「苦しむ患者を搬送できない」病院決まらず3時間超のケースも 病床ひっ迫の名古屋市

2021年1月27日 13:59
 25日、名古屋市で救急搬送の受け入れ先がなかなか決まらず、患者が心肺停止になった問題。明らかになったのは、新型コロナの対応で市内の病床がひっ迫している現状でした。患者を目の当たりにしながら、救急隊員はどんな思いだったのでしょうか。

名古屋市消防局 救急部 救急課長 鳥居太さん

 話を聞いたのは、名古屋市消防局救急部救急科の鳥居太課長です。

 救急車には3人の隊員が乗り込み、協力して患者の応急処置にあたる一方、1人が運転し、1人が携帯電話で直接、医療機関に受け入れを依頼するといいます。

 「救急隊には携帯電話が1つしかないので、その電話を使い医療機関に『こういう状況でこういう患者さんがいるので受け入れていただけますか?』という形で電話をします。」

 「それで『今は難しいです』ということがもしあれば、次に近い病院に電話をかけるということになります。通常は1回か2回で決まるのですが、今は3回か4回かけるという事案が増えています」(名古屋市消防局 救急部 救急課長 鳥居太さん)
 

『救急困難事案』が増加

増加する『救急搬送困難事案』
 救急搬送困難事案。

 現場に救急隊が到着してから、患者を搬送するまでに30分以上かかり、かつ、医療機関に患者の受け入れが可能かどうかを4回以上問い合わせたケースをこのように呼びます。

 「これまでは、救急車が現場に着いて病院に向かうまでの時間は、だいたい平均すると15分くらい。それが30分以上かかるというのは、単純に言えば通常の倍以上かかっている。尚且つ、2時間、3時間かかる事案が中にはあるという状況です」(名古屋市消防局 救急部 救急課長 鳥居太さん)
 

名古屋市 救急搬送困難事案(名古屋市消防局の統計)

 名古屋市消防局の統計です。

 特に年末年始にあたる2020年12月の第4週から、急激にその件数が増えています。

 前の年の同じ時期に発生した件数と比較すると、その件数が多くなっているのが分かります。
 

病床ひっ迫で「患者が苦しんでいても搬送できない」

「患者が苦しんでいても搬送できない」、背景に新型コロナ
 そうした状況の中、25日、医療機関に受け入れを相次いで断られ、搬送途中で患者が心肺停止になったケースが2件あったことが明らかになりました。
 
 いずれの患者も新型コロナの症状は出ていなかったといいます。

 心肺停止には至らなかったものの、他にも搬送までに時間がかかったケースがあるといいます。

 「コロナ陽性の方で救急車を呼んだ後、病院が決まるまでに10回以上電話をかけ、現場に救急車が滞在している時間が3時間以上になったケースもありました」(名古屋市消防局 救急部 救急課長 鳥居太さん)

 いずれも背景には、新型コロナの対応で名古屋市の病床がひっ迫している現状があります。

 「救急隊は病気の方、けがをされている方、少しでも早く医療機関に搬送したい、そういう思いでやっている中で、苦しんでいる患者さんを見ながら、なかなかそれができないというのは、非常に重い事態と考えています」(名古屋市消防局 救急部 救急課長 鳥居太さん)

(1月27日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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