尾木ママがズバリ答える『学校再開』…夏休み削っての授業は疑問・前と同じ学校生活はできない!? 

2020年5月18日 14:46
 三重県では、18日から多くの学校が再開しました。愛知県でも再開に向けた準備が始まりました。夏休みの短縮を発表した名古屋市は、暑さの中での学校生活に向けた対策を示しました。

尾木ママこと尾木直樹さんに聞きました

 長期にわたる臨時休校からの学校再開に、喜びの一方、とまどいや今後の不安の声もあがっています。学校の先生・保護者・そして子どもたちからの疑問や心配を尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹さんと一緒に考えました。
 

桜小学校(三重県四日市市 18日)

三重県では18日から分散登校などで学校再開 
「おはようございま~す!」

 緊急事態宣言の解除を受けて、三重県では18日から、県立学校のほか、四日市市や津市などの小中学校が再開しました。

 四日市市の桜小学校では、分散登校のため全校児童のうち6年生約60人が、4月15日以来、約1カ月ぶりに登校しました。

 学校で、同級生たちと久しぶりに再会した子どもたちは…

「みんなと会えて良かった。この1カ月遊べなかったから、みんなと頑張って元気に遊びたい」
「みんなと会えて嬉しいです。算数の勉強を頑張りたいなと思っています」
 

桜小学校(三重県四日市市 18日)

先生「嬉しいが感染リスクは不安」
 授業が始まる前は、手洗いをするほか、窓を開けて換気をするなど、感染防止対策を徹底しています。

 18日の授業は、午前の3時間だけで、休校中の課題を提出した上で感染防止対策について学びました。

 子どもたちの笑顔を見て、先生は…

「子どもたちが来てくれたのはうれしいです。待ちに待っていたので」「嬉しい反面、感染リスクは避けれれないし、それでどうしても不安がある。方法を探して、大事な一年を過ごせてあげられたら嬉しいなと思います」(6年生担任 飯場丈祥先生)

 三重県の県立学校と小中学校は、今月中は分散登校などで段階的に授業を再開し、来月1日から通常授業とする方針です。
 

登校後まず玄関近くの部屋で検温(師勝小学校 愛知県北名古屋市 18日)

愛知県でも25日再開に向け「準備期間」に入る
 一方、愛知県では、25日からの学校再開に向けて、18日から「準備期間」に入りました。

 北名古屋市の師勝小学校では、全校児童を2つの班に分けての分散登校です。

 登校した児童たちは、まず玄関近くにある部屋で、検温をします。


 
 

教室では20人を超えないよう席を空けて(師勝小学校 愛知県北名古屋市 18日)

 教室では1クラスが20人を超えないように、間隔を空けて席につき、感染予防策につとめています。

 師勝小学校では、しばらく分散登校を続け、来月1日から全校児童が登校しての通常授業を目指します。

「クラス全員でそろって授業をしたい」
「友達と運動場でひたすら遊びたい」
「先生と久しぶりに会うので結構緊張しています」(児童)
 

名古屋市役所

夏休み中の授業…名古屋市は「体育の実技・プールは無し」に
 また名古屋市は、市立の小中学校と特別支援学校について、夏休みを2週間ほど短縮し、8月17日から31日までは、3時間授業や4時間授業を交えて、休校で不足した授業時間を確保します。

 この期間は暑さ対策のため体育の実技は行わず、中学生は制服ではなく体操服などで登校出来るということです。

 また、感染防止のため今年度はプールでの水泳の授業は行いません。
 

小学校の教師から寄せられた質問

Q.子ども達との『心の距離』をどうしたら?
 学校再開という事で、喜びの声も聴かれていますが、一方でとまどいの声も聞かれています

 小学校の先生から子どもたちの距離の取り方について、こんな質問をいただきました。

「ソーシャルディスタンスは保たなくてはいけませんが、子どもとの『心の距離』を遠ざけたくない。一体どんな手立てがありますか?」(小学校教師)

 久しぶりに再開する子どもたちとの『心の距離』をどうしたらよいか、尾木ママに聞きました。









 

番組に中継で出演した尾木ママ(18日放送『アップ!』より)

「先生は『たくさんのプリントあまり気にしないでね』の言葉を」
「これは一番大事なことだと思いますよね。特に5月に入ってから学校から押し寄せてくるプリント・教材、これは予習の所だから習ってないところをやるというので、小学生も中学生も、ものすごいプレッシャーの中で一生懸命やったんですよね。そういう中で、中学生で言えば6月の中間試験の範囲にするというんですよ。成績がつくので、これがねものすごくむごい事になっていて、お母さんたちが勉強させようと圧力が強くなりすぎて、虐待がものすごい多発しているんです。やっぱり、まず先生方の口からね『いろんなプリントなんかあったけれども、あんまり気にしないでね』ということを一言言ってやってほしいの」

「それから、ソーシャルワーカーさんやカウンセラーさんと相談して、5~6項目の家庭生活の様子を、親からつらい思いをさせらなかったかとか、家庭に居場所はあったのか、など簡単なアンケートでも取って、1人1人の状況を把握して、ちょっと心配だなと思う傾向のあった子に対してはね、それこそソーシャルディスタンスを取りながら、あるいはフェイスシールドをしながら対面してお話を聞いてあげるとか、そういうことをおやりになることがすごく重要だと思います」

 

「先生は僕の声を聞いてくれる」という安心感を

「それで『先生は僕の声を聞いてくれるんだ』。お説教ではなくで『聞いてくれる』っていう安心感、『先生は僕の学校での居場所だな』ってことを、わかってもらうってことがすごく重要だと思います」

「だからあんまり上の指示とか、文科省が通達をどんどん出すんですよ本当に、日替わりみたいにコロコロ出るんです。中には良いものもあるんですけどね、それに校長が機械的に縛られると、コロコロ方針は変わるし生徒たちを追い詰めるんですよね。だって中学生なんか『6月の試験に出すぞ』って脅かされてプリントやらされてるんですもの予習を。これは辛いと思いますから、そういう所で始めから距離が開いているのを『いや気にしなくていいよ』という風にして、『あっ先生は聞いてくれる、僕たちの辛さをわかってくれる』という共感できる部分を大事にしてほしいなと思います」
 

保護者から寄せられた心配

Q.夏休み短縮しての授業 熱中症の心配は?
 夏休みについてもこんな声をいただきました。中1・小6・小4のお子さんを持つ保護者の方からです。

「夏休みに授業を行うとすれば熱中症が心配」

 愛知県では18日までに、名古屋市を含め35の自治体が夏休みの短縮を決めていて、子どもたち1年で最も暑い時期に学校に行かなければいけない可能性があります。

 授業をせざるを得ないことは理解できますが、熱中症も心配…尾木ママはどのように
考えるでしょうか?
 

尾木ママ「真夏の通学は熱中症の危険」

尾木ママは「夏休み削っての授業」に疑問
「新型コロナよりも熱中症で倒れたら元も子もないわけですから。政府の方は今8割ぐらいの学校にエアコンが付いて完備してるからっておっしゃってるんですけれど、教室の中に入っても換気のために窓を時々開けなきゃいけないでしょ。だから冷房効果も弱まるし」

「それから一番心配なのは、通学で15分、遠い子は20分近くは歩いたりすると、登下校中が危険ですよね今度は。だからそういう点で(真夏の授業は)どうなんだろうという点がすごく懸念されますね」

「それと夏休みを削っちゃうっていうのも、時間の調整で必要な時間をこなそうと思ったら、そうやらざるを得なくなるんですけれど。そんなことやって2学期になって運動会もないし、学芸会もないし、発表会もなくなる…そんなんで学校行事も全部無くなるんですよ、先の見通しでいけば。そうすると勉強だけしてるんですよ!これはね、僕は基本的に違うと思います。基本路線が誤っていると思うんですよ。」
 
9月入学案も…「2波・3波に備えてオンライン整備を早急に」
「だから来年の8月まで期間を延ばしちゃうと、修了式を3月じゃなくて8月までに延ばしたりして、やっぱり普通の学校生活、勉強も行事もやったり、色々なことができるような期間を延長するより仕方がないと僕は思うんですよ。」

Q.年度を後ろにずらすということですか?

「卒業を5か月間後ろにずらすわけです。そうすれば、ゆったりとした中で健康的なことを取り戻せるし。2波・3波の新型コロナのピークがやってくる(かもしれない)でしょ。ひょっとしたら現在よりもひどいかもわからない。だからそれに備えて今愛知県も進めようとされていますけど、オンラインの整備を緊急にやらなきゃダメです!この5月中くらいに。東京は6月中旬くらいに小中高全部終わっちゃいます」
 

子どもたちから寄せられた疑問や心配

Q.勉強の遅れどう取り戻したら?
 子どもたち自身も勉強への不安を口にしています。

「勉強がこの1カ月できてなかったから、頭が回らなくなって問題を解きにくそう」

「学校で勉強ができなかったら学力が大丈夫かなって思いました。(これまで勉強は)自分1人でやっていました」(小学6年生)

 どのように取り戻していくべきでしょうか?また頭を“勉強モード”に切り替える方法は?
 

友達と一緒に勉強することでやる気も

「リズムは取り戻せる 自分のことを信用して」
「先生方も色々と心配だから徐々にやってくれると思うんです。学校もいきなり始まらないでしょ。3時間授業とか“慣らし運転”をしていきますので、そこで慣れてほしいなと思います。6年生だと、これまでリズムというものを体のどこかに覚えているし、頭も3カ月前までは回転してたから、だからそこがまた刺激されて動き始めますから、それは心配ないと思います。だから自分のことを信用してあげて欲しいなと思います」

「自分1人だと、やりがいがないし手ごたえが無いんだけれども、友達と一緒になると『長い休みだったのにA君はすごいなぁ、あんなに手を挙げて頑張ってる』となると、その刺激が自分にも移ってきて『僕も負けずに頑張ろう』とかね、そういう気持ちになるの。だから友達がたくさんいる中で勉強できるってことはやはりすごく素晴らしいから大丈夫ですよ、自分だけの力じゃないから」
 

子どもたちから寄せられた疑問や心配

Q.新型コロナになる前と同じような生活はできる?
 子どもたちからこんな疑問・心配も出ています。

「コロナになる前と同じような普通の生活がしたいです」
「どういうふうになったら学校が再開できるのか聞きたいです」

 これに尾木ママは何と答えるのでしょうか?
 

学校でも「新しい生活様式」作っていくことに

「戻らないかもしれないけど『学びが多様になる』…楽しくなる工夫を」
「この間、専門家会議でも仰ったんですけれど、大人もね『これからの新しい生活様式』って言って今まで通りに戻ることはほとんどないですね。新しい生活の形を作ろうものすごく細かく指針が出てきたんです。子どもたちは、学校に来てるわけですから、学校も新しい学びの形を作っていこう、というふうに多分なると思うのね。だって教室だってあんなに距離離して座ったり、給食だってこれからは班で固まっておしゃべりしながらはできなくなるんです」

「だから『学びが多様になる』と思ってください。給食の食べ方もこれまでと違った工夫した、でもつまんなくなるんじゃなくて、そんな中でも楽しいなと思える工夫は、皆さんの知恵と、先生方お母さん方の知恵ですね」
 
Q.新しい生活様式に子どもたちはすぐ慣れますか?
「いや、なかなか慣れないと思います。大人社会もスーパーの買い物の仕方から、食堂でも食べ方全然変わってるっていうような、体験の中でだんだん心構えが出来てきて慣れてくると、学校での多様な学び方というのにも慣れてくると思います。そういう新しい時代を迎えてくるんだと思いますよね」 
 

子どもたちから寄せられた疑問や不安

Q.気が緩んでいるので忘れ物をいっぱいしそう…どうしたら?
子どもたちからは、こんな不安もありました。

「気が緩んでいるので忘れ物いっぱいしそうで怖いです(小学6年生)

「これもリズムが崩れてるからなんですよ家庭生活の。だから一番簡単に言えば、前の日に全部準備を終わっておくということです。着ていくものから下着から、持ち物も全部カバンの中に入れておいて朝もう1回点検してから靴を履くっていうふうにしてみてください」(尾木ママ)
 

「感染した人は被害者」「みんなでサポートを」

「距離は開くけど、心はつながりあう社会目指そう」
Q.感染から回復した人達などに対する「からかい」や「いじめ」が心配… 学校や保護者はどんなことに気を付ければ?

「今もそういうバッシングが起きていたり、差別とかが、医療関係者の間で問題になっていますよね。こういうことは学校の先生とか家庭で、『こういうことはやっちゃいけんないんだ』と、『医療関係者の人たちは一番先頭に立って僕たちを守ってくれているんだよ』っていうことを言わなくてはいけないし、『感染した人は加害者じゃなくて被害者なんだって、みんなで心も含めてサポートしなきゃいけない』って、これからの社会というのは、そういうふうにあったかい社会になっていこうっていうのを。『距離は開くんですけど心はつながりあう社会を目指そう』というアドバルーンを高く掲げる必要があると思いますね」
 
「子どもたちに『コロナの時代を切り開いた世代だ』という誇りを」
Q.このような時代に親としてどのように子どもと向き合ったらよいでしょうか?

「今、高校生の子どもたちに流行っている言葉が『コロナ世代』って自分たちを自虐的に言うんですよ。昔は『ゆとり世代』って言って自虐的な時代もありましたよね、それよりもっと酷い感じで」

「僕ら学校現場は自己肯定感っていうのを大事にするんです。この自己肯定感がものすごく低くなっているんですよ。自己肯定感が低くなると意欲が無くなり、我慢強さや忍耐力が無くなってくるんです。そうするとなんかダラ~っとしたダメな世代が生まれてしまうので、『そうじゃないんだ。コロナの新しい時代を生活様式や学びの様式をオンラインで上手にやれるよう作り上げてきた最初の切り開いた世代なんだ!コロナを切り開いた・時代を切り開いた世代だ』っていう誇りが持てるように切り替えてあげる必要があると思います」

「だから今出来ている普通の事を褒めて、小さなことをどんどん褒めていくってことですね。上から目線で叱らないで、コロナの新世紀を作り上げるパートナーだと思ってね、お母さんも我が子のことを仲間意識でちゃんと暖かくとらえてほしいなと思います」(尾木ママ)

(5月18日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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