24時間体制でコロナ患者と向き合う「介護タクシー」 救急体制、地域医療を守る活動の最前線
2021年9月15日 08:00
新型コロナの感染拡大が続く中、患者を搬送する業務もひっ迫しています。名古屋では、市から委託された民間のタクシー会社が「24時間体制」で出動しています。
名古屋市で「介護タクシー」事業を営む小澤進さん。これまでは、介護が必要な人を運んでいましたが、2020年12月からは、主に市から委託されたコロナ患者を搬送するようになりました。
「自分で病院にいけない方は誰かに頼らなきゃいけない。特に家族が遠い所だと自分で行けない高齢の方が多いので、安心して暮らせる手伝いができればと思ったのがきっかけです」(小澤進さん)
この日、乗せたのは、新型コロナと診断され、自宅で療養していた車いすの男性。体調が悪化したため、病院へ搬送することになりました。
「今から病院いくよ」(搬送される男性の娘)
「自分で病院にいけない方は誰かに頼らなきゃいけない。特に家族が遠い所だと自分で行けない高齢の方が多いので、安心して暮らせる手伝いができればと思ったのがきっかけです」(小澤進さん)
この日、乗せたのは、新型コロナと診断され、自宅で療養していた車いすの男性。体調が悪化したため、病院へ搬送することになりました。
「今から病院いくよ」(搬送される男性の娘)

気道の確保が難しくなった男性
声をかけ続けて病院に到着、自宅を訪ねてから5時間が経過
静かに乗車していた男性。しかし…
「もどされました?大丈夫です?」(小澤進さん)
「うん、大丈夫です」(男性)
男性は、何度か嘔吐を繰り返しながら病院に到着。診察を受けている間、小澤さんはタクシーの中で待機します。結局、男性は「入院の必要がある」と判断されたものの、この病院ではベッドが埋まっていたため、急遽、別の病院に搬送することになりました。
しかし、その途中…
「ちょっと体の向きあげるよ。ごめんね。大丈夫?ちょっと戻るね。こりゃいかんわ」(小澤進さん)
急いで、先ほどの病院に引き返すことに。
「大丈夫?」(病院の看護師)
「酸素は用意してありますよ」(小澤進さん)
車いすの男性は、自分で体を支えることができず、体を折り曲げて気道が確保できなくなってしまう恐れがありました。ストレッチャーに乗せ変えた後、再び入院先へ向かいます。
「もう着きますからね。大丈夫ですか」(小澤進さん)
男性に声をかけ続けながら病院に到着。自宅を訪ねてから、5時間が経過していました。こうして無事に送り届けた後は、次の搬送に備えて、毎回、車内を丁寧に消毒しています。
「もどされました?大丈夫です?」(小澤進さん)
「うん、大丈夫です」(男性)
男性は、何度か嘔吐を繰り返しながら病院に到着。診察を受けている間、小澤さんはタクシーの中で待機します。結局、男性は「入院の必要がある」と判断されたものの、この病院ではベッドが埋まっていたため、急遽、別の病院に搬送することになりました。
しかし、その途中…
「ちょっと体の向きあげるよ。ごめんね。大丈夫?ちょっと戻るね。こりゃいかんわ」(小澤進さん)
急いで、先ほどの病院に引き返すことに。
「大丈夫?」(病院の看護師)
「酸素は用意してありますよ」(小澤進さん)
車いすの男性は、自分で体を支えることができず、体を折り曲げて気道が確保できなくなってしまう恐れがありました。ストレッチャーに乗せ変えた後、再び入院先へ向かいます。
「もう着きますからね。大丈夫ですか」(小澤進さん)
男性に声をかけ続けながら病院に到着。自宅を訪ねてから、5時間が経過していました。こうして無事に送り届けた後は、次の搬送に備えて、毎回、車内を丁寧に消毒しています。

福祉・介護移送ネットワークACTの搬送件数
第5波で搬送件数が急増 「陽性患者を自宅に運ぶ」依頼も増加
愛知県内の「介護タクシー」事業者をまとめる団体「福祉・介護移送ネットワークACT」。名古屋市から委託を受け、2020年12月から新型コロナ患者の介護タクシーを運行しています。
「ベッド数も足らなかったが、救急車も足りなくなっている。だから民間救急を陽性患者を入退院で使いたいと言われて引き受けました」
「救命救急が本来の救急車の役割なので、そこまでいかない軽症の方は民間救急で手伝いをすることで、本来の救急車の役割である救命救急が守られるという認識でいます」(福祉・介護移送ネットワークACT・鎌倉安男代表理事)
ACTが担当した7月の搬送件数は88件。しかし、感染拡大の第5波に入り、8月は338件と急増しました。
最近では、入院できる病床を少しでも確保しておくため、症状が落ち着いて自宅療養が可能になった患者を、病院から自宅まで運ぶ依頼も増えているといいます。
「今は陽性の方もある程度軽くなってきたら、自宅療養をしましょうと。重症者を入れなければいけないが、ベッドがいっぱい。自宅療養ということで、陽性患者を自宅に運ぶということが多くなった」(鎌倉安男代表理事)
「ベッド数も足らなかったが、救急車も足りなくなっている。だから民間救急を陽性患者を入退院で使いたいと言われて引き受けました」
「救命救急が本来の救急車の役割なので、そこまでいかない軽症の方は民間救急で手伝いをすることで、本来の救急車の役割である救命救急が守られるという認識でいます」(福祉・介護移送ネットワークACT・鎌倉安男代表理事)
ACTが担当した7月の搬送件数は88件。しかし、感染拡大の第5波に入り、8月は338件と急増しました。
最近では、入院できる病床を少しでも確保しておくため、症状が落ち着いて自宅療養が可能になった患者を、病院から自宅まで運ぶ依頼も増えているといいます。
「今は陽性の方もある程度軽くなってきたら、自宅療養をしましょうと。重症者を入れなければいけないが、ベッドがいっぱい。自宅療養ということで、陽性患者を自宅に運ぶということが多くなった」(鎌倉安男代表理事)

福祉・介護移送ネットワークACT 小沢進さん
感染リスクはあっても「みんなで国難を乗り越えないといけない」
また、患者を搬送するだけでなく「介護タクシー」の車内が、診察に使われることもあります。この病院では、自宅療養をしていた女性を乗せたタクシーが到着すると、医師が出向いて、体温や酸素飽和度などをチェックしていました。
24時間体制でコロナ患者と向き合う民間の介護タクシー。日々、感染のリスクを抱えながら、救急の体制、そして地域の医療を守っています。
「大変な病気だと思う。特に多いのが防護エプロンや防護服を着ると、近所の目があるという意見をもらうこともあるので、伺う前に電話して『感染予防のため、防護エプロンや防護服を着ますがご了承くださいね』と理解をもらってから伺う。患者さんに寄り添うというのは心がけている」
「感染リスクという怖さはやっぱりある。ただ、みんなで国難を乗り越えないといけないというのがあるので、少しでも何か手伝いができればなという形でやっています」(小澤進さん)
(9月14日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
24時間体制でコロナ患者と向き合う民間の介護タクシー。日々、感染のリスクを抱えながら、救急の体制、そして地域の医療を守っています。
「大変な病気だと思う。特に多いのが防護エプロンや防護服を着ると、近所の目があるという意見をもらうこともあるので、伺う前に電話して『感染予防のため、防護エプロンや防護服を着ますがご了承くださいね』と理解をもらってから伺う。患者さんに寄り添うというのは心がけている」
「感染リスクという怖さはやっぱりある。ただ、みんなで国難を乗り越えないといけないというのがあるので、少しでも何か手伝いができればなという形でやっています」(小澤進さん)
(9月14日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
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