• メ~テレNEWS LIVE 24
  • 新型コロナウイルス 東海3県の関連ニュースはこちら

「高須新党を作りたい」リコール事務局長 逮捕直前まで密着の記者に語った「政治への野心」

2021年6月8日 18:40
大村秀章愛知県知事の解職を求めたリコール団体の田中孝博事務局長。5月19日、アルバイトに署名を偽造させた疑いで逮捕され、8日には別の署名を偽造した疑いで再逮捕されました。前代未聞の事件は、なぜ起きたのか。密着取材で見えてきたものとは…
 田中事務局長は、どんな人物なのでしょうか。

(記者にアルバム見せながら)「これ、20歳(の頃)」(田中事務局長)

 若い頃から人前に立つのが好きで、目立ちたがり屋でした。30代で愛知県議を2期務めましたが、その後は落選が続きました。

 2019年の県議選でも落選。この時、“後ろ盾”の重要性を感じていました。

「河村市長の減税日本で公認をもらった時は、どたんばだったが、9千票くらい獲得した。やっぱり河村市長の人気なんだろうな、田中の信用なんてないわけだから」
Q.やはりバックがつくのは大事?
「保証人だもんね公認というのは」(田中事務局長)
 

愛知100万人リコールの会 高須克弥会長と田中事務局長

リコールと並行で進んでいた衆院選への出馬
 2020年、リコール運動で「大きな存在」と出会いました。「高須クリニック」院長の、高須克弥(愛知100万人リコールの会)会長です。

「今まで僕はテレビで見た高須先生しか知らなかったです。すごい方だなというイメージでずっときました。今回のリコールに関して、高須先生の部下として仕事ができたわけじゃないですか。(高須会長は)ものすごく純粋なんですよ。かつ、鋭いんですよ、見方が」(田中事務局長)

 田中事務局長はリコール運動と時を同じくして、きたる国政選挙に向け、動き始めていました。

「7月29日に日本維新の会愛知第5区支部で支部長をいただきました田中孝博です。何よりも、国民のために働く、コロナ禍の中で将来に不安のないような社会作り、政治作り、経済作りをするのは当たり前です」(2020年11月の会見)

 衆議院選挙に出馬する予定でした。
 

署名簿を入れていたとみられる段ボールには「完成品」の文字(2020年11月)

署名簿の段ボールに書かれていた不審な文字
 しかし、佐賀市での「署名書き写し」が発覚。疑いの目は、田中事務局長に向けられました。

「佐賀県には行っていません・具体的な指示もしていません・佐賀の業者も知りません・発注書も出していません・契約もしていません・これが僕のお答えするところです」(田中事務局長 2月の会見)
「事務局長を信じないで組織は動きません。事務局長を僕は信じます」(会見に同席した高須会長 2月)

 不正への関与を一切否定しました。

 取材班は、2020年11月の集計作業の映像の中に、気になるものを見つけました。

 署名簿を入れていたとみられる段ボールには文字が書かれています。「完成品」という文字。こちらには「10月30日」。さらに「予備」という文字も。ほとんどの地域で署名集めの期限は10月25日でした。

Q.完成品(予備)と書いてあったが?
「10月30日完成品(予備)なんて、なんだろう…予備という意味もわからないし、10月30日というのもわからないな」(田中事務局長 3月)
 

車に荷物を積み込みホテルを転々とする生活が続いた

ホテルを転々とする生活 警察の行動確認も
 田中事務局長は、疑いの目が向けられて以降、自宅にいることを避け、ホテルを転々とする生活を続けていました。

 「事務局幹部『偽造に関与』」…4月のこの日。リコール団体の幹部が、田中事務局長による不正の指示を証言したという新聞記事が出ました。

(紙面見ながら)「…500枚」
(記者と携帯電話で会話)「おはようございます。田中です。内容についてはコメントは差し控えたいと思います」

 記事の内容を確認する、記者からの問い合わせに追われました。
 

車を運転しながら妻に電話する田中事務局長

 田中事務局長は、不正署名への対応を理由に、「維新」の選挙区支部長を辞任することになりました。

(4月、事務所のポスターはがしながら)「さみしいですね。残念ですよ。このためにずっと政治活動をやってきたわけですから」

 国政進出への道は事実上、絶たれました。

(運転中ハンズフリーで会話)「もしもし、仕事やっとるか?きょうずっと警察につかれ(行動確認され)とるもんで」

 電話の相手は妻。警察が捜査に乗り出していました。

 疑惑が深まる中、田中事務局長は、これまでと異なる説明をするようになりました。

Q.広告関連会社にはどのような業務を発注したのか
「署名の収集業務ですね。『あくまでも合法的にやって下さいよ、合法的に収集してくださいよ』というのがこちらのお願いです。不正な指示はしていない。不正な契約はしていない」(5月3日のインタビュー)

 田中事務局長は、不正の指示については否定しながらも、広告関連会社に署名集めを依頼したことを認めました。
 

愛知100万人リコールの会 高須克弥会長と田中事務局長

「高須会長に恥をかかせるわけにいかない」
 そこまでして署名を増やそうとした理由は…

「(高須会長が)いよいよ、これでリコールの目的が達成する、というようなことをSNSで発信していた。会長がそういう形で皆さんにSNSで発信しているという現状を踏まえると(高須会長に)恥をかかせるわけにはいかんじゃないですか」

 動機は、高須会長に認められたいという思いでした。

 さらに、不正疑惑で追及される中でも、こんな野心を口にします。

「政治活動が許されるのであればやっていきたいですわね。それしかやっていないからさ。やっぱり『高須新党』作ったりさ」
 

ホテルの部屋に捜査員が訪れた瞬間(静岡県伊豆市 5月19日)

「どこで道を間違えたのか?」の問いには…
 逮捕前日。田中事務局長は家族との思い出の地、静岡県伊豆市にいました。

 リコール運動について、改めて問いました。

「リコール活動については、全く悔いはないですよ。ですが現状においては非常に心苦しい。リコールを熱心に、ない時間の中でやっていただいた方々に対して、署名していただいた方、関係者に対して本当に申し訳ない、心苦しいに尽きるます」

 そして、翌朝。

「コンコン」(ノックの音)
「誰だろう?」(田中事務局長)
「おはようございます。警察です」(捜査員)
「警察…ちょっと着替えるので待ってください」(田中事務局長)
「カメラは出てもらっていい?」(捜査員)
「最後に一言」(記者)
「ありがとうございました」(田中事務局長)

 田中事務局長の逮捕について高須会長は電話取材に次のように答えました。

「あるがままを受け止めるだけですよね。何も驚くことはないですよ。彼ははじめから『自分は真っ黒でまもなく逮捕されます』と言っているわけだから。あぁやっと逮捕になったのかと受け止めるだけですよ。なんの関心もないですよ署名簿がどうやって作られたか。興味はありますけれど、どうでもいいことです」(高須会長)

 国会議員になるという“野心”。その果ての逮捕でした。

 逮捕前、記者との田中事務局長の2人きりのやりとりです。

Q.どこで道を間違えたんでしょうね?
「道を間違えた(笑)。間違えたかな俺?」
Q.間違えていないですか?
「間違えていないでしょう。間違えていないと思う」

(6月8日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る