「やられても やり返さない 仏教だ」…お寺のユニーク掲示板 あなたも探してみませんか?

2020年10月29日 13:48
 街を歩くとふと目にするお寺の掲示板。仏教のありがたいお言葉から、世相を反映させた、くすっと笑えるものまで。コロナ禍で多くの人の心に染みわたる、言葉の奥の深い意味に注目です。

思わず「くすっ」…お寺の掲示板(築地本願寺 提供)

 お寺の掲示板に張り出されているポスターや標語。

 その中に、「お墓参りはご先祖様とのテレワーク」「お寺に行くと思い出す その焼香のせいだよ」など、どこかで聞いたことがあるようなフレーズが。

 掲示板の内容は、お釈迦様の逸話や心に響く有名人の言葉など様々ですが、その時代の人々の悩みや世相を反映しています。
 

名古屋の楽運寺でも掲示板が活躍

お寺に入らなくても…「言葉」や「教え」を届ける掲示板
 名古屋の上前津駅近く、大須に建つ楽運寺でも掲示板が活躍しています。

「掲示板の言葉がいいから住職とお話したいとか、掲示板が変わってないので、いい加減変えてほしいとかいろいろなご意見をいただいております。お寺の中に入ってもらわなくても、言葉や教えを届けられるのはとても貴重なものだと思うので、精一杯言葉を選んで届けたいと思っております」(楽運寺 佐々木賢祐 住職)
 

「輝け!お寺の掲示板大賞」のHP

お寺が「デジタル化」? SNSで大ヒットの言葉はあの人気ドラマから…
 お寺の掲示板の写真をツイッターなどに投稿して、内容の深さなどから大賞を決めるイベント、「輝け!お寺の掲示板大賞」がインターネット上で盛り上がりを見せています。
 
 「お寺のデジタル化」がもたらした2020年1番のヒットは、「やられても やり返さない 仏教だ」

 ツイッターで1万6千件以上の「いいね」がつくなど話題となっています。

 この言葉を張り出していたのは、年間250万人以上の人が訪れる東京の築地本願寺です。

「ウケを狙っていました。ウケるんだろうなとは思いましたけど、ここまで拡散するとは思っていませんでした。よくお坊さんの話は難しいとおっしゃられる方もいるのですが、こちらが一方的に伝えるのではなくて、できる限りご理解いただけるように伝わるように努めていくことが大切だと思います」(築地本願寺 東森尚人 副宗務長)
 

2018年の大賞「お前も死ぬぞ 釈尊」 岐阜県郡上市の願蓮寺

「お前も死ぬぞ 釈尊」シンプルさに込められた想い
「お寺の掲示板大賞 第1回」で大賞を受賞したのは、岐阜県郡上市にある願蓮寺です。

 創建から500年以上の歴史を持つ、由緒正しきお寺です。

 2018年に大賞を受賞した標語が、「お前も死ぬぞ 釈尊」

 シンプルながらも真実を表わしているこの言葉。

 この年は、北海道と大阪で大きな地震がそれぞれ発生。

 また台風21号や西日本豪雨での被害など災害が相次いだことで、「お前も死ぬぞ」という言葉に共感のメッセージが寄せられました。

「日常の生活を通して、私もいつか死んでしまう身を生きているのだと深く感じたので掲示することにしました。命というのはいつ無くなるか分からない。今、私たちの生きている“生”というものを見つめ直してくださいということだと思います」(願蓮寺 石神真 住職)
 

あなたの街のお寺にもユニークな掲示板があるかも?(永明寺 提供)

「輝け!お寺の掲示板大賞」ができた背景には「お寺離れ」があったといいます。

「2040年には3万余りのお寺が消滅してしまう可能性があると言われているんです。ですから日本の仏教界全体が、危機的な状況にあるという風に言えるかもしれませんね」(仏教伝道協会 江田智昭さん)

 後継者問題や檀家離れなどでお寺の役割が改めて問われています。
 
 そんな中での新型コロナウイルスの感染拡大。

 新しい生活様式が求められるなど暮らしに大きな変化があった2020年は掲示板にも大きな影響があったといいます。

「たくさんの人がコロナで先が見えないというか、不安を抱えている状況にあると思うんですが、人々に安心を与えるというか、そういった内容の作品が多いかなと感じます」(江田智昭さん)

 コロナ禍においても、心に寄り添う「お寺の掲示板」

 お寺や住職の個性が詰まった掲示板に目を向けると新たな発見があるかもしれません。

(10月29日 15:40~放送『アップ!』より)
 

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