コロナ死者、葬儀の現場では…納体袋に密閉、専用霊きゅう車で火葬場へ

2021年1月19日 16:57
 葬儀の場でも新しい様式が求められています。新型コロナで亡くなった人を受け入れる葬儀会社を取材すると、送る側の苦悩がみえてきました。
葬儀会社のスタッフも防護服
 防護服を身にまとう男性。医療従事者ではありません。葬儀会社のスタッフです。

 名古屋を中心に69の葬儀会館を運営している「平安閣」。

 去年3月からの11か月間で、愛知県内で新型コロナに感染して亡くなった124人の葬儀を受け入れてきました。

 「葬儀のたびに感じるのは、ご家族の負担とつらい思い。その点が一番つらい」(平安閣 葬祭事業部 山田怜史課長)
 

コロナ専用の霊きゅう車

「受け入れられない」コロナへの悔しさ
 新型コロナの患者が病院で亡くなった場合、納体袋に密閉され、防護服を着た専門のスタッフが棺を運びます。

 運転席と棺台が隔離されたコロナ患者専用の霊きゅう車に載せ、他の利用者がいない夕方に火葬場へ。

 遺体を清め化粧を施すなどして故人をしのぶ場を持つことは難しく、別れは原則、密閉された袋越しでしかできません。

 「病院でコロナ感染で亡くなると、ご遺族もこれまで顔を見れなかったとか、お見舞いにも行けなかったということがあると思います。大変つらい中ではあるので、私たちもご遺族に寄り添ってできるだけ対応したい」(山田怜史課長)

 この葬儀会社では、火葬前に濃厚接触者ではない親族が集まり、棺の上に花や手紙、写真を手向けられるよう配慮しているということです。

 葬儀をあげた新型コロナ患者の遺族からは、感謝の声が届く一方で、最期の別れを阻む新型コロナに悔しさをにじませるといいます。

「送り出すだけのお別れになってしまって、悲しいし悔しいです」
「心のけじめがつかず、別れが受け入れられません。葬儀の大切さを改めて感じました」(新型コロナ患者の遺族)
 

葬儀もソーシャルディスタンス

参列者もソーシャルディスタンスを
 また、感染していない人の葬儀にも新型コロナの影響が。

 遠方の親族を呼ばず、参列者を少なくしたり、会食を取り止めたりするケースもあるということです。

 安心して葬儀をあげてもらえるよう去年2月に、厚生労働省の指針に合わせたマニュアルを作り、感染対策を講じています。

 「参列する皆さんに安心してお越しいただけるように、時間をずらしてお越しいただくような案内をしています。式場内は席を一定の間隔を空けて準備しており、密にならないように取り組んでいます」(山田怜史課長)

 葬儀情報サイトの運営会社が実施したアンケート調査によると、およそ8割の葬儀会社が「新型コロナの拡大で葬儀の規模が縮小し、今後も縮小する」と回答しました。

 遺族はもとより、葬儀会社もやるせない思いを抱えています。
 
 「コロナ禍の影響もあって、以前にも増して家族だけで行うという方も増えています。それによって縁が壊れているという現状もあります。1日でも早くコロナの影響がなくなり、皆様が集まって通常のお葬儀が安心して行える日が来たらいいと思います」(山田怜史課長)
 

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