「GoToキャンペーン」「劇場クラスター」どうなる?東京の感染拡大 東海3県へ影響は?専門医に聞いた

2020年7月15日 21:24
 東京都では連日3桁の感染者数が確認される日が多くなっています。東海3県への影響も懸念されます。感染症の専門科、公立陶生病院の武藤義和医師に話を聞きました。

気になる4つの疑問を感染症の専門医に聞いた

 新型コロナに関して気になっている4つの項目を武藤医師に聞きました。

1. 東京都で連日3桁の感染者、この数をどう見たらよいか?
2. 新宿の「舞台クラスター」いったいなぜ発生したのか?
3. 来週から始まるGoToキャンペーンは専門家から見て?
4. 東京との往来は?東海3県でも再び感染拡大する恐れは?
 

東京都の新規感染者数と重症者数(15日15時現在)

東京の新規感染者なぜ連日の3桁?
 東京都の新規感染者数を見てみると、7月9日~13日が4日間連続で200人を超え、14日は143人、15日は165人と3桁の日が続いています。

Q.小池都知事は「検査数が増えたから感染者数も増えている」とも話していますが、東京都の新規感染者数の数を武藤医師はどう見ますか?

「実際に検査数が増えているのは事実だと思います。しかも濃厚接触者、つまり疑わしい周りの人を全部調べていますので、さらに検査の陽性率は上がるのは事実だと思うんですけれど、それにしてもかなり増加が早いなという印象を持ちますね」(公立陶生病院 武藤義和医師)
 

公立陶生病院 武藤義和医師

Q.検査の対象になっている人が第一波の時と比べると違っているとも言えるということですね?

「そうですね。周りに全く症状のある人がいなくて、その人だけが発症するのではなくて症状が出ている人の周りの人を検査しているので、やはり陽性が出やすいのは事実だと思います」

Q.グラフでは青色の折れ線で描かれている重症者数については、4月28日の105人をピークとして減少傾向にあり、7月14日は0人でした。重症者の数についてはどう受け止めていますか?

「一般的に言われているのは『若い人の間ではやっているのから重症化しない』ということで、やはり発症しているのは若い人が中心と言うことですね。しかし海外の報告では平均年齢が変わっていないのに最近は重症者が減っていると話もあったりするので、もしかしたら本当に“弱いタイプ”の新型コロナウイルスが今の広がりの中心なのかもしれないということも言われていますね」
 

新宿「劇場クラスター」感染者は全国に広がる(15日15時現在)

新宿の「劇場クラスター」感染者は愛知にも
 新宿で6月末から7月5日まで行われていた舞台で、大規模なクラスターが発生しました。

 これまでに確認されている感染者は47人。保健所は全ての客とスタッフ合わせて850人を濃厚接触者と指定しています。

 47人の感染者は1都7県に及んでいます。愛知県でも14日には、舞台を見に行っていた60代の女性の感染が確認されています。

Q.850人が濃厚接触者、これはクラスターとしてはかなり大規模になりますね?

「かなり調べるべき方が増えているというのは現場の方もすごく大変だと思いますし、この規模で続くと、かなり広がるリスクはあると思われますね」

Q.対策はとられていた劇場だったのでしょうか?

「私は聞いている所でしかないのですが、やはり人が密な所が多かった・距離もかなり近かったと聞いています。やはり専門家が感染対策に入っていなかった部分もあったりとか、そういった意味ではもう少し頑張れた部分があったかもしれないと思っています。一番は症状がある方が劇場の中にいらっしゃったということが感染拡大に関連していると思いますので、やはり症状のある方はお休みすることが大事じゃないかと思いますね」
 

感染拡大を防ぐための行動指針

 武藤医師からは感染拡大を防ぐ4つの行動指針を上げてもらっています。

・マスク着用
・三密回避
・手洗い
・体調不良の時は出歩かない

Q.『体調不良』とは具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?

「基本中の基本ではあるのですけれど『熱がある』。以前は37.5℃と言われていたが、37.3℃でも37.4℃でも、やはりちょっとでも高いなという時。また『倦怠感』を感じる時ですね。最近若い方ですと『嗅覚障害・味覚障害』を相談される方も多いですね。咳や熱以外にもそういった症状が出ている方に関しましては、心配されて出歩かない方が良いと思います」

 以前は基準の1つであった『37.5℃以上の体温』という数字にとらわれずに、体調の異変を感じたら出歩かないようにするといった心構えが大事になってきそうです。

 

22日からスタート予定の「GoToキャンペーン」

GoToキャンペーン「全国一斉スタート」に懸念の声も
 続いては、政府が来週22日から開始する予定の「GoToキャンペーン」についてです。国内旅行を対象に国が宿泊・日帰り旅行代金の半額相当を補助する事業です。

 東京都での感染が広がっている中でのスタートに対し、大阪府の吉村洋文知事や山形県の吉村美栄子知事からは「全国的なキャンペーンはいまやるべきではない」「この時期に全国一斉にスタートするのはいかがなものか」と懸念する声が上がっています。

 一方で、経済同友会の桜田謙悟代表幹事からは「今の段階で延期すべきだとか、さらに遅らせるということは(キャンペーンを)やめるという話になる。また不安をあおることになるので(延期)はすべきではない」との声も上がっています。

 

番組にリモート出演する武藤医師(15日)

首都圏との往来に専門医は…
Q.首都圏との往来に対して武藤医師が感じることは?

「正直このキャンペーンについて、お互いの言い分はどっちも正しいと思います。経済的にも医療的にも大事なことはいっぱいあるんですけれど、やはり首都圏からに関しては、患者さんが増加傾向にある地域でもありますので、そういう意味では『積極的に行きましょう』と大きな声で言うのはなかなか難しいかなという面が感情的にはあるかなと思っています」

Q.今のこのタイミングでは旅行は急ぎでなければしない方が良いというトーンなのでしょうか?

「そうですね。実際に患者さんが増えているという状況ですので、そのような不安があると思いますので、積極的に行かれる方も少ないと思うのですけれど、あるいはもう少し見て、本当にこのウイルスが重症化する方が出てこなくなってくるようなウイルスだということがわかってくれば、皆さんも安心して(旅行に)行くことができるんじゃないかなという気持ちはあります」

 

東海3県の14日までの感染者数

東海3県では約2カ月半ぶりの「8人」 今後は?
 東京都で新規感染者が100人を超えるのは15日で7日間連続となりましたが、今後心配なのは東海3県でも、再び感染拡大ということがあるのかどうかという点です。

 14日発表の東海3県の新規感染者は、愛知県では5人・岐阜県では3人でした。
 

東海3県の感染者数の推移

 14日は東海3県で合わせて8人の感染者が出ましたが、感染者が8人より多かったのは、約2カ月半前の「4月24日の16人」でした。

Q.約2か月半ぶりの8人という新規感染者、この数字はどう受け止めれば?

「数としては増えているのは事実でして、多くの場合、東京や大阪という都市部から来られた方の関係の方というのが言われています。この方々から1週間後、2週間後に広がってくるかというのがすごく大事になってきますので、今の8人がそのまま減っていくことを期待したいところですが、大事なポイントだと思いますね」
 
Q.改めて私たちが出来る自己防衛策にはどんなことがあるでしょうか?

「やはり一番大事なのは、以前から言われている通り『3つの密を避ける』『手を洗う』『マスクをする』という本当に基本的な所。そして『症状のあるような方はしっかり家で休んでいただく』。本当に基本的なことなんですけれど、これをやることが感染の対策になってきますので、1人1人がしっかりと基本を守る。特殊なことはやらなくても良いです。基本を守るという意識をしっかり持っていただくのが大事じゃないかなと思いますね」(武藤義和医師)

(7月15日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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