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180m超が60基 国内最大規模の風力発電計画に揺れる自然豊かな町 初の住民説明会は大荒れ 三重県

2021年12月7日 07:10
一定の風速があれば、昼夜を問わず電気を作れる風力発電。「再生可能エネルギーの象徴」とも呼ばれる「風車」の建設計画を巡って、三重県の山間の静かな町が揺れています。
「三重県津市の郊外です。この地点からでも50基以上の風車を見ることができます」(記者)

 三重県内に設置されている風力発電施設の数は全国5位です。県の面積の6割以上を山林が占めている三重県は、約3分の1のエリアで、風力発電に適した年平均で風速5.5メートル以上の風が吹くといいます。

 そんな三重県で、新たに国内最大規模の風力発電所計画が持ち上がりました。

 予定地は、奈良県との県境にある松阪市飯高町です。山々に囲まれた人口3300人ほどの町に、高さ180メートルを超える風力発電機を最大で60基を建設するというのです。
 

「みんなの飯高」がまとめた意見書は1060通のうち9割超が反対意見

自然豊かな町に持ち上がった大規模風力発電所計画
「賛成とか反対ではなく、まず1人1人が関心を持って正しく知る。自分の言葉で自分の意見を持つことと、様々な意見を交流させることを目的に勉強会を行ないました」(市民団体「みんなの飯高」佐々木尚子さん 9月)

 自分たちの町のことは、まず自分たちで考えたい。

 地元の主婦たちが中心となって風力発電の勉強会を始めると、市民団体が1060通の意見書をとりまとめました。その結果、「反対」という意見が9割を超えたといいます。

「山行ったり、川で遊んだり、ケモノがいっぱい来たり。自然を楽しんでいるのに違う流れになってしまうな…という感じです」(「みんなの飯高」成岡真清さん)

「会社としてちゃんと説明してくれないと責任もって回答や説明しているのかわからない感じがします」(「みんなの飯高」太田覚さん)
 

三重県も業者に対して見直し認める

コロナ拡大を理由に住民説明会は開かれず…県も自然環境への影響を懸念
 事業を計画しているのは東京に本社がある「リニューアブル・ジャパン」です。7月には住民側に意見を求めてきたにも関わらず、コロナの感染拡大を理由に説明会が開かれなかったといます。

 そんな中、10月に入ると県に動きがありました。

「環境への影響、地元住民も心配されているところがあると聞いているので、見直すべき点があれば見直していただきたいと」(一見勝之知事 10月)

 三重県は業者に対し、「中止か、抜本的な見直しが必要」とする意見を伝えました。懸念したのは、「自然環境への影響」です。
 

透き通った透明な水

生活や水資源や渡り鳥は守られるのか…住民たちの懸念
「ここの水を見てもらったとおりキレイです」(飯盛生産森林組合 河合信行組合長)

 30年近く飯高町の水資源を管理してきたという河合信行さんは、発電所を作る工事の影響で山から土砂が流出したり、水質が汚染されてしまったりするのが心配だといいます。
 
「今からも後々も、我々はこの水を使ってここで生活していくということだと思うんです。だから、この水を守るということ」(河合信行組合長)

 また、風力発電の設置が計画されている地域は、サシバやハチクマといった渡り鳥の飛行ルートと重なる可能性も指摘されています。

「心配なのはバードストライクです。日本の渡り鳥の要ともいえる場所なので、そこに超大型の風力発電機がたくさん立つと、当たって死ぬ鳥もたくさんいるでしょう」(野鳥愛好歴50年以上 武田恵世さん)
 

初めて開かれた住民説明会

初の住民説明会 業者は「共存共栄」訴えたが…
 計画は今後、どうなっていくのでしょうか。事態が動いたのは11月でした。

「業者による初めての住民説明会が開かれるということで、多くの住民が集まっています」(記者 11月5日)

「本当はもう少し早い段階でみなさんのところでこういう形で説明会を開催させていただければと思っていました。本日は我々の方から事業の説明と、皆さんからご意見ご質問があれば対応させていただきたいと思います」(リニューアブル・ジャパン 管理本部 渡辺開也 副本部長)

 集まった住民たちを前に、業者側が訴えたのは「地元との共存共栄」です。

「クオリティの高い再生可能エネルギー発電所をつくり、安全に運営します。地域を活性化できることを大事にしていこう、地元とのつながりをきちっとやっていこうと」(リニューアブル・ジャパン 渡辺開也 副本部長)
 

説明会延期の一方で地権者に接触していた業者の進め方に住民は怒り

「迷惑じゃ!」荒れる説明会 業者は規模見直しも視野に県に計画説明へ
 100年続く風力発電所を作り、メンテナンスをしていく方針も説明しましたが、住民たちからは…

「音も水も空気もホコリも、そういうものが工事が始まる前から心配でたまらないんです。毎日自然を見ながら涙するくらいです」(住民女性)

「お前らがくるというのが迷惑な話じゃ! 本当に迷惑しとるんじゃ!」(住民男性)

 住民たちの怒りのワケは、業者の「進め方」にもありました。住民説明会が開かれない一方で、現地調査に向けて土地の所有者に対してアプローチをしていたのです。

「『林道ができる』とか、いいことだけを言って地権者を惑わせたことや、効力のない証明をとって、本当に地域を混乱させました」(住民女性)

「そもそも地域と共存共栄しようという意思を持って事業しようと印象は全く受けないです。一度、計画を白紙に戻されてから改めてご検討してはいかがでしょうか?」(住民男性)

 住民たちから出た厳しい声に、業者側は…

「皆さんのご理解をいただけるように全力をあげて努力するというのが私どもの考え方です。代々子供たちが住んでいって誇れる仕事をしていきたいと日ごろから思っています。一生懸命、誠心誠意やっていこうと思っています」(リニューアブル・ジャパン 社長室 中西芳比朗 担当室長)

 業者は、設置する発電所の規模の見直しも視野に、7日にも県に対して事業計画を説明する予定だということです。

(12月6日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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