ワクチンを家具用耐震シートで保護 工夫重ねる訪問接種、外出困難者への救いに 愛知

2021年6月14日 18:35
 新型コロナウイルスの集団接種によるワクチン接種が進む中、ワクチンの接種会場に足を運べない高齢者などを支援する動きが出ています。
名古屋市内にあるサービス付き高齢者住宅で暮らす、93歳の三浦さん。ベッドでの生活を迫られ、去年8月に入居しました。

 11日、三浦さんのもとに訪れた、かかりつけの医師。体調に問題がないことを確認した上でおこなったのは、新型コロナワクチンの接種です。

 三浦さんのように、1人で外出することが難しくワクチンの接種会場に足を運べない高齢者のために、名古屋の医療法人「生寿会」が、こうした施設に対する訪問接種を5月からおこなっています。

 Q「ここに来てもらえて打てるというのはどうですか」
「ありがたいです。」(三浦さん)

 夫婦で施設に暮らす85歳の女性。娘が遠方に暮らしているため付き添ってくれる人がおらず、接種会場には行きづらいと話します。

 「名古屋空港でやっているけど、どうやって行くのって。名古屋駅からシャトルバスが出ていると言われてもそこまでどうやって行くのか。うれしいですね。あちこち行けないから、ここでやっていただけるのは本当に感謝です」
 

耐震ジェルシートを使った手作りの容器

手作りの容器でワクチンを守る
 施設で生活する高齢者にとって、ワクチンの訪問接種は頼みの綱となっています。
 しかし、訪れる側の医療機関には、様々な負担がかかっています。

 「接種後、重い副反応が出たときに備え、点滴や呼吸を助ける道具を準備しています」(レポーター)

 「病院だとドクターやスタッフがたくさんいるので、何かあった時にはすぐ助けてもらえるんですが、施設はやはり医療職が少なく、医療器具もありません」(看護師)

 訪問先にワクチンを運ぶ際にも、細心の注意を払います。

 「これスタッフのアイデアなんですけど、動かないように」(看護師)

 ワクチンの成分は振動に弱いとされているため、家具用の耐震ジェルシートを使い、注射器を固定。スタッフが知恵を絞り、手作りの容器を作りました。
 

提供:医療法人生寿会 

訪問先でワクチンを使い切る調整が欠かせない
 さらに頭を悩ませるのが、ワクチンの接種回数と時間の問題です。ファイザー製のワクチンは、1瓶あたりに接種できるのが6回分。

 解凍し薄めてからは、6時間以内に使い切らなければならないため、訪問先の施設で計画的に使い切るための調整が欠かせません。

 「スケジューリングは大変難しいです。できるだけ6の倍数に収まるようにスケジューリングしています。余ったとか当日キャンセルの問題もありますので、そういう場合に別の所で使えるように工夫しながらやっているところです」(医療法人生寿会 亀井克典理事長)

 この医療法人では、高齢者施設のほか在宅で介護を受ける高齢者の自宅にも訪れ、接種をおこなっていて、来月までに約700人に対し、2回の接種をする予定です。

 「自宅や高齢者施設にいて、ワクチン接種の機会が得られない方々に接種できるということで、感染拡大の防止につながると思っています。64歳以下の方でも、何らかの障がいや病気で、外出・通院が困難な方がいれば、必要に応じてワクチン接種の対応をしたいと思っています」(亀井理事長)
 

愛知県独自の支援金

医療機関を支援する動きも
 こうした医療機関を支援する動きも出ています。愛知県は14日から7月31日まで、訪問での接種をおこなう医療機関に対し、県独自の支援金を支給するとしています。

 高齢者施設などを訪ねて接種する場合は、1人1回あたり1000円、自宅を訪ねて接種する場合は、要介護度が4か5の高齢者、重度の心身障がい者などが対象で、訪問1回ごとに1万円が支給されます。

(6月14日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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