年1月27日 11:33
日本に滞在している家族の最期を看取るため、2年前に南太平洋の国「ソロモン諸島」から来日した親子。新型コロナの確認拡大で母国に戻れない状況が続いていましたが、26日、大きな動きがありました。
愛知県豊橋市の市職員・白藤謙一さんの家には、2人のソロモン人が住んでいます。イザベル・トシアさんと、息子のバナバス・ヌヌさんです。約5000km離れた南太平洋のソロモン諸島から、2年前に来日しました。
日本で暮らす家族に会う予定でしたが、そこには「辛い事情」がありました。
「とても悲しい。だって私の娘だから」(イザベル・トシアさん)
「いつも考える。なぜ妹は死んだのか?」(バナバス・ヌヌさん)
白藤シンデレラさん。2004年、18歳の時、ソロモンでNGOの職員として働いていた謙一さんと結婚しました。
2人の娘たちに日本の教育を受けさせたいと、2013年、豊橋市に移住。積極的に日本に溶けこもうとしていたシンデレラさんですが「がん」を患い、2年前、34歳の若さでこの世を去りました。
「2020年2月22日に2人が成田空港に到着したけど、その翌週から入国できなくなった」「1週間遅れていたら入国できていないですね」(シンデレラさんの夫 白藤謙一さん)
日本で暮らす家族に会う予定でしたが、そこには「辛い事情」がありました。
「とても悲しい。だって私の娘だから」(イザベル・トシアさん)
「いつも考える。なぜ妹は死んだのか?」(バナバス・ヌヌさん)
白藤シンデレラさん。2004年、18歳の時、ソロモンでNGOの職員として働いていた謙一さんと結婚しました。
2人の娘たちに日本の教育を受けさせたいと、2013年、豊橋市に移住。積極的に日本に溶けこもうとしていたシンデレラさんですが「がん」を患い、2年前、34歳の若さでこの世を去りました。
「2020年2月22日に2人が成田空港に到着したけど、その翌週から入国できなくなった」「1週間遅れていたら入国できていないですね」(シンデレラさんの夫 白藤謙一さん)

シンデレラさんと娘たち
新型コロナの影響で帰国できず 母国の家族とは「年2回」しか電話できず
シンデレラさんの最期を看取り、イザベルさんたちが帰国しようとした2020年、日本は新型コロナで「緊急事態宣言」の真っただ中でした。さらに、ソロモン政府も「外国からの入国」を原則禁止としていました。
ソロモンに帰ることが出来ないため、90日が期限の「観光ビザ」を8回も更新しています。寒さが苦手なイザベルさんですが、天気のいい日はなるべく外で過ごしています。
Q.帰りたいですか?
「ソロモンに帰りたい」(イザベルさん)
ソロモンに妻と当時2歳の息子を残してきたバナバスさん。通信環境の影響もあり家族に電話ができたのは2年間で2回だけだといいます。
「『なぜ帰って来られないの?』と聞かれて『コロナウイルスのせいで国がロックダウンしている』と答えると『コロナウイルスって何?分からない』と」(バナバスさん)
家族が自分を待っているかは分からないそうです。
ソロモンに帰ることが出来ないため、90日が期限の「観光ビザ」を8回も更新しています。寒さが苦手なイザベルさんですが、天気のいい日はなるべく外で過ごしています。
Q.帰りたいですか?
「ソロモンに帰りたい」(イザベルさん)
ソロモンに妻と当時2歳の息子を残してきたバナバスさん。通信環境の影響もあり家族に電話ができたのは2年間で2回だけだといいます。
「『なぜ帰って来られないの?』と聞かれて『コロナウイルスのせいで国がロックダウンしている』と答えると『コロナウイルスって何?分からない』と」(バナバスさん)
家族が自分を待っているかは分からないそうです。

作業を手伝うバナバスと見守る 伊藤ヒサ子さん
日本での暮らし支えたサツマイモ農家「自分の息子みたい」
日本での生活を支えたのは、豊橋市内の農家でした。週に2日、サツマイモ農家の伊藤さんを手伝います。ソロモンの主食はイモ。真剣に取り組みました。
「自分の息子みたい。一緒に仕事したよね。楽しかったね」(サツマイモ農家 伊藤ヒサ子さん)
帰国出来なくなった当初からお世話になったトマト農家の浜田さん夫婦。色んなところに連れて行ってもらいました。
そして、コロナの感染が落ちつきをみせた2021年12月、ようやくソロモン政府が帰国者の受け入れ再開を表明。2人は1月26日の帰国を目指すことになりました。
シンガポールからオーストラリアに入国して、そこからソロモンに向かうルートです。経由地オーストラリアのVISAも必要です。
「自分の息子みたい。一緒に仕事したよね。楽しかったね」(サツマイモ農家 伊藤ヒサ子さん)
帰国出来なくなった当初からお世話になったトマト農家の浜田さん夫婦。色んなところに連れて行ってもらいました。
そして、コロナの感染が落ちつきをみせた2021年12月、ようやくソロモン政府が帰国者の受け入れ再開を表明。2人は1月26日の帰国を目指すことになりました。
シンガポールからオーストラリアに入国して、そこからソロモンに向かうルートです。経由地オーストラリアのVISAも必要です。

お土産に買った日本のグッズ
PCR検査「陰性」で出国条件クリアも…ビザが出たのは息子だけ「理解できない」
新年、祖国へ旅立つ日も近づいてきました。それに合わせるかのように、世界で再び感染が拡大しました。
ソロモンがロックダウンすれば、帰国はまた遠のきます。最後まで不安は続きました。
25日に受けたPCR検査の結果は、2人とも「陰性」。出国条件の1つをクリアしました。
荷物をまとめるのにも一苦労。帰国に向けた準備を進めます。
しかし、大きな心配事がありました。経由地のオーストラリアに入国するための「ビザの問題」です。
「(電話で)どうですか?ビザの方は」(白藤謙一さん)
「イザベルさんの方だけまだ…」(旅行代理店)
理由はわかりませんが、帰国前日になってもイザベルさんのビザが下りてないというのです。
「理解できない。私のビザ下りないの?」(イザベルさん)
このままだと、イザベルさんは飛行機に乗ることができません。
ソロモンがロックダウンすれば、帰国はまた遠のきます。最後まで不安は続きました。
25日に受けたPCR検査の結果は、2人とも「陰性」。出国条件の1つをクリアしました。
荷物をまとめるのにも一苦労。帰国に向けた準備を進めます。
しかし、大きな心配事がありました。経由地のオーストラリアに入国するための「ビザの問題」です。
「(電話で)どうですか?ビザの方は」(白藤謙一さん)
「イザベルさんの方だけまだ…」(旅行代理店)
理由はわかりませんが、帰国前日になってもイザベルさんのビザが下りてないというのです。
「理解できない。私のビザ下りないの?」(イザベルさん)
このままだと、イザベルさんは飛行機に乗ることができません。

家族に見送られるイザベルさん
2人そろっての出国はかなわず…オーストラリアで合流し祖国へ
出発の朝、この後ビザが下りることを信じ、シンデレラさんに帰国の報告をしました。
「シンデレラ I LOVE YOU」(イザベルさん)
26日、朝の中部空港にはお世話になった人たちも見送りに来ました。2人がそろって帰国するには、イザベルさんのビザが必要です。
出発のギリギリまでビザが下りるのを待ちましたが、結局間に合いませんでした。
2人そろってキャンセルするか…イザベルさん、バナバスさん親子が下した決断はバナバスさん1人での出国でした。
「おばあちゃんだけビザがとれないって…ひどいよ」(イザベルさんの孫 白藤二架さん)
親子そろっての帰国は、かないませんでした…そこから、事態は動きます。
「(電話で)大丈夫?大丈夫」(白藤謙一さん)
イザベルさんのビザが下り、さらに別ルートでソロモンに帰れるというのです。
深夜の便(23:35)で日本を発ち、祖国ソロモンへ…バナバスさんとはオーストラリアで合流し、28日ソロモン諸島へ向かう便に乗る予定です。
(1月27日 06:00~放送 メ~テレ『ドデスカ』より)
「シンデレラ I LOVE YOU」(イザベルさん)
26日、朝の中部空港にはお世話になった人たちも見送りに来ました。2人がそろって帰国するには、イザベルさんのビザが必要です。
出発のギリギリまでビザが下りるのを待ちましたが、結局間に合いませんでした。
2人そろってキャンセルするか…イザベルさん、バナバスさん親子が下した決断はバナバスさん1人での出国でした。
「おばあちゃんだけビザがとれないって…ひどいよ」(イザベルさんの孫 白藤二架さん)
親子そろっての帰国は、かないませんでした…そこから、事態は動きます。
「(電話で)大丈夫?大丈夫」(白藤謙一さん)
イザベルさんのビザが下り、さらに別ルートでソロモンに帰れるというのです。
深夜の便(23:35)で日本を発ち、祖国ソロモンへ…バナバスさんとはオーストラリアで合流し、28日ソロモン諸島へ向かう便に乗る予定です。
(1月27日 06:00~放送 メ~テレ『ドデスカ』より)
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