同性カップルの住所晒した三重県議「お互いやりすぎた。水に流して」 カップルには40件以上の不審電話

2021年4月8日 14:14
 三重県議の男性が3月、同性カップルの住所や氏名などを自らのブログに無断で掲載していたことがわかりました。個人情報を晒された同性カップルと公開した県議の間に何があったのでしょうか。
 先月30日、インターネット上に投稿された1本の記事。そこには、男性2人の名前とともに住所が…

 投稿したのは、小林貴虎三重県議。

 住所は、三重県伊賀市の男性カップルが暮らす場所でした。なぜ、掲載されたのか。きっかけは小林議員のSNSへの投稿でした。

 『(同性カップルが)婚姻と同等の権利をよこせと言うことなら、同等の責任を果たさねばその資格はないでしょう』(小林議員のTwitterより)

 この投稿に対し、伊賀市の同性カップル嶋田全宏さんと加納克典さんは、小林議員に対し公開質問状を出しました。

 「多くの方が疑問に持っていたので、自分たちだけに対する回答ではなく、より多くの人に知ってもらいたいという意味で公開質問状にしました」(嶋田さん)

 すると…

 『公開質問状に対する回答』
 『はじめから公にさらすことを目的とした質問状だと理解しています。一方的に質問を突きつけ回答を「要求」する姿勢は、非常に攻撃的で敵意を感じます』(小林県議のブログより)

 そこには、2人の住所が書かれた封筒の写真が。

 公開した理由について、小林議員は、封筒に書かれていたのは2人が営むネットショップの住所だったとしています。
 

小林議員のTwitterより

削除依頼に応じず 中傷を受け6日後に削除
 「怖いなって思いました」(加納さん)

 2人は小林議員をたずね、住所の削除などを依頼しましたが、意見はまとまりませんでした。

 その後、2人は公開質問状を取り下げました。小林議員には、直接伝えることはなかったといいます。

 「無断で録音されて、全部文字に起こされて、ブログに掲載されていた。怖いというか、何があるかわからないリスクがありました」(嶋田さん)

 小林議員は5日、「議会事務局などに迷惑をかけている」として住所が掲載された画像を削除。

 しかし、住所が公開されていた間、2人には40件以上の非通知の電話などがあったといいます。

 「怒りとかあるのかもしれないが、追い詰められていたのでほっとした」(嶋田さん)
 

住所の書かれた封筒の写真がブログに掲載

 8日、取材の約束をしていた小林議員を訪ねると…

 「取材に応じられなくなってしまったので、申し訳ないです」(小林議員)

 小林議員は所属する会派の意向で、取材に応じられないとし、電話で応対しました。

 「私も寄り添い合おうとして、彼らも寄り添い合おうという見解でした。2人は私に直接連絡をとって公開質問状を取り下げると言いました。だから、私は電話が来るだろうと待っていました。結局、連絡がない間に報道が出て、消すタイミングがなくなってしまった」
 「お互いやりすぎた部分があるから、そこは水に流して、もう少し対話できるような状況になればいいなというのが正直なところです」(小林議員)

 今回の住所公開について弁護士は。

 「プライバシー侵害にあたる可能性もあります。会社ではなく個人情報だという見方もあるので、慎重に考えるべきだったと思います」(堀江哲史弁護士)

 三重県は、4月から都道府県では初となる許可なく、第三者に性的指向などを暴露する「アウティング」を禁止する条例などを施行したばかりです。

 「県議の立場であることと、三重県は条例が制定され、制定されていなくても差別の禁止を掲げているわけです。差別や偏見の攻撃対象にならないように配慮すべきだと思います」(堀江哲史弁護士)
 

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