生徒「高齢の先生にうつったらと心配」 学校の"職員室"や"保健室"での感染対策は?専門医に聞いた

2020年8月24日 15:16
 短い夏休みを終えた学校では、熱中症だけではなく新型コロナウイルスへの対策も求められています。  特に教職員と生徒が接する場所では、どう対応すればいいのでしょうか。  感染症の専門医にポイントを聞きました。

公立陶生病院 感染症内科 武藤義和医師

 話を聞いたのは、公立陶生病院、感染症内科の武藤義和医師です。
 
 7月、愛知県江南市の「滝学園」を訪れました。
 中高一貫校で、あわせて1800人を超える生徒が通学しています。

「自分たちが知らない間に拡散させて、高齢の先生や基礎疾患を持っている人にうつしてしまうことが心配です」
「通学路や電車の中が不安です。どう頑張ってもソーシャルディスタンスを保ったまま電車やバスに乗るのは不可能なので」(生徒)

「子ども達と接する機会が多い教職員は、感染のことについてはよりきちんと予防しなければならないと思いますし、常に自分の健康には注意を払ってなきゃいけないと思います」(滝中学・滝高校 中島政彦校長)

 こうした中、特に生徒と教職員が接する場所では、念入りな対策が必要となってきます。
 

生徒を保健室で休ませる場合の対策は?

学校の悩み① 保健室
 保健室は体調不良の生徒が多く訪れるため、感染拡大の「拠点」になってしまう恐れもあります。
 生徒を部屋で休ませる場合、どのようにすればいいのでしょうか。

「違う症状で来ている子もいるので、最低2mは離すということを気をつけたほうがいいです。ベッドの距離をとるのも大事ですが、『ゾーニング』といって、感染が疑われる子が使う場所や触るものを、ほかの子と全く異にすることがおすすめとされているので」
「下に線を引いたり、スペースがない場合はテープを貼って『このテープの内側はその子のスペースだよ』とわかりやすくする方法もありだと思います」(公立陶生病院 感染症内科 武藤義和医師)
 

感染が疑われる場合は「ゾーニング」を

 武藤医師は対策として、「生徒同士の距離を空け、生徒に対してテープやマーカーなどを使って、ベッドやその周辺の行動して良い範囲を明確に示すこと」「対応する教職員のマスクの着用はもちろん、生徒が触れたものや嘔吐物を消毒液を使いふき取ること」を挙げています。
 

熱中症と新型コロナウイルスの症状の違いは?

 そして、この時期症状の見極めが難しいのが、新型コロナと熱中症です。
 武藤医師も「初期症状は似ている」と話しますが…

「コロナウイスルと熱中症の違いは、熱中症は『ぼんやりしてくる』とか『39℃近くまでいきなり熱が上がる』ことが多い。新型コロナウイルスは『軽いせき』や『なんとなくだるい』『熱が上がってきた』など、少し時間をかけて悪くなってきます。スピード感が若干違うかなと思います」(武藤義和医師)

 
 

症状が出るタイミングに違いが

 熱中症の場合は「吐き気」や「意識障害」「めまい」といった症状が出やすいのに対し、新型コロナの場合は、重症化してから出ることが多いということです。
 

「3密」になりやすい職員室

学校の悩み② 職員室
 教員ら大人に加え、生徒も出入りする職員室。ここも学校の中で「3密」になりやすい場所の1つです。

「この職員室は、かなり人と人の距離がとれているなと感じます。元は広い部屋ということもありますが、1人1人のスペースと距離があり換気もできているので、感染リスクは極めて低いと思います」(武藤義和医師)
 

ドアや窓を開け、一方通行の空気の流れをつくる

 その上で大事なのは「空気の流れを意識した換気」だといいます。

「学校に限らず、密な空間は構造上避けられないところはあると思います。右端と左端を開けることによって、一方通行の空気の流れを作る。これが換気に非常に有効だと言われています」(武藤義和医師)
 
 一方、設置が増えている「アクリル板」については…

「マスクをしていることが感染のリスクを大きく減らすといわれている。アクリル板の追加効果はそこまではっきりしていない/なるべく大きな声を使わないこと。そして対面でもしっかりマスクを使うことがいいと思う。できれば2m開けてもらうのがいい」(武藤義和医師)

 

会議の際はマスクを着け2mの距離を

 職員室などでのポイントは、「空気の流れを意識した換気」や「入退室時の手洗い・消毒」。

 また、武藤医師は「打ち合わせや会議をする際は、マスクを着用した上で2m程度の距離をとってほしい」としています。

(8月24日 15:40~放送『アップ!』より)
 

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