"最年少タイトル"に王手の藤井聡太七段…和服には、母と師匠との絆が

2020年6月29日 13:35
 史上最年少でのタイトル獲得を目指す、将棋の藤井聡太七段が、28日、王手をかけました。  この大一番で、意外な一手を繰り出しました。  また、今回はスーツではなく、和服姿で現れた藤井七段。その経緯とは?

「棋聖戦」5番勝負の第2局に臨んだ藤井七段(28日 主催 産経新聞社 日本将棋連盟 特別協賛ヒューリック株式会社)

 「棋聖戦」5番勝負の第2局。
 この大一番に挑んだ藤井七段は、公式戦では2度目となる、和服で登場しました。

 対局は、午前9時すぎから、渡辺明棋聖の先手で始まりました。

 

瀬戸市の乾物屋では…

藤井七段の地元・瀬戸市の商店街は…
「『あ、和服だ』と新鮮な感じ。ぜひストレートで勝ってほしいという思いもありながら、とにかく藤井七段らしい将棋を指してほしい」(瀬戸市民)

 対局が行われる度に応援でにぎわう、地元・愛知県瀬戸市の「せと銀座通り商店街」。

 商店街にある乾物の店では、かつおの削り節の包みに、星印が…

「勝つと信じて、星(2勝目)に色を入れて、詰めさせていただきました」(乾物店)
 
藤井七段が指した"異例の一手"
 対局開始から約2時間…

「『金』でましたね」
「まだ休憩まで時間あるけど指しちゃいましたね」(解説)

 守りに使う「金」を、序盤からいきなり攻めに持ち込む異例の一手に、渡辺棋聖は対局後「前例のない将棋」と語りました。

「指してすぐに席を立つのは"自信あり"」
「これは勝ちにきている」(解説)
 

藤井七段が指した一手は…(主催 産経新聞社 日本将棋連盟 特別協賛ヒューリック株式会社)

 熱戦が続いた、約9時間40分…

「参りました」(渡辺棋聖)

 藤井七段が90手で勝利を収め、棋聖戦タイトルに王手をかけました。

 

商店街には手作りののぼりも

 「棋聖戦」に向けて、商店街に掲げられた手作りののぼり。
 「史上最年少のタイトル獲得」記録の更新まで、あと1勝となりました。

「このままの勢いで、次もぜひ勝ち進んでほしい」
「聡太君はやり遂げると思う。前人未到の将棋を」(瀬戸市民)
 

渡辺棋聖も「前例がない」と語る(主催 産経新聞社 日本将棋連盟 特別協賛ヒューリック株式会社)

藤井七段「やってみたい手だった」
 対局後の感想戦では、プロをもうならせた一手について、藤井七段は…

「『5四金』は、この局面になれば、やってみたい手だと思っていました」(藤井聡太七段)

 この一手には、渡辺棋聖も驚いた様子。

「大胆な指し方でこられて、前例もあまりない将棋だと思うので」(渡辺明棋聖)
 

藤井七段の師匠 杉本昌隆八段

師匠・杉本八段「従来の常識では考えられない」
 この「5四金」。
 どのような一手だったのか、藤井七段の師匠である杉本昌隆八段に、電話で話を聞きました。

「従来の将棋の感覚や常識では考えられない、斬新な一手でした。歩というのは、基本的に攻めの駒で、金は守りの駒なので、攻めの歩を前にして攻めるのが通常の考え方」

「藤井七段は、発想を逆にして、歩を守り、金を攻めで使った。その手自体が決め手になったわけではないが、渡辺棋聖に与えた心理的なダメージがあったと思います」(藤井七段の師匠 杉本昌隆八段)
 
和服には師匠との関係が…
 大胆な1手もあり、タイトル獲得に王手をかけた藤井七段。

 和服を着て対戦した感想は…

「和服は長時間では初めてで、どんな感じかわからないところもあったが、思ったより快適で、普段通りやれた」(藤井聡太七段)

 

藤井七段と杉本八段(10日)

 実は、この和服は、杉本八段から贈られたものでした。

「2019年の公式戦用にプレゼントしまして、お母様と一緒に京都の呉服店で買いました。紺というのは藤井七段も好きな色ですし、似合うのではないかと、私もお母様も思いました。羽織に関しては、お母様の好みも反映されていると思います」(杉本昌隆八段)

 史上最年少でのタイトル獲得まで、あと1勝。
 藤井七段は、大事な一局に挑みます。
 

袴は「仙台平」

藤井七段が履いていた"袴"は…
 藤井七段が着ていた和服は、濃紺で、羽織は黒。
 そして注目なのは、灰色にしま模様の袴です。

 これは、仙台平(せんだいひら)という高級絹織物。
 宮城・仙台市で作られています。
 製造会社に特徴を問い合わせたところ、しわがつきにくく、肌ざわりの良さが魅力ということです。
 

7月1日に「王位戦」、9日に「棋聖戦」第3局

今後の対局は?
 藤井七段の今後の対局日程は…

 7月1日、愛知県豊橋市で対局を迎えます。
 木村一基王位との「王位戦」です。

 7月9日は、「棋聖戦」5番勝負その第3局が東京・千代田区で行われます。
 この第3局に勝つと、タイトル獲得最年少記録となります。

 重要な対局に、今後も目が離せません。

(6月29日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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