「学校の感染症対策」専門医がアドバイス 皆が使う“共有物”どこまで消毒?

2020年8月4日 12:06
 夏休み中も部活動などで登校する子どもがいる中、学校ではどのような対策をとればいいのか、感染症の専門医に学校で話を聞きました。

学校での感染対策、夏休みでも悩みは尽きない

 公立陶生病院の感染症の専門医、武藤義和 医師とともに愛知県江南市にある「滝学園」を訪れ、ボールや本など、学校の“共有物”の取り扱い方法について話を聞きました。
 

公立陶生病院 武藤義和 医師

子どもが共有する「ボール」消毒はどのくらい必要?
「部活動などが終わった後の消毒作業や、使ったボールの消毒とかに時間がかかり大変なんですが…」(加藤晃子 養護教諭)

「ボールは確かに皆で共有しているものなので、消毒に値するかもしれないが、1日1回でいいと思います」
「物についているウイルスは、鉄であれば1日もあれば消えてしまいます。その日、部活で使ったものは、次の日の同じぐらいの時間には消えています。そのため、自分の手を洗う事でリセットしたい」(武藤 医師)

 生徒の手洗いの徹底こそ重要と強調しました。
 

「“物”の消毒より“手洗い”を」(武藤 医師)

“拭き取り”のポイント
 その上で、物を消毒する際は、消毒液をかけるだけでは表面のウイルスを取り除くことができないので、しっかりと拭き取ることが大切と話します。

 また、空間への消毒液の噴霧は「科学的な根拠も乏しく、むしろ吸い込むことで健康被害の報告もあるのでやめて欲しい」と呼びかけています。
 
「消毒剤の種類」もポイント
 武藤医師によると、濃度70~80%の消毒用エタノール、もしくは、次亜塩素酸ナトリウムが好ましいということです。

 ただ、手元にない場合は、一部の市販の食器洗い洗剤を薄めたものでも効果が認められていて、代用は可能だということです。
 

“触る人”が入室の前後で手洗いを

図書室にある本も“共有物”だけど…紙って消毒できる?
 消毒は、共有物である本を扱う、図書室でも悩みの種になっています。

 これまで、エタノール消毒でふき取っていたといいます。

「本は人が触るものなので消毒したくなるが、表紙だけでなくページ全部を消毒してようやく消毒となるので、実際は不可能だと思います。そう考えると、触った人の手をしっかり消毒することが大事ということになりますよね」(武藤 医師)

 武藤医師は、図書室に入る前と後に、生徒一人ひとりが手洗いする重要性を改めて指摘しました。

「紙についたウイルスは、24時間くらいで死ぬと言われています。1日で感染力は極めて下がると思うので、どうしても心配なら、1日置いておくだけでも十分に効果があると考えられます」(武藤 医師)
 
“使い捨て手袋”は使い方に注意?
 一方、使い捨ての手袋については、注意が必要だと強調します。

「手袋はウイルスが残りやすい。手よりも残りやすいと言われています」
「自分がウイルスの媒介者になってしまう、自分が触ったものを次にうつしてしまう。そういった意味では推奨されないと言われますし、手袋は使い続けると見えない穴が開いてしまいます」(武藤 医師)

 実際、医療従事者が手袋をしているのは、患者と直に接している短い間だけ。

 患者ごとに手袋を変えるほか、手袋をしたまま歩き回ったり、周りの物に触ったりはしないといいます。

「手袋をつけ続ける行為は、医療者は全くしていないし、1人の患者さんに1つの手袋が基本。その手袋で自分は守られるかもしれない、しかし、その手袋で頭をかいたり、マスクを引っ張ったりするかもしれません」
「手を洗うことの方が、圧倒的に効果があり、付けっぱなしの手袋にはメリットはないと思います」(武藤 医師)
 

共有物の感染症対策(武藤 医師 監修)

共有物が多い場所での感染症対策のポイント
 厚労省などによると、紙や段ボール、鉄についたウイルスは、最大24時間で、プラスチックは最大72時間で死ぬので、モノの消毒にとらわれすぎず、共有物を使用する前と後に、生徒の手洗いを徹底。

 手袋については、ウイルスが付着している物の表面に触れた後、別の物に触ると、ウイルスをまき散らすことになるので基本的には使わず、手の消毒や手洗いに重きを置いてほしいとしています。

(8月4日 15:40~放送『アップ!』より)
 

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