競泳代表内定・小西杏奈「オリンピックあるのかな…」 コロナ禍で奪われたプール、小学生からの夢の行方は

2021年5月7日 08:00
 オリンピックで数々のメダルを手にしてきた競泳日本代表「トビウオジャパン」。4月に行われた代表選考会で東京オリンピックへの切符を勝ち取ったのが、背泳ぎの小西杏奈選手です。コロナ禍で抱えた苦悩とメダルにかける思いを聞きました。

競泳の日本代表に内定した小西杏奈 選手(24)

 4月に行われた東京オリンピックの代表選考会。

 白血病から復帰した池江璃花子選手が涙の優勝を飾り、メドレーリレーとフリーリレーの代表に内定しました。

 「『ただいま』という気持ちでレースに入場したので、努力は必ず報われると思いました」(池江璃花子 選手)

 そして、池江選手と同じメドレーリレーでトップバッターとなる背泳ぎの代表に内定したのが、中京大学出身の小西杏奈選手です。

 「私が第一泳者として泳がせてもらえるのはありがたいことだし、全部池江さんにもっていかれないように『私もいるよ』ってアピールできるように頑張りたいなって思っています」(小西杏奈 選手)
 

体重以上のバーベルで筋トレ(2018年撮影)

中京大学在学中に初の日本代表入り 体格さのハンデをはねのけた「筋トレ」
 初めて日本代表になったのは大学4年生のとき。

 身長の高い選手が有利な競泳界で159cmと小柄な小西選手。

 強さの秘密は、小さいながら驚異の筋肉トレーニングで徹底的に鍛え上げられた鋼の肉体です。
 

鍛え上げた筋肉(2018年撮影)

 体重以上のバーベルも軽々と持ち上げます。

 この上半身が、水中で水を押すエンジンとなり、ひとかきで生み出すスピードは国内トップクラス。

 2018年のアジア大会では100m背泳ぎで銀メダルに輝くなど、海外の大柄な選手とも戦ってきました。
 

ぬいるぐみが大好きな小西選手(2019年撮影)

ぬいぐるみが大好きな24歳 卒業式で誓ったオリンピックへの想い
 ひとたびプールを離れれば、ぬいぐるみをこよなく愛する普通の女の子。

 試合や合宿には必ず1つ持って行くほど大好きなんです。

 無邪気なマッスルスイマーは、3年前、大学の卒業式の挨拶で「ある誓い」をしていました。

 「『東京オリンピックでメダル取ります』、今、夢が目標になって目標が現実になってスタートラインに立てました」(小西杏奈 選手)
 

小学校の卒業文集に書いた夢「オリンピック選手」

東京オリンピック1年延期も…「強くなれればいいや」
 小学校の卒業文集にも書いた憧れのオリンピック選手。

 社会人になってからは、初めての1人暮らしをスタート。

 「金メダル獲得」を実現するため、馴れ親しんだ母校・中京大で練習を続けてきました。

 2020年、東京オリンピックが1年延期になったときも気持ちは前向きでした。

 「周りも強くなるにしろ、私も強くなれるからそれ以上に強くなれればいいやって思った」(小西杏奈 選手)
 

自粛期間中、トイレットペーパーでトレーニング(2020年4月 小西選手提供)

新型コロナで奪われたプール…消えない不安「東京オリンピックはあるのか」
 ところが、新型コロナウイルスによって練習場所を奪われてしまいました。

 「コロナで中京大学が使えなくなって…1か月半ぐらい泳げなくなったんですよ。そこで筋力とかも全部落ちちゃって…」(小西杏奈 選手)

 自粛期間中も自宅にあるものでトレーニングを続けていたものの、泳ぐことでしか鍛えられない筋肉はどうしても衰えていきました。
 

「東京五輪はあるのか…」コロナ禍で抱えた不安

 練習を再開してからも、新型コロナ終息の兆しは見えず。

 不安を抱える日々が続きました。

 「内心『本当に日本選手権あるのかな…オリンピックあるのかな…私目指すの2024年のパリオリンピックでいいんじゃないかな』とかそういう甘えが出てきていたのは事実です」(小西杏奈 選手)

 選考会の直前まで泳ぐことが怖くなるほど、自信をなくしていました。
 
 それでも、諦めなかったのは追い続けてきた「東京オリンピックで金メダル」という夢があるから。

 夢を現実にするために、臨んだ4月の代表選考会。

 「過信でもいいから『自分は強い、自分は強い』って念仏のように唱えて泳ぎました」(小西杏奈 選手)

 女子100m背泳ぎで見事優勝。

 東京オリンピックへの切符を掴み取りました。
 

小西選手「東京五輪がなくてもあっても日本代表は変わらない」(4月26日撮影)

「自分は強い」一発勝負で掴んだ夢舞台 「東京オリンピックがなくてもあっても日本代表は変わらない」
 「決まった以上、東京五輪がなくてもあっても日本代表は変わらないので、自信を持って強さを見せつけられたらなと思っています」(小西杏奈 選手)

 泳げることに感謝しながら練習する日々。

 憧れの表彰台に、そして憧れの寺川綾さんが持つ日本記録の更新へ、一歩ずつ近づいていきます。

(5月6日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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