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「アダルトサイトではなく性知識を」SEOセックスプロジェクト、性暴力被害者らが署名活動

2021年12月18日 21:05
 性暴力の被害者に救いの手を差し伸べたいと、被害にあった当事者の大学生らがオンラインで署名活動を行っています。
 今年4月、愛知県出身の大学生3人がオンラインである署名活動を始めました。

「安心して性知識が得られるサイトを検索上位に出してください」

 “SEOセックスプロジェクト”。SEOとはインターネットの検索の仕組みを最適にすることです。

 大学生たちは、性暴力の被害者などが、インターネットで性に関する情報を検索した際に、支援につながる情報が検索上位に来るよう求めるオンライン署名活動を行っています。
 

イメージ

性被害…頼ったのはインターネット
 発起人の1人、愛知県内の大学に通う4年生、前田かや子さん(仮名)。

 約6年前、当時、高校1年生だったかや子さんは高校から習い事に行く途中に、見知らぬ複数の男から性暴力を受けました。

 その日から、16歳のかや子さんの日常に変化が起きました。

 「眠れなかったり、ちょっと変わった症状があって、自分の意識とは違う行動をとったりしていた」(前田かや子さん・仮名)

 月日が経っても、当時と同じような強い恐怖や不安を感じる心的外傷後ストレス障害「PTSD」の症状が続きました。しかし。

 「周囲に初めて話したときはなかなか理解をしてもらえなくて、性被害にあったことは恥ずかしいことなんだから誰にも口外したらだめだよとか。言っちゃいけないし、自分でも考えてはいけないという風に無意識にしていた」(前田かや子さん・仮名)

 自身の苦しみを、周囲に相談することができなかった、かや子さん。頼ったのはインターネットでした。

 「口外しちゃいけないとなると人には話せないから、自分でインターネットで生きづらさの原因を探したりとか、そういう風にするしかなかった。支援情報にはすぐにたどりつかなくて、例えばアダルトサイトだったりとか、今欲しい状況にたどり着けなかった」(前田かや子さん・仮名)
 

SEOセックスプロジェクトを立ち上げる 4月

求められるインターネットの検索の最適化
 日本で「セックス」「レイプ」といった言葉を検索したとき、多くの場合、検索上位にアダルトサイトがあがります。

 そうした状況を変えようと、2人とともにプロジェクトを立ち上げたのです。

 「16歳の時に性被害にあって、その後すぐに支援情報とか、どういう風に助けを求めたらいいかとか、情報にアクセスできなくて、私のような人を出したくないという気持ちでした」(前田かや子さん・仮名)

 インターネットが若者に与える影響について「Z世代」と呼ばれる若者社会を研究する信州大学の原田特任教授は。

 「(現代の若者にとって)ずっとスマホを見ているというのは基本のライフスタイルなので、生活のすべてといっていいのではないでしょうか」(“Z世代”を研究する 信州大学 原田曜平特任教授)

 インターネットが生活の一部となったからこその懸念があるといいます。

 「検索の最適化はやったほうがベターだと思いますが、インターネット上は過激なものが色々あって、調べれば見られることを子どもたちも分かっているので、ベストではないというか、ベストは存在しない」(原田曜平特任教授)

 ベストは存在しないという「インターネットの世界」。それでも。

 「例えば性暴力に関して検索したときに、有名人が起こした性的暴行事件の記事が上位に出てきて、その記事が適切か不適切かと言われると別に不適切ではないんですよね。だけど、緊急性のある情報でもない。命にかかわる情報は優先順位が必要だから、必要なものを上にあげるシステムも必要だと思っています」(前田かや子さん・仮名)
 

名古屋第二赤十字病院

「性暴力という言葉の範囲を広げて」
 活動から数カ月たったある日、かや子さんは日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤)にある「なごみ」に向かいました。

 「なごみ」は、性暴力被害者の支援を可能な限り1カ所で行う「ワンストップ支援センター」です。

 性暴力の被害者に、どういった支援情報が必要なのか、話し合いました。

 「同意のない性交は、性暴力という言葉をしっかり広げていかないといけないと思う」(日赤なごや「なごみ」坂本理恵さん)
 「日常的に目がつく形になれば、みなさんが支援にたどりつきやすくなると思いますが、そういう意味ではまだ広報を怠っている部分があるので私たちも努力していかないといけない」(日赤なごや「なごみ」山田浩史センター長)   

 「性暴力という言葉の範囲が狭すぎる。性暴力という言葉自体を再定義としないといけないねというお話が議論の中で出た。システムを変えるのと同時に文化とか性暴力という言葉の認知だったりとか、社会全体の空気も変えていくことが大切だと分かった」(前田かや子さん・仮名)
 

署名活動のサイト

Yahoo!での検索に変化
 久しぶりにメンバーが集まったこの日、インターネットの世界で、ある変化が。

 大手検索サイトYahoo!で、「レイプ」などと検索した場合、「ワンストップ支援センター」が上位に表示されるようになっていたのです。

 この件について、メ~テレがYahoo!に問い合わせたところ。

「相談先などの情報掲出を行う取り組みや、課題解決の一助となることは何かを継続的に検討しており、検討過程でこの活動も参考にさせていただいた」(Yahoo!)

 4月から始めた署名活動は10日時点で、2万9738人が賛同していて、メンバーは確かな手ごたえを感じていました。

「署名を始めて誰かに届くと社会は変わるんだなと分かった」(SEOセックスプロジェクト 中島梨乃さん)

 「私も生被害者の1人なので、自分もあの時こうだったらよかったなと思うことを振り返って、性暴力の当事者にとって一番いい状況はなにかを作っていく活動をしたいと思っています」(前田かや子さん・仮名)
 

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